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セッション開始を前に、全19台のうち、半数近い車両がピット出口に早くも待機。グリーンシグナルとともに、続々とコースへ向かっていった。コース上のウェットパッチはほとんど見受けられず、アウトラップ後は、そのまま周回を続ける車両と、一旦ピットにマシンを戻し、タイヤ交換練習やセットアップの変更作業を行なう車両がほぼ半分ずつに分かれた。また、ピットインした車両は、コース復帰時にスタート練習を行なっている。

No.11 伊沢拓也

開始から10分を迎える直前、まずNo.36 アンドレ・ロッテラー（VANTELIN TEAM TOM'S）が1分08秒015のタイムでトップに立つと、すぐさまNo. 2 国本雄資（P.MU/CERUMO・INGING）が1分07秒963をマーク。その後、No.11 伊沢拓也（REAL RACING）が1分07秒569を、さらにNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）が1分07秒360をマークし、目まぐるしくトップが入れ替わる。なお、この直前、No.16 山本尚貴（TEAM 無限）がハイポイントコーナーでコースオフ。何事もなかったかのようにそのままコースに復帰したが、その後ピットへと一旦車両を戻した。前日の予選Q1でファストレーンにいたNo. 8 小林可夢偉（SUNOCO TEAM LEMANS）に接触、車両を損傷、アタックチャンスを逃した山本は、決勝で最後尾スタートとなるだけに、どこまで巻き返しを果たすのか、気になるところだ。

一方、セッションは折り返しを過ぎ、最終作業のために戻ってくる車両がピットイン。その一方で、予選で今季2度目のポールポジションを手にしたNo.20 関口雄飛（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）が3番手へ浮上。2勝目実現に向けて、着々と準備を進めている姿をアピールした。また、予選3番手のNo.40 野尻智紀（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）も、この時点で自己ベストタイムを更新。だが、思うようにタイムは伸びず、最終的に14番手に留まっている。

チェッカーまで残り10分を切り、新たな動きを見せたのは、予選2番手のNo.37 中嶋 一貴（VANTELIN TEAM TOM'S）。1分07秒944のタイムで4番手までアップ。前日の予選後、山本同様にQ1でのペナルティを受け、セカンドローの3番手スタートに甘んじることになった一貴だが、今季初優勝の可能性もあるだけに、決勝での躍進に期待がかかるところだ。

なお、残り5分が近づく中、トップのデ・オリベイラはさらに自己ベストを更新。1分06秒690と大きくタイムアップ。この後、セッションの残り時間が3分余りとなったところで、ハイポイントコーナーで縁石に乗ってスピンを喫したロッテラーの車両が、レインボーコーナーでストップ。これが原因で赤旗が提示され、これをもってセッションは終了。予選5番手のNo.41 ストフェル・バンドーン（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）はじめ、最後のアタックにかかっていたドライバーは惜しくもタイム更新のチャンスを失うことになった。また、トップのデ・オリベイラに続いたのは、伊沢、関口と、ポジション変動も見られなかった。

決勝レースは午後3時15分からスタート。68周にわたる戦いで、新たな勝者が誕生するのか、否か。SUGOの女神がどのドライバーに微笑むのか、注目したい。

レースに向けて、いいものが見つかった

フリー走行2回目 トップタイム
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ（ITOCHU ENEX TEAM IMPUL）

僕らは、朝のセッションで、レースに向けて幾つかのことを試していた。ダンパーのセットアップとか、スプリングやアンチロールバーのセットアップとか。どちらがいいかっていうことを、いくつか試していたんだ。ベストタイムを出した時は、燃料はそれほど重くない。クルマが軽い方が、セットアップの違いとか感触が明確に分かるからね。もちろん、軽いタンクで、レースでのクルマのコンディションを判断するのは難しいし、どうかって言われたら、まだ分からないよ。だけど、まずはベースのクルマを良くする道を探していて、今日は最初からいいベースセットで走れた。レースに向けても、いいものが見つかったと思う。とりあえず今朝のクルマのパフォーマンスには満足したよ。セッション中に2ヵ所ほど変更したけど、いい手応えが得られた。これからレースに向けての作戦も考えないと。ただ、岡山とは違ってくると思う。岡山は燃料補給の必要はなかったけど、タイヤ交換は義務付けだった。今回は燃料補給は必要だけど、タイヤ交換の義務付けはない。だから、早目に入ったからと言って、それほど取り分はないんじゃないかと思う。もちろんトラフィックに引っ掛かってしまったら、早目に入る必要も出てくるかも知れないよ。だけど、それはスタート後のポジション次第。だから、まずはスタートして、そこから各チーム、作戦を決めて行くと言う作業になると思う。