2014 SUPER FORMULA
Round6 Sportsland Sugo
- Sportsland Sugo
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公式予選 9月27日(土) /
決勝レース 9月28日(日) [68 Laps : 251.872 km]
スポーツランドSUGO : 3.704 km
Qualifying
山本尚貴が連続ポール!野尻と共にHondaがワン・ツー達成!!
3位はロッテラー。ポイントリーダーのデ・オリベイラはQ2で脱落して11位に
No.1 山本尚貴
全日本選手権スーパーフォーミュラの第6戦の公式予選が、9月27日(土)にスポーツランドSUGO(宮城県)で行われた。この予選では、No.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)が、1分05秒894を記録して、前戦に続きポールポジションを獲得した。2位にも2位にもNo.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40T SF14)が入り、今季初のHondaエンジンのワン・ツーとなった。決勝レースは28日(日)午後3時ちょうどにスタートする。
Q1 13:10-13:44 天候:晴れ コース:ドライ 気温:20度 路面温度:28度
Q2 13:54-14:14 天候:晴れ コース:ドライ 気温:21度 路面温度:28度
Q3 14:24-15:54 天候:晴れ コース:ドライ 気温:19度 路面温度:29度
フリー走行でのクラッシュも克服し山本が激走
日本列島が高気圧にすっぽりと包まれた27日(土)。スポーツランドSUGOも、朝から爽やかな秋晴れに恵まれ、多くの観客がサーキットへと足を運んだ。
朝のフリー走行に続き、ノックアウト予選が開始されたのは、午後1時10分。まずは20台から14台に絞られる20分間のQ1が行われる。このセッションが始まると、間もなくほぼ全車がユーズドタイヤでコースイン。まずはクルマの感触を確かめると同時に、ある程度プッシュし、上位は早くも1分06秒中盤から1分07秒前半のタイムをマークしてきた。その後、全車がピットイン。セッションの残り時間が7分を切ったあたりから、ニュータイヤを装着して続々とコースに入った。しかし、残り時間が5分を切ったあたりで、セッションは赤旗によって中断。これはちょうどタイムアタックに入ったNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING SF14)のエンジンが突如SPインコーナーの入り口でブロー。小暮がクルマを停めたと同時に、コース上にオイルが撒かれたためだ。もちろん、まだ誰もアタックを行えていない状況だった。
そして、小暮のマシン回収とオイル処理が終わると、セッションは午後1時39分に再開。残り4分11秒で行われた。セッション開始前から、ピットロードにはほぼ全車が行列。ピット出口がオープンすると、続々とコースに入り、仕切り直しのアタックへと向かった。ここで最後にコースに入って、トップタイムをマークしたのはNo.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)。2番手にNo.11 ヴィタントニオ・リウッツィ(HP SF14)、No.3 ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーション KONDO SF14)、No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)と続く。これに続いたのは、エンジンブローした小暮。以下、No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)、No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)、No.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40T SF14)と続いた。
一方、このQ1で敗退となったのは、No.2 中山友貴(TEAM 無限 SF14)、No.7 平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)、No.20 クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL SF14)、No.34 伊沢拓也(DRAGO CORSE SF14)、No.41 武藤英紀(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)、No.62 嵯峨宏紀(DENSO Le Beausset SF14)だった。
No.40 野尻智紀
ルーキー野尻がラストアタックでQ2トップに
約10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞り込まれるQ2が始まったのは、午後1時54分。ここでも、セッション開始前にほぼ全車がニュータイヤを装着してピットロードに並び、ピット出口オープンと同時に続々とコースに入って行く。各車ウェービングしながらタイヤに熱を入れ、アタックに入ったのはセッションが4分を切ったあたりから。ここで真っ先にタイムを出したのは、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)。Q1はタイミングが合わず、14番手とギリギリで通過したため、早目にトラフィックのない所でタイムを出しておきたかったからだ。これをロッテラー、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)、ロシターが上回る。デ・オリベイラは、さらにアタックを続行。そして、自己ベストを更新して、1分06秒543までタイムを伸ばしてきたが、この時、コントロールライン上では赤旗が提示されていた。そのため、このベストタイムは抹消。デ・オリベイラの記録はセカンドベストの1分06秒793となる。この時、赤旗の原因となったのは、No.18 中山雄一(KCMG Elyse SF14)のコースアウト。中山は、レインボーコーナーでコースアウトし、グラベルにストップした。この時、セッションの残り時間は約1分。だが、レースコントロールは、これを残り2分20秒に延長。中山のクルマの回収が終わると、午後2時11分にセッションを再開した。
ここで、ピットに留まったのは、赤旗前の段階でトップ4につけていたロッテラー、山本、石浦、デュバル。さらに、国本もコースに出なかった。しかし、たった1周のウォームアップ+1周のアタックで一気に野尻とロシターがタイムアップ。野尻がトップ、ロシターが2番手に滑り込んできたため、国本はここでノックアウトされてしまう。以下、ここで敗退となったのは、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING SF14)、赤旗後に自己ベストを更新できなかったデ・オリベイラ、リウッツィ、そして中山雄一。Q1でトラブルが発生した小暮も走行することができなかったため、ここで敗退という形になった。
No.36 アンドレ・ロッテラー
山本と野尻の2台が1分05秒台!Honda勢の勢いが増す
さらに10分間のインターバルを経て、7分間のQ3が始まったのは、午後2時24分。この時、セッション開始前からニュータイヤを装着してピットロードに並んだのは、山本のみ。ピット出口がオープンとなり、セッションが始まっても、他の選手はなかなかピットから出てこなかった。そのため、山本もゆっくりゆっくりウォームアップ。コントロールラインに戻ってきたところでトラフィックに遭遇するのを避けるため、他のドライバーたちがピットから出てくるのを待って走っていたためだ。これによって、十分タイヤを温められなかった山本は計測2周目、最初のアタックに入った1コーナーでブレーキをロック。ここで一旦ペースを落とし、タイヤを温め直した。
その間に、他のドライバーはアタックに突入。ここでまず1分06秒を切ってきたのは、Q2をトップで終えた野尻。ロッテラーは、セクター3まで全体ベストタイムをマークしていたが、最終コーナーでギャップに乗ってリヤが滑る形となり、わずかに1分06秒を切れなかった。また、SUGOマイスター(参戦ドライバー最多の3勝)のデュバルも、クルマが抱えていたアンダーステアを最後まで改善できず、タイムを伸ばせなかった。また、ロシターはシケインで若干ミス。ほんのわずかにロッテラーには及ばなかった。
そして、アタックを仕切り直した山本が、ここで一気にタイムアップ。1分05秒894を叩き出してトップに立つ。それ以降、このタイムを上回るドライバーはなく、山本がオートポリスに続いて、2戦連続のポールポジションを獲得した。山本は、朝のフリー走行中にクラッシュ。チームは予選開始ギリギリまで修復にあたっていたが、そのことを全く感じさせない走りだった。これに続いたのは、野尻。野尻は第4戦もてぎに続くフロントロウ獲得。シーズン前半は不振が続いてきたHonda勢だが、前戦で初ポール、ここSUGOでは今季初の予選ワン・ツーとし、トヨタ勢を上回る勢いを見せつけた。
タイトル争いという観点から見ると、ドライバーズ・ランキング2位ロッテラーが予選3番手と一番の好位置に。ランキング5位の石浦は5位、ランキング3位の一貴は予選6位、ランキング4位のデュバルは7位、そしてポイントリーダーのデ・オリベイラが11位となっている。決勝レースでは、この予選結果から各選手がどのような巻き返しを図るのか。その点が注目される。
No.3 ジェームス・ロシター
No.38 石浦宏明
記者会見
No.40 野尻智紀 / No.1 山本尚貴 / No.36 アンドレ・ロッテラー
- 明日はまずしっかりとスタートを決めたい。それがすべて
ポールポジション
フリー走行では自分のミスでクラッシュしてしまい、チームに余計な仕事を増やすことになり、本当に申し訳ないと思っています。クルマを一生懸命直してくれて、本当にほぼ完璧な状態に戻っていたので、これならポールポジションが獲れるなと思い、Q1に挑みました。クルマも引き続き調子が良くて、Q1でトップタイムを出せました。Q2では方向性を探るのにセットを変更し、Q3ではQ1とQ2の間を取って臨みました。アタックに関しては後ろの(クルマとの)間合いを取るのに結構ペースを落としていたので、自分がターゲットにしていた(タイヤの)内圧の温度に上げることができなかったのかな、と思います。ちょっと(タイヤを)ロックさせることも多かったので、1周アタックを(あとに)ずらしました。次もロックしたんですが、ミスがある中でもタイムをまとめることができてポールポジションを獲ることができました。クルマもエンジンも良かったので、チームのみんなに感謝しています。
山本尚貴(No.1 TEAM 無限 SF14)
Q3のアタックでは最初にコースインしましたが、ちょっと早過ぎましたね(笑)。他の選手がピットから出てくるタイミングは無線でエンジニアと協力して確認してもらっていました。最近の流れではそのほう(待たずにコースインする)がいいのかな、と。赤旗が出てアタックできないほうが悔しいですから。コース特性にもよりますが、ここは赤旗が出やすいので早めにアタックしたほうがいいと考えました。結果的には赤旗が出なかったので、後にコースインしたほうが良かったのでしょうが、僕の場合、アタック1周目に失敗したので、それを考えると2周目にいける時間を持ってて良かったと思います。明日はまずしっかりとスタートを決めたいと思います。それが全てです。- トップと僅差だったので悔しい
予選2位
SUGOをSF14のスピードで走るのが初めてだったんですが、まずスピード負けしていた部分がありました。ギリギリQ3でなんとか(スピードに)慣れることができて、しっかりと詰め切れることができました。オートポリスからの課題でもあったのですが、やはりなかなか狭いSUGOを走るとなるとスピードが圧倒的に速く感じるため、セットアップの面でもちょっとチームの足を引っ張ってしまった感じがします。Q1、Q2、Q3とドライビングをしっかり見直して、(タイムを)詰められるところを自分で認識して走行したらどんどん速くなっていったので、このコースで走る上で必要なポイントはしっかり合わせることができたと思います。
野尻智紀(No.40 DOCOMO DANDELION M40T SF14)
ただトップとのタイムが僅差だったので悔しいという気持ちがあります。ステアリングに“(1分)5秒9”と表示されていたので、「これはいった(ポールポジション獲得)かもしれない」と思ったんですが…。前々回のもてぎでも調子がいい中で2位だったし、今回も同じような結果になってしまいました。でもこの位置にいられるのはいいことなので、明日(の決勝)もしっかりとがんばりたいと思います。
Q2は赤旗の時点で最下位でしたが、その前に、みんなよりアタックするのが1周遅かったんです。実はタイヤに熱が入っていないようだったので、(タイヤを温めるために)スピードをゆるめたりしていました。SUGOは赤旗も多いということをしっかり認識しておけば良かったのですが、再開後もう一度しっかりアタックできたし、Q3に向けて限界をしっかり見極めることもできたので結果としてセーフというか、何事にもならずに良かったと思います。オートポリスで酷いスタートを切っているので、その辺ちょっと改善したいですね。チームメイトの武藤(英紀)選手のスタートがいつもいいので、それを参考にして、明日のスタート練習を経て前回よりはいいスタートを切っていい勝負をしたいと思います。- レースには速いクルマなので、いい戦いができる
予選3位
残念ながらトップは獲れませんでしたが、総体的にはいい一日だったと言えるでしょう。予選では、(トップタイムをマークした)今朝のフリー走行のようなクリアラップを取るのが少し難しい状態でした。ちょっとしたことでポールポジションが獲れないのがこのサーキットなんですが、それが今日の僕だったということです。Q3では最終コーナーでクルマが底打ちしたので、結果的に後輪のグリップを失うことになり、うまく立ち上がることができなかった。ちょっと攻め過ぎたのかもしれませんね。それが今日のポールを逃した原因ではないでしょうか。
アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TOM'S SF14)
レースには速いクルマなので、3位からのスタートでいい戦いができると思います。チャンピオン争いについては、ポイント争いする(ジョアロ・パオロ)デ・オリベイラやロイック(デュバル)が後方の順位になったけれど、あまり気に留めていないです。とにかく勝つことだけに集中している状況ですね。