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2016 SUPER FORMULA

Round2 Okayama International Circuit

Race

Result Review

雨の決勝は赤旗中断で終了。No.1石浦宏明が今季初優勝を果たす!
塚越、伊沢が2位、3位に。オリベイラはトラブルでストップ

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No.1 石浦宏明

本格的な雨に見舞われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦決勝。サポートレースのF3が終わった頃は、ほぼ雨も止んでいたが、フォーメーションラップが近づくにつれて、雨脚は強まってきた。そのため、レースはセーフティーカーランでスタート。19台のマシンは、隊列走行を続けていたが、その間にも雨脚はどんどん強くなって行き、9周目に入った午後3時23分に、赤旗が提示された。主催者とチーム代表者の緊急会議が行われ、午後4時05分にレース中止が決定。ただし、先頭車両が2周回以上を完了しているため、レースは成立。その結果、No.1石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が、今季初優勝を果たした。走行距離がレース距離の75%未満だったということで、石浦を含め、入賞ドライバーには、選手権ポイントの半分が与えられることとなった。

2016-05-29 15:00- 天候:雨 コース:ウェット

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 午後3時、気温19℃、路面温度21℃というコンディションの中で、決勝レースはスタート。ダミーグリッド上で雨が本降りとなったため、競技団はセーフティーカースタートを決定した。これに先立つ8分間の走行でコースアウトしたNo.7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)だけは、グリッドへの試走ができず、最後尾からスタートすることになった。
 石浦を先頭に、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.10 塚越広大(REAL RACING)、No.11 伊沢拓也(REAL RACING)、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)と、グリッド順で各ドライバーはコースを周回し、セーフティーカーランの終了を待った。だが、雨脚は強まる一方。その影響でセーフティーカーランが長引きそうな気配だったため、動くチームも現れた。

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 まず2周を終えたところでピットに入ったのはNo.8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)。可夢偉は、配線の接触不良のトラブルから、コーナーでステアリング操作をするたびに、電源が切れるというトラブルに見舞われた。だが、外からでは原因が特定できないため、ここでステアリングを交換。給油も行って、コースへと戻った。その翌周には、No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がピットイン。給油を行いコースに戻る。セーフティーカーランが長引けば、その後は無給油で走れるからだ。同様に、4周を終えたところでは、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)とNo.65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)、No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE)、カーティケヤンも給油のためにピットに入った。さらに、5周を終えたところでは、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)も給油のためにピットイン。また、一度ステアリングを交換したものの、症状の改善が見られなかった可夢偉もピットに入った。可夢偉は、その翌周にも再度ピットイン。みたびステアリングの交換を余儀なくされた。

 一方、6周目に入ると上位陣で波乱が起こる。2番手を走行していたオリベイラが、レッドマンコーナーの手前でコース上にストップ。オリベイラのクルマは、ステアリング内に雨水が入った影響から、クラッチが切れたままの状態となり、パドルを動かしても、ギヤが動かなくなった。そのため、再スタートを切ることができずリタイヤとなった。このオリベイラのマシン回収が行われている間にも、雨脚はますます強まって行く。そのため、競技団はセーフティーカーランが9周目に差し掛かったところで、赤旗を提示。レースを中断する。そこから天候の回復を待ったが、午後4時05分、再開を断念した。

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No.11 伊沢拓也

 その結果、石浦が今季初優勝。オリベイラがリタイヤしたため、塚越が2位、伊沢が3位と、表彰台を獲得した。以下、野尻、山本、国本、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)までが、入賞。周回数が、レース距離の75%に達していないため、選手権ポイントの半分が与えられることとなった。
 セーフティーカーランから赤旗中断、ハーフポイント付与というレースは、2008年第7戦富士大会以来の出来事となる。

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記者会見

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立川祐路 優勝チーム監督 / 2位 No.10 塚越広大 / 優勝 No.1 石浦宏明 / 3位 No.11 伊沢拓也

ドライバーの安全を考えると(レースの中断は)正しい判断

優勝
No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO · INGING)

photo 朝のフリー走行では、決勝では雨で走る時間のほうが長くなるだろうと思い、レインセットでドライも走っておきたいと(チームに)伝えました。朝は完全なレインセットではありませんが、かなりレイン寄りのクルマでテストをしたり、スタート練習をしました。ただあまりうまくいかなかったので、何度もやりました。午後の決勝がレインになることを想定して、色々準備をした感じです。
8分間(のウォームアップ走行)で状況を確認しましたが、思いの外グリップが得られず、速いクルマよりも3秒くらい遅かったんです。さほど雨量は多くなかったですが、前のクルマに近づくと見えないし、結構厳しいレースになりそうだという状況でした。レースが始まり、セーフティカー(走行)中も、2コーナー、モスエスがかなりの雨量で、タイヤを温めていても水たまりの周辺は危ない感じでした。先頭なので一番視界がいいはずですが、セーフティカーの水しぶきでも見えないくらいでした。また、赤旗が出る直前は、タイヤを自分で温めることすら難しいほどの雨量でした。
赤旗中断中、クルマを降りずにいたのはステアリングに水が入ってトラブルになる可能性があるということを聞いて、ステアリングを外したくなかったから。待機中は水が入らないように、最大限やれることをチームにはやってもらっていたので、少しでもリスクを減らすためにステアリングをつけたまま乗っていました。
雨がもう少し少なかったり止んでいれば、レースができたと思うし、気持ち的にもやりたかったのですが、ドライバーの安全を考えると(レースの中断は)正しい判断だったと思います。
今はホッとした気持ちよりうれしい気持ちが多いです

2位
No.10 塚越広大(REAL RACING)

photo 僕自身、昨日の予選から少しいい流れがありました。でも今朝(のフリー走行)は普通にガソリンを積んだ状態で確認したのですが、そのときの調子はあまりよくありませんでした。レインでの8分間でもあまり感触が良くなくて、グリップも全然しなかったので、(レースで)苦戦するんじゃないかという感じでした。
レースはセーフティカー先導で始まり、良かったと思いましたが、雨も強く、このままレースを続ければどこかでぶつかるんじゃないかという心配もしながら走っていました。最終的にレースができなくて、見に来ていただいた皆さんには残念だと思いますが、安全面を考えればこの判断は正しいと思いますし、僕自身も表彰台に上がったのは4年ぶり(2012年フォーミュラニッポン第7戦鈴鹿以来)なので、昨日の予選(順位)があったからこそ、ここに来れたのかと思います。今はホッとした気持ちよりうれしい気持ちが多いですね。
伊沢選手とはチームこそ違いますが、2011、12年にともにチャンピオンシップを争った仲なんです。僕の中でも一番のライバルだと思っているし、いつも負けないようにと、チームメイトになっても頑張ってきました。チームももっと頑張らなきゃいけないと、ドライバーを信じてやってくれています。僕自身は合同テストでクラッシュもあり、順調なシーズンオフではなかったんですが、逆に伊沢さんが順調にテストを重ねていたので、そのデータを参考にさせてもらったりしています。12年のときのようにお互いが調子が良くなってきて、データを共有し、切磋琢磨しているという感じです。それがやっと発揮できたように思います。
みんなの努力が報われて、僕もうれしい

3位
No.11 伊沢拓也(REAL RACING)

photo 2013年(スーパーフォミュラ第1戦)以来の表彰台で、記者会見の場に来るのも久しぶりです。昨日の予選からチームとしてやっと2台でいい戦いができて、2台揃ってQ3に行けたのはチームとして初めてでした。チームとして大変な次期も長かったんですが、みんなの努力が報われたということが僕もうれしいです。
レース前の8分間では、うまく走れなかったんです。ここでもし、コースで飛び出したりしたら、(決勝)グリッドに付けないかもしれないと思い、ちょっと早めに走行を切り上げて、多少クルマをいじってレースに臨みました。
今日は結果としてはラッキーな部分もあるのですが、ここでも2台揃って表彰台に上がれたし、(塚越)広大と一緒に表彰台に上がったのは2012年以来です。またこんな戦いを二人で切磋琢磨しながらできればうれしいなと思います。今年からはあまりお互いのことを気にせず、やりたいことをやっているという感じですが、2台バラバラなことをやることで、いいところを参考にすることができています。今回の結果でまたチームの志気が上がり、クルマもチームもさらに良くなっていくと思います。

開幕からあった速さが、今日の結果に繋がった

優勝チーム監督
立川祐路 監督(P.MU/CERUMO · INGING)

photo チームとしては戦略も見事に決まり(笑)、優勝することができました。まずはホッとしたというところです。確かにレースが最後までできなかったのは残念ですが、状況を考えると仕方なかったかなとも思います。開幕戦は、石浦が予選で不運もあって思うように行かなかったレースでした。ただ、速さはそのときからあったので、今日の結果に繋げることができたと思うので良かったです。