2016 SUPER FORMULA
Round7 Suzuka Circuit 15th JAF GRAND PRIX SUZUKA
- Suzuka Circuit
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公式予選10月29日(土) /
決勝レース10月30日(日)
鈴鹿サーキット : 5.807 km
Qualifying
No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)がWポールを獲得
No.1 石浦宏明
前日のどんよりした雨降りの天候から一転、秋の透き通った陽射しに恵まれた10月29日(土)の三重県鈴鹿サーキット。最終戦ということもあって、朝から多くの観客がスタンドに足を運び、緊迫の予選を見守った。その中で、逆転タイトルに大きく前進したのは、No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。朝のフリー走行からの好調ぶりを予選でも保った石浦は、まずQ1でブッちぎりのタイムをマーク。Q3でもトップタイムを叩き出して、Wポールを獲得。同時に2ポイントを獲得している。レース1のグリッドを決めるQ1で石浦に続いたのは、チームメイトのNo.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。さらに、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)。レース2のグリッドを決めるQ3では、石浦と1000分の5秒差でNo.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本、野尻と続いた。
No.2 国本雄資
気温22℃、路面温度27℃というコンディションの下、19台から14台に絞られると同時に、レース1のグリッドを決する20分間のQ1が、午後2時20分に開始される。当初は、2時15分からの予定だったが、サポートレースの予選が赤旗で中断された影響があり、5分遅れで始まった。今回は、ほとんどのドライバーが朝のフリー走行でニュータイヤを使用せず、4セットをフルに残していたため、Q1の最初から多くがニュータイヤを投入。まずはそこからアタックに入る。ここでトップタイムをマークしたのが、石浦。これに、No.65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)、バンドーン、野尻、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)と続く。その後、各ドライバーは一旦ピットイン。セットアップの微調整をして2セット目のニュータイヤを装着し、コースインのタイミングを待った。そして、20分間のセッションが残り7分半となったところで、まず大祐がコースへ。それに続いて、No.10 塚越広大(REAL RACING)、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、バンドーン、No.3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、石浦、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.11 伊沢拓也(REAL RACING)、No.7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)、野尻、ロッテラー、No.8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)、国本、バゲット、No.18 中山雄一(KCMG)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)がコースへと入って行った。それに少し遅れて、関口、No.4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)。最後にNo.34 小暮卓史(DRAGO CORSE)がコースに入る。そこから各ドライバーは、2周タイヤを温めて、セッションの残り時間が3分となったあたりからアタックに入った。ここで一気に1分37秒453と、37秒台前半のタイムを叩き出したのが、石浦。これに一貴が続いたが、間もなく野尻が一貴のタイムを抜いて2番手に浮上する。さらに、国本が野尻のタイムを破り、1分37秒801をマークするが、石浦にはコンマ3秒余り届かず。バゲットも37秒台には入れたが、トップ3には届かない。その後、アタックしていたドライバーたちは37秒台に届かなかった。唯一、アタックを1周遅らせたロッテラーは、チェッカーを受けると同時に1分37秒884をマークしたが、結果は4番手。その結果、Q1でトップを奪ったのは、石浦。以下、国本、野尻、ロッテラー、バゲット、一貴、バンドーン、小暮という結果に。これに対して、Q1敗退となったのは、中山、カーティケヤン、ブラー、ロシター、伊沢だった。また、チェッカー目前に自己ベストをマークし、さらにもう1周アタックを続行していた可夢偉は、デグナーコーナー2つ目でコースアウトし、グラベルにストップ。タイム的にはQ2進出を決めていたが、この影響でQ2出走はならなかった。
No.40 野尻智紀
10分間のインターバルを経て、14 台から8台に絞り込まれる7分間のQ2が始まったのは、午後2時50分。このセッションでは、開始前から多くのドライバーがニュータイヤを装着してピットロードに行列。ピット出口のシグナルがグリーンになると、石浦、国本、一貴、オリベイラ、バンドーン、野尻、バゲット、塚越、小暮、ロッテラーという順でコースに入った。これに少し遅れて山本、大祐、関口もコースへと入っていった。そのアウトラップでは、オリベイラが一貴と国本をオーバーテイク。アタックにいポジションを奪いに行く場面も見られた。そして、Q1同様、各ドライバーともに2周タイヤを温めると、残り時間が3分となったあたりからタイムアタックに突入。まずは、石浦がQ1に匹敵する1分37秒589をマークする。2番手でアタックしたオリベイラは1分38秒208とタイムを伸ばせず。これに対して、3番目にアタックした国本は、大幅タイムアップ。Q1での石浦のトップタイムを上回る1分37秒364を叩き出した。その後は、このタイムを上回るドライバーがおらず、バンドーンが3番手、野尻が4番手。さらに、バゲット、大祐、一貴、Q1同様チェッカーを受けると同時に自己ベストを出したロッテラーまでが8番手に入り、Q3へ駒を進めた。一方、ここで敗退となったのが、塚越、オリベイラ、山本、小暮、関口。ここまでポイントリーダーに立っている関口だが、Q1でも13番手、Q2でも13番手と、タイトル獲得が厳しい状況となってきた。
No.41 ストフェル・バンドーン
さらに10分間のインターバルを経て、いよいよレース2のトップ8グリッドを決するQ3が始まったのは、午後3時07分。このセッションでも、どのドライバーも最初からニュータイヤを装着。開始4分前という段階から、国本、そして大祐がピット出口に並ぶ。グリーンシグナルが点灯すると、それに、石浦、野尻、ロッテラー、バゲット、一貴が続く形でコースへと入って行った。バンドーンは開始から1分というところでコースインしている。そして、やはり2周タイヤを温め、残り3分からタイムアタック。最初にアタックした国本は、Q2の自己ベストを上回る1分37秒224を叩き出す。続いてアタックした大祐は、このタイムに及ばず。だが、3番目にアタックした石浦は、完璧なラップを刻み、各セクターで国本のタイムを少しずつ上回った。その結果、1分37秒026をマークしている。それに続いてアタックした野尻、ロッテラー、一貴は、石浦や国本のタイムには届かなかった。だが、最後にアタックに入ったバンドーンは、セクター1、セクター2で石浦のタイムを上回り、逆転PPの可能性を残す。だが、セクター3でわずかに失速。セクター4ではその分を取り返したが、コントロールラインを切った時には1分37秒031。国本のタイムは破ったものの、石浦にはわずかに1000分の5秒届かず、2番手に留まった。その結果、レース2のPPも石浦が獲得。これにバンドーン、国本、野尻、ロッテラー、一貴、バゲット、大祐が続いた。
この予選の結果、石浦はWポール獲得となり、各レースのポールシッターに与えられる1ポイントを両方獲得。2ポイントを追加してランキング4位に浮上。逆転タイトルに一歩近づいた。
記者会見
レース1 Top3
レース2 Top3
- 追う者の強みというか、レースは思い切ってやるだけ
レース1:PP / レース2:PP
今回、予選でまず2点(レース1、2ともにポールポジション獲得)を獲ることを目標にやってきました。まずそれができてホッとしています。でもこんなに順調に行くとも思っていなかったし、チャンピオンシップも厳しいと思っていたところ、急にチャンスが来てビックリしています。前回のSUGOが、スーパーフォーミュラ参戦以来初というぐらいの悪いレースでしたが、一度落ち込んだことでチーム一丸となって少しでも可能性を求めて見直したし、色んな準備をしてきました。(鈴鹿に)来る途中も国本とクルマのことを話しながら、情報も共有できているし、2台揃っていい勝負ができていると思う。レースはやってみないとわからないが、とりあえずここまでいい流れでやてこれました。
No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
僕は鈴鹿でポールを獲ったことがないのですが、ここでポールを獲らないとチャンピオンが獲れないと思い、鈴鹿が速い人はどう走っているのか、DVD(スーパーフォーミュラ・公式オンボード映像)で研究してきました。ドライバー目線で見ると、ギア比も違えば走り方もそのラインも結構違うんです。なので、クルマのセットアップの方向だったり、どうすればタイムが出るのか、そういうものを結構真剣に見てきました。その効果があったとすればうれしいですね(笑)。
今シーズンは、コンディション含め、セットアップをちょっと変えるだけでもシビアに状況が変わるんです。今回は、朝から予選までにどう合わせるか、ニュータイヤの一発のグリップをどう使い切るか…。そういうところがウチのチームはうまく行ったんだと思います。去年はポイントリーダーとして最終戦を迎え、雨の中で苦しい最終戦を過ごしました。今回は気持ち的にもプレッシャーはないし、ビハインドの状態で来て、追う者の強みというか、思い切ってやるだけ。いい調子だし、去年よりずいぶんと楽な気持ちでいます。- 強い気持ちで戦うだけ。自信はある
レース1:2位 / レース2:3位
今日は走りはじめからすごく調子が良く、今回はかなりイケるという自信がありました。ただフリー走行の最後でニュータイヤを装着したときに、思ったほどバランスが良くなくて7番手でした。そこから予選に向けてチームとしっかり話し合って、石浦さんのデータを共有しながら、セットを合わせ込みました。Q1、Q2、Q3と、自分の中ではベストな走りができたと思っているし、クルマも完璧で気持ちよくアタックできましたが、それ以上に石浦さんが速くて…。なんでかなという感じです。明日は2レースあるので、必ずチャンピオンを獲れるようにしっかり準備していきたいです。
No.2 国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
(ポイントランキングの関口が後方に沈んだが)、逆に自分のプレッシャーが大きくなったということはないです。僕にとってのライバルは石浦さんなので、チャンピオンシップを考えてレースをすることはもちろんですが、チームメイトにはやっぱり勝ちたいですね。チャンピオンは絶対獲りたいです。そのためには自分の力をフルに発揮しなければならないし、その準備を一年かけてやってきたので、強い気持ちで戦うだけです。自信はあります!- 予選自体、力は出し切れたと思う
レース1:3位 / レース2:4位
走りはじめからすごく調子は良かったのですが、逆にバランスが取れ過ぎていたので、クルマを変に触るに触れず、予選までに、正解はコレだ!というセットアップにたどり着きにくかったですが、予選に向けて見直したことで、いいセットアップで走れたのかなと思います。セットをほんの少し変えただけで大きく変化するので、細かな調整を続けました。予選自体も、力は出し切れたと思うし、チームとしっかりコミュニケーションを獲りながら、いいクルマに仕上げられたと思います。ただどう考えても(ポールの)石浦さんには届かないなというところはあります。レース1、2ともに上位からスタートしますが、僕は基本的にタイトルは考えておらず、ただ前でゴールするだけ。レースをおもしろくしたいと思っているので、レース1でオーバーテイクシステムを5回すべて使ってやろうという話をしています(笑)。それくらい、ロケット状態でかっ飛んでいきたいと思います。
No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)- 強いレースをしていい結果を残す
レース1:7位 / レース2:2位
予選でのアタックはすごくいい出来でした。でも気持ちとしては少し複雑です。というのも、レース1での理想としていたポールポジションが叶わず7番手なので、オーバーテイクが難しい状況になりました。一方で、Q2とQ3はQ1後のセットの微調整が奏功し、満足なアタックができました。ポールの石浦サンとはほんの僅か、1000分5秒差ですが、フロントローが獲れてうれしいです。レース2はレース1より周回数が多く、ピット作業もあるのでいい戦略で挑む必要がありますが、すばらしいレースができればいいと思います。
No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
確かにチャンピオンの可能性はあるものの、石浦サンがポールを獲ったので、少し難しい状況になりました。でもレースではなにが起るかわからない。レース1のポジションこそ残念な結果ですが、とにかく強いレースをしていい結果を残したいですね。