2016 SUPER FORMULA
Round3 Fuji Speedway
- Fuji Speedway
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公式予選 7月16日(土) /
決勝レース 7月17日(日)
富士スピードウェイ : 4.563 km
Qualifying
“スーパールーキー” No.41 ストフェル・バンドーンが初のPP獲得!
No.1 石浦宏明が2番手。No.19 オリベイラ、No.65 バゲットが続く
No.41 ストフェル・バンドーン
7月16日(土)、終日霧がかかったようなどんよりとした天候となった富士スピードウェイ。だが、連休ということもあって、熱心なファンが朝からサーキットに足を運んだ。その観客が見守る中、午後2時45分から行われたノックアウト予選は、目まぐるしい展開。Q1はまだ路面の水が多い状態だったが、そこからQ2、Q3と、どんどん路面が好転して行き、ドライバーたちのタイムも上がって行った。
その路面に上手くドライビングを合わせ込み、自身初のPPを奪ったのは、No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。昨日、初めて富士を走ったバンドーンが、シリーズデビュー3戦目にして、快挙を成し遂げた。これに続いたのは、前戦岡山でPPを獲得しているNo.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。3番手にはNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が滑り込んだ。ここまで2戦を終えてランキングトップに付けているNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)は14番手、ランキング2位のNo.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)は13番手。Q3に駒を進めることができず、決勝では後方からの追い上げを図ることになる。
Q1 14:45〜15:06 天候:雨 コース:ウェット
Q2 15:15〜15:22 天候:曇 コース:ウェット
Q3 15:32〜15:39 天候:曇 コース:ウェット
Q1はバンドーンが唯一の1分43秒台でトップに
午後2時45分、気温21℃、路面温度22℃というコンディションの中、ノックアウト予選Q1が始まる。このセッションは20分間。19台のうち、5台がノックアウトされ、14台がQ2に駒を進めることになる。この日の富士スピードウェイは、朝から弱い雨が降ったり止んだりを繰り返していたが、Q1直前から再び雨。そのため路面の水の量は多めで、各車レインセットを施しての走行となった。その中で、走り始めから好タイムを刻んだのは、バンドーンやNo.65ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)ら。そこからドライバーたちが数周してタイヤが温まりだすと、どんどんタイムが上がり、順位が次々に入れ代わるという状況になった。
その中で、セッション終盤、唯一1分43秒台を刻んだのがバンドーン。これに、オリベイラ、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ロッテラー、石浦、No.8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)、No.7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)、No.3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)と続く。一方、ここで敗退となったのは、No.18 中山雄一(KCMG)、No.4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)、No.11 伊沢拓也(REAL RACING)、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE)。No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)やバゲットは、ギリギリのところでQ1突破という結果になった。
No.1 石浦宏明
Q2のトップは石浦。国本、可夢偉、山本らが敗退
そこから10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞られるQ2が始まったのは、午後3時15分。このセッションは7分間しかないということで、セッション開始前から多くのドライバーがピット出口に整列。ピット出口がオープンになると、次々にコースへと入って行った。この時点では雨は止んでおり、路面は次第に乾いて行く方向に。真っ先にコースインした石浦が、計測1周目からQ1でのバンドーンのタイムを上回り、各車そこからタイムアップして行った。
その翌周、石浦は1分42秒833までタイムアップ。ここでトップに立つ。続いてアタックしたドライバーたちは、わずかに届かず。チェッカーと同時に、自己ベストを刻んだ大祐が2番手、バンドーンが3番手。Q1と打って変わって、一気にタイムアップした一貴が4番手。以下、関口、オリベイラ、バゲット、ロッテラーと続いた。一方、ここで敗退となったのは、可夢偉、No.10 塚越広大(REAL RACING)、ロシター、カーティケヤン、国本、山本だった。
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
唯一の1分40台を叩き出したバンドーンが初PP獲得
さらに10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定するQ3が始まったのは、午後3時32分。このセッションも7分ということで、セッション開始前からドライバーたちはピットロードに整列。石浦を先頭にコースに入って行く。路面はQ2よりもさらに乾く方向で、石浦や一貴は1周目から1分41秒台に突入してきた。他のドライバーたちも次々に41秒台に入れ、トップは石浦、大祐、ロッテラーとめまぐるしく変化した。だが、チェッカーと同時に唯一1分40台を叩き出したのがバンドーン。計測1周目のダンロップコーナーのブレーキングで真っ直ぐ行ってしまったというバンドーンは、その周は1分46秒台だったが、ここからの残り2周で大きく巻き返した。「ラインを色々と変えて2周走り、それが上手く結果につながった」と参戦3戦目での初PPを決定づける。
唯一、バンドーンを逆転できそうだったのは、石浦。最初にコースに入った石浦は、他のドライバーよりも1周多くアタックすることができたため、最後のタイムに期待がかかった。そして、セクター1、セクター2では全体トップのタイムをマークし、セクター3に入って行く。しかし、「上手く乾いたラインを見つけられなかった」ということで、13コーナーでタイムロス。バンドーンには約コンマ3秒及ばず、2番手に留まった。以下、オリベイラ、バゲット、関口、「1周のクールダウンラップを挟んだものの、最後に思ったほどタイムを上げられなかった」という一貴、ロッテラー、大祐と続いている。
明日はドライコンディションでのレースと予想されているが、実際にはどんな天候となるのか。予選日も曇りと言われていながら雨絡みとなっただけに、予断は許さない。ひょっとすると、明日も同じような天候で、ウェットからドライ、あるいはその逆ということもあり得るのが富士。その分、決勝レースは多くの見所が生まれそうだ。
記者会見
- 最後にいいラインを見つけることができた。明日の決勝が楽しみ
ポールポジション
今日はいい一日になりました。まず朝のフリー走行で手応えを得て、トップに立てたし、その流れで予選に挑むことができました。コース上はミックスコンディションで、滑りやすく不安定でしたが、調子は良かったし、その中でポールポジションを獲れる可能性が高かったので頑張りました。Q1でトップに立ったんですが、Q2でのアタックは難しい状態でした。Q3では路面もかなり乾いてきていたので、最後のアタックでポールを狙いにいきました。チームもよく頑張ってくれて、それに応える走りができてとてもうれしいです。
No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
最後のアタック中に一度コースアウトしたので、残り2周でアタックしようと思いました。他のドライバーと違うラインを取らないとタイムが出ないと考えて走りました。アタック中、どこがいいラインなのかを見つけることはできませんが、どんどんコンディションが改善していたので、とにかく色々やってみることにしたんです。結果、最後にいいラインを見つけることができました。
富士でのレースは初めてですが、日本のサーキットの中ではヨーロッパのサーキットに似ているところがあるので、自分としては走りやすいと感じました。まだドライで走ったことがないので、明日の決勝ではどうなるのか楽しみです。今日の予選でいい結果を出せたことで、明日はどのようなコンディションでもいい位置からスタートを切れるので、ドライになってもチームがこれまでの経験値をもって対応してくれると思うし、とにかく自分、そしてチームで力を合わせて勝負することになるでしょう。- 非常に悔しい。明日は負けないようにしたい
予選2位
非常に悔しい。朝のフリー走行では水のある状況でタイヤを使いこなすのが難しい状態でした。5、6番手から抜け出せない状況でしたが、自分のクルマは雨が強いときにはセットが合っていないのかとエンジニアと悩みましたが、予選に向けて(セットを)合わせてくれたエンジニアには感謝しています。予選になるとフィーリングが良く、ポールが狙える状態になったのですが……。でも敗因はわかっているんです。たったひとつですが、ラストラップのセクター3で、ドライラインを見つけられなかった。最終コーナーは乾いていましたが、ターン13で、チェッカーを受けたあとにドライラインのほうが速いことに気がつきました。それを(アタック中に)自分が見つけられなかったということだけです。素直にストフェル選手が初めて富士を走ったことを考えると、ポールを獲ったのはすごいと思うし、負けた自分に何が足りなかったかわかっているので、明日は負けないようにしたいです。
No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
(バンドーンに対して)決勝でのアドバンテージはあまりないと思います。というのも、去年は予選もドライでなかったし、ヨコハマタイヤでドライの富士を走るのも初めて。ローダウンフォース仕様でのドライコンディションが初めてになるので、セットアップが合っているかどうかも全然見えていません。何も見えていない状況、ということです。ガソリン積んだらどうなるかもわからず、手探りで明日戦うような感じです。なので、横一線の中で頑張ることになるでしょう。- 予選順位には満足している
予選3位
予選順位には満足しています。コンディションがコロコロと変わる中、外から見ているよりも、実際に走るほうが目まぐるしく変わるのがわかりました。その中でセットを出すことが本当に難しかったですね。今朝のフリー走行の最後では、グリップを得るのが難しい状態だったのですが、パーフェクトなセットアップを見つけられなかったので、とにかくドライビングに集中することを心がけ、いいラップタイムを出せるよう、コーナーでミスしないように気をつけていました。セッティングが完璧かどうかはわかりませんが、それなりにいいラップを獲れたと思います。(トップタイムをマークした)バンドーン選手の200〜300メートルほど後方で走っていて、彼が違うラインを取っていたのは見えましたが、それでもこのポジションにいられるので満足ですね。明日は長いレースなので楽しみにしています。
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
確かに僕らはバンドーン選手と違って、富士でのレース経験は豊富ですが、一方で彼は今日のような状況の予選でポールポジションを獲れるほどの秀でたドライバーです。とにかく僕らは自分のレースを一生懸命やるしかない。クルマが良くても悪くても、いい日もあれば悪い日もあるので、まずはいいレースをやることだと思います。