第7戦 モビリティリゾートもてぎ FP.1最速は野尻智紀
2023.08.19
FP.1 トップタイム 野尻智紀(TEAM MUGEN)
7月に静岡県富士スピードウェイで行われた第5戦&第6戦から1ヶ月余り。全日本スーパーフォーミュラ第7戦は、8月19日(土)〜20日(日)、栃木県・モビリティリゾートもてぎに舞台を移して行われる。その最初のセッションとなったのは、19日の午前9時20分から90分間に渡って行われたフリー走行。朝から酷暑に見舞われる中、このセッションでトップタイムを奪ったのは、野尻智紀(TEAM MUGEN)。牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続き、現在ランキングトップの宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)は5番手、今回がもてぎ初走行となるランキング2位のリアム・ローソン(TEAM MUGEN)は8番手でセッションを締めくくった。
台風7号が列島を縦断した後、再び平年以上の暑さに見舞われた日本。モビリティリゾートもてぎも、雲は多めながら朝からぐんぐん気温が上昇した。そんな中、この週末最初の走行が始まったのは、午前9時20分。この時点で、すでに気温は30℃、路面温度は41℃まで上昇。湿度もかなり高く、ひなたに立っているだけでも汗ばむようなコンディションとなる。そのコンディションのもと、コースがオープンされると、間もなく全車がコースイン。その中には、前回の富士を怪我で欠場した大湯都史樹(TGM Grand Prix)の姿もあった。一旦コースに入ったドライバーのうち、アウトラップでマシンのチェックを終えると、多くはすぐにピットイン。これに対して、太田、国本雄資(Kids com Team KCMG)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、松下信治(B-Max Racing Team)、大湯、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)はそのまま計測ラップに入る。その中で、まずは国本が1分35秒223をマーク。他のドライバーたちも1分35秒台のタイムを刻んだ。
FP.1 2番手 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
そこからは、一旦ピットに戻ったドライバーたちも再びコースへ。セッション開始から13分というところでは、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が1分34秒986と真っ先に1分34秒台に入ってくる。宮田、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も1分34秒台に突入。ただ、まだ路面ができあがっておらず、滑りやすいためか、国本がヘアピンでスピン、リスタートする場面も見られた。さらに、セッション開始から27分という時点では、最終コーナーで小高一斗(KONDO RACING)がテールスライドしスピン。グラベルストップしてしまう。そのため、セッションは開始から28分30秒というところで赤旗によって中断されている。
FP.1 3番手 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
小高のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前9時55分。この再開後も佐藤がヘアピンでオーバーランするシーンなどが見られたが、この頃から、各車のタイムが次第に上がってくる。まず再開から5分後の午前10時にはローソンが1分34秒671と、それまでのトップタイムを更新。続いて、大湯が1分34秒608と、ローソンのタイムを上回ってくる。さらに、午前10時06分には、佐藤が1分34秒249と、34秒台前半に飛び込んできた。そして、午前10時15分には、野尻がスクラブタイヤで1分33秒488と、一気に33秒台に突入し、トップに浮上する。また、これとほぼ同じタイミングで、ブリュックバシェはニュータイヤを投入。1分34秒185をマークし、この時点での2番手に浮上してきた。
その後、残り時間が30分を切ると、国本がニュータイヤを投入し、野尻に続いて1分33秒台に突入。1分33秒888をマークしてくる。これに続いて、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)もニュータイヤを装着すると、1分33秒767をマークし、この時点での2番手に浮上した。
そして、セッションの残り時間が10分を切ると多くのドライバーがニュータイヤを投入。午後から行われる予選に向けてのアタックシミュレーションを行う。このアタックに向けての手順は、宮田をはじめフロントタイヤを先にスクラブしてからリヤにニュータイヤを入れたドライバー、4輪ともにニュータイヤでコースイン、タイヤを2周温めてからアタックに向かったドライバーなど、それぞれ分かれた。その手順違いの影響、また予選よりも多くの台数が一度にアタックに向かったこともあり、最終コーナー辺りではトラフィックも発生。大湯はアタックラップのセクター4で、このトラフィックに引っかかる形となって、大きくタイムロスしている。またここでは誰も、野尻がセッション中盤にマークしたタイムを上回れなかった。結果、セッショントップタイムは野尻。最後のアタックで自己ベストを更新した牧野が2番手に浮上する。早目にアタックを終えていた可夢偉が3番手。これに最後のアタックでタイムを更新した太田、宮田、山本と続いた。以下、国本、ローソン、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原とトップ10台が1分33秒台のタイムを記録している。
予選では、この中から誰がPPを獲るのか。もてぎをはじめ、栃木県地方は午後から発雷確率が上がってくるため、このままドライコンディションでの予選になるのか、それとも天候が崩れてしまうのかも含め、気になる展開となりそうだ。