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　昨年、7年ぶりに国内トップフォーミュラレースが戻ってきた岡山だが、今シーズンはヨコハマタイヤでの新たな戦いを迎える。シーズン前には公式テストが行なわれており、各チームとも、そのデータをベースにセットアップを進めて岡山での一戦に挑むこととなった。

　セッション開始とともに、続々と車両がコースイン。アウトラップのみでピットに戻り、早速スタートシミュレーションの練習を行なうドライバーもいたが、その後はコンディション確認を兼ねて周回を重ねる車両がほとんどだった。走行開始10分を過ぎ、早くもNo.36 アンドレ・ロッテラー（VANTELIN TEAM TOM'S）が前日の専有走行で刻まれた最速タイムに肉薄。これを機に各車タイムを削りはじめ、開始15分を前にしてスクラブタイヤで1分14秒台に入れてきたのがNo.11 伊沢拓也（REAL RACING）だった。1分14秒723をマーク、その後、セッション折り返しを前にして上位4台が14秒台へと突入。その中で、なおも伊沢が1分14秒411のタイムで自己ベストを更新した。

No.11 伊沢拓也

　セッション後半に入ると、ペースアップする車両が急増。この中で、No.64 中嶋大祐（NAKAJIMA RACING）が1分14秒251でトップを奪取。続いて、ニュータイヤを装着したNo.7 ナレイン・カーティケヤン（SUNOCO TEAM LEMANS）、伊沢、No.40 野尻智紀（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）、No.65 ベルトラン・バゲット（NAKAJIMA RACING）の計5台が14秒前半のタイムをマークする。そんな中、No.8 小林可夢偉（SUNOCO TEAM LEMANS）が2コーナー先でスピン。コーナー進入時、急にリアが滑りはじめたと言い、そのままスポンジバリアにヒット、9時36分に赤旗が提示された。なお、幸い可夢偉は自力で車両を降り、大事にはならなかった。

　可夢偉のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは9時45分。この後は、可夢偉以外のドライバーたちが、予選に向けてのシミュレーションに入る。まず、セッション残り7分の時点でNo.16 山本尚貴（TEAM無限）が真っ先に1分13秒台へ。ニュータイヤではなく、スクラブタイヤながら1分13秒944の好タイムでトップに立った。一方、ライバルたちも続々と自己ベストを更新、中でも伊沢、野尻、そしてNo.41 ストフェル・バンドーン（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）らがニュータイヤで山本のタイムを上回り、なおもアタック合戦が続く。結果、野尻がさらにタイムアップ。1分13秒622でトップにつけ、以下、伊沢、No.34 小暮卓史（DRAGO CORSE）、No.10 塚越広大（REAL RACING）、山本の上位5名が13秒台のタイムでセッションを終了。トップ7をホンダエンジンユーザーが占める結果となった。また、トップ野尻から12位までが1秒以内にひしめくシビアな状況となっている。トヨタエンジンユーザーで、8番手のNo.3 ジェームス・ロシター（KONDO RACING）が最上位。だが、昨年ポール・トゥ・ウィンを決めたNo.1 石浦宏明（P.MU/CERUMO・INGING）ら、山本と同様、ニュータイヤを使わなかったドライバーもいるため、午後の予選結果は全く読めない。天候も不確かということで、見どころの多い予選となりそうだ。

No.34 小暮卓史

まだ満足できるレベルにはない、もっと詰めないと

フリー走行1回目 トップタイム
No.40 野尻智紀（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）

色々状況に合わせてやっていたんですけど、ただニュータイヤを履いていないところもありますし、全然僕が1番じゃないと思いますね。山本さんが1番速いと思います、ニューを付けていないですから。僕のクルマは、まだ満足できるレベルにはなくて、まだコンマ2〜3秒上げられる要素は充分あると思うんですけど、果たしてそれが見つかるかどうかっていうところです。見つかればいいな、と。クルマは、一言で言うと、アンダーステアです。僕が目指している方向性が、このタイヤでも表現できるかどうかっていうところが、不確かな部分なんです。だから、その辺ももうちょっと。クルマの挙動的には、昨日から基本的には同じなんです。そこから対策をしていって、少しずつごまかしは利いてきているんですけど、根本的な解決にはまだ至っていないかなというところがあるので。
予選に関しても、どのポジションに行けるかは全く分からないです。それぐらい、今のスーパーフォーミュラは読めません。鈴鹿の予選でも、“誰が山本さんがあんなに速くなると思っていましたか？”っていう話じゃないですか。だから、乗っている本人も、自分がどの辺にいるか、全く読めないんです。まぁ、上手くすれば、悪くないとは思うんですけど、果たして予選でこのままの順位で行けるかっていうと、全くそうは思わないんですよ。ほんのちょっとしたツメをどれだけ積み重ねられるかっていうところが、やっぱりすごく重要なので、難しい戦いになりそうです。今の手応えを信じ切りたくないですし、まだまだ伸び代はあると思っています。まだまだやることはたくさんあると思いますし、チームにはワガママを聞いてもらいます。もっと詰めないと、PPは獲れないと思うので。