2017 SUPER FORMULA
Round3 Fuji Speedway
- Fuji Speedway
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公式予選 7月8日(土) /
決勝レース 7月9日(日)
富士スピードウェイ : 4.563 km
Qualifying
No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がシリーズ戦初PPを獲得
全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦 予選
No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
朝から夏空が広がった静岡県富士スピードウェイ。7月8日(土)には、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦のノックアウト予選が行なわれた。Q1から超僅差のタイムアタック合戦となり、白熱のセッションが続いたが、Q3で自身初のPPを獲得したのは、No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。これに約100分の6秒差でチームメイトのNo.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が続いた。以下、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)とトップ4はトヨタエンジンユーザー。ホンダエンジンユーザーのトップは5番手につけたNo.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)。さらに、ルーキーのNo.4 山下健太(KONDO RACING)、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)と続いている。
No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
午前中のフリー走行時より、ぐっと気温が上がった予選。気温32℃、路面温度49℃というコンディションの下、19台から14台に絞られる20分間のQ1が始まった。今回は朝のフリー走行の最後にニュータイヤを使用しなかったドライバーが全体の半分ほどおり、ガスリー、山本、No.18 小林可夢偉(KCMG)、関口、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.50 小暮卓史(B-Max Racing team)は、Q1に2セットのニュータイヤを投入。また、朝のフリー走行でスクラブタイヤを作っていたキャシディは、そのタイヤを最初に装着してセッション序盤からタイムアタックに入る。その他のドライバーたちは、ユーズドタイヤでコースイン。アタック前にマシンのバランスを確認し、セッション後半になってからニュータイヤを装着している。最初からアタックに行った中では、まず関口が1分24秒590をマークしてトップに立つ。これに1分24秒640で可夢偉、1分24秒809で山下、1分24秒861でマーデンボロー、1分24秒938でキャシディと続く。しかし、残り時間が7分を切ったあたりから、前半ユーズドタイヤで走っていたドライバーたちがニュータイヤを投入すると、状況は一変。ここでトップタイムを刻んだのが国本。石浦が2番手、一貴が3番手に浮上してくる。マーデンボローは2セット目のタイヤでコンマ8秒タイムを伸ばして4番手。さらに、山下、可夢偉、No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)と続いた。ニュータイヤでのグリップ不足に苦しんだNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)は8番手。また、2セット目で思ったほどタイムを伸ばせなかった関口は10番手となっている。最終的に、トップから19番手までのタイム差がわずか1秒という超接近戦となったQ1だが、ここで残念ながら敗退となったのは、No.64 中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)、No.65 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、No.10 塚越広大(REAL RACING)、小暮、No.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)だった。
No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
そこから10分間のインターバルを経て、7分間のQ2が始まったのは午後3時。このセッションでは14台から8台に絞られるが、セッション時間が短いこともあり、各ドライバーは渋滞を嫌って開始3分前からニュータイヤを装着し、ピットロードに行列を作った。そして、ピット出口がオープンされると、国本、ロッテラー、石浦、野尻、伊沢、ローゼンクヴィスト、一貴、マーデンボローという順でコースイン。1分ほど経ってから、関口、山本、ガスリー、キャシディ、可夢偉がこれに続いた。各ドライバーともに、自分のスペースを作るため、ピット出口からかなりゆっくりと走り出した。その中で、逆に自分のスペースを確保すべく、ピット出口を出た途端に速度を上げたのは、ローゼンクヴィスト。ローゼンクヴィストは、前のドライバーたちを次々に抜いて行き、結局ウォームアップラップのコカ・コーラコーナーで最初にコースに入った国本の前に出る。そして、最初にアタックに入ると1分24秒093をマーク。Q1の自己ベストとほぼ同等のタイムを出した。だが、これを大幅に上回ってきたのが、次にアタックに入っていた国本。国本は1分23秒352と、自らが出したQ1のトップタイムをコンマ5秒も更新してくる。さらに、伊沢が1分24秒582、一貴が1分23秒881、関口が1分23秒539と次々に自己ベストをマークしていく中、セッションは赤旗によって中断された。これは可夢偉がレクサスコーナーでスピン、ストップしたため。「アタック中に突然リヤが流れてスピンしたんですけど、エンジンも止まってしまったんです」ということで、可夢偉はライン上から動けず、赤旗が提示された。ちょうどこの時、アタックラップ中だったのが、山下、石浦、野尻、ロッテラー、マーデンボロー。このままでは、彼らはQ2落ちしてしまうという状況だったため、午後3時11分に残り3分ということでセッション再開が決定すると、やはり開始3分前からピットロードに並んだ。そして、マーデンボロー、石浦、ロッテラー、山下の順でコースイン。これにキャシディ、野尻、伊沢、ローゼンクヴィスト、一貴、そして関口までがコースに入った。トップタイムを刻んでいた国本は、そのままピットで待機。Q3への準備を進めた。
コースに戻った中では、アウトラップを終えると全車がプッシュ。ここで、マーデンボロー、石浦、山下らが次々に自己ベストを更新していく。しかし、Q2を突破できるだけのタイムをマークできたのは、石浦と山下だけ。マーデンボロー、ローゼンクヴィスト、野尻、ロッテラー、伊沢、そして赤旗の原因を作った可夢偉までがQ2敗退となった。
No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)
そこから10分間のインターバルを経て、いよいよトップ8のポジションを決定する7分間のQ3が始まったのは、午後3時24分。多少、空に雲が出て、気温は32℃のままだったが、路面温度は43℃まで低下する。そして、このセッションでは、開始から約1分というところで各ドライバーがニュータイヤを装着して動き始める。まずコースに入ったのは一貴。これに、関口、山本、ガスリー、国本、キャシディ、山下、石浦という順でコースに入って行った。アウトラップとウォームアップラップを終えると、セッション残り3分を切ったあたりから、各ドライバーがアタックラップへ。ここで最初にアタックには行った一貴が1分23秒265をマークし、一時トップに立つ。関口はアタックを1周遅らせたため、次に自己ベストを刻んだのは山本。だが、山本のタイムは1分23秒478と、一貴には及ばなかった。ガスリーも1分23秒902に留まっている。しかし、続いてコントロールラインを切った国本は1分23秒044を叩き出し、一気にトップへ。一貴のタイムをコンマ2秒ほど上回ってきた。これに続く1分23秒107マークしたのが、「コカ・コーラコーナーで少しミスしてしまった」という石浦。石浦はその翌周もアタックを続行し、セクター2までは国本を上回るペースで走っていたが、セクター3ではニュータイヤの初期グリップがなくなってきてしまい、最後に自己ベスト更新とはならなかった。一方、他のドライバーよりアタックを1周遅らせた関口は、チェッカーと同時に1分23秒193をマークしたが、国本と石浦にはわずかに及ばず、3番手に留まっている。以下、一貴、山本、山下、キャシディと続き、ガスリーは8番手となった。国本は過去、同じ富士で行われたJAF GPでのPP獲得経験はあるものの、シリーズ戦でのPP獲得は初。今日は「予選の走り始めから自信があった」ということで、それを結果につなげて見せた。石浦が2番手に入ったことで、P.MU/CERUMO・INGINGはフロントロウを独占。明日の決勝では、その国本と石浦が逃げることになるのか、あるいは岡山と同様、関口が速さを見せるのか。もちろん、その後方に控える一貴や山本らの動きも見逃せない。さらに、もっと後方にも実力派ドライバーが数多くいるだけに、レースでは様々な波乱が起こりそうな予感だ。