2017 SUPER FORMULA
Round7 Suzuka Circuit 16th JAF GRAND PRIX SUZUKA
- Suzuka Circuit
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公式予選10月21日(土) /
決勝レース10月22日(日)
鈴鹿サーキット : 5.807 km
Free Practice
No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマーク
No.41 伊沢拓也
(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
季節外れの超大型台風21号に、秋雨前線が刺激され、前夜から雨が降り始めた10月21日(土)の三重県鈴鹿サーキット。この雨は強弱を繰り返し、コースはヘビーウェットのコンディションとなった。そのコンディションの下、午前9時10分からは全日本スーパーフォーミュラ選手権のフリー走行が行われている。4回もの赤旗が提示される波乱の展開となったこのセッションでトップタイムをマークしたのは、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。チームメイトのNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がそれに続いた。
気温18℃、路面温度18℃というコンディションの中、セッションが始まったのは午前9時10分。午後の予選が中止となった場合、このフリー走行のベストタイムがレース1のグリッド、各ドライバーのセカンドベストタイムがレース2のグリッドになることが決定していたため、開始前から多くのドライバーたちがピットロードに整列。開始と同時に、石浦、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、関口、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、野尻、伊沢、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、ガスリー、No.10 塚越広大(REAL RACING)、No.18 小林可夢偉(KCMG)、No.50 小暮卓史(B-Max Racing team)という順でコースへと入って行く。他のドライバーが2分台のタイムで走る中、真っ先に1分59秒台に入ってきたのは、可夢偉。これをきっかけに各車のタイムがどんどん上がって行く。一貴が1分57秒494でトップに立つと、関口が1分55秒766でそれを書き替える。続いて計測に入っていたガスリーは1分56秒686、伊沢は1分56秒686、No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)は1分56秒061をマークするが、関口には一歩届かない。しかし、セッション開始から8分というところで、石浦が1分55秒615をマークして、トップに浮上。それを野尻が書き換え、1分55秒307までタイムを縮めた。さらに、ガスリーも55秒台に突入。石浦のタイムを100分の3秒ほど上回ってくる。続いて、伊沢が1分54秒694と55秒台を破ってきた。この時点では、路面の水の量もそこまで多くなく、各車のタイヤやブレーキもようやく温まってきたところ。ここから全体のタイムはアップしていく方向だと思われた。
No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)
ところが、開始から10分04秒。セッションは赤旗によって中断される。これは、一貴がヘアピン立ち上がりの200Rで川に乗ってスピン、そのままスプーンコーナーの1つ目アウト側のタイヤバリアまで滑って行って、フロント部分をクラッシュしたため。一貴のマシンはフロントウィングや右フロントサスペンションにダメージを負い、その後の走行はできなくなってしまった。また、一貴とほぼ同じタイミングで、No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)もシケインでスピン。エンジンを止めて、ストップしてしまっている。ただし、国本のクルマはノーダメージで、その後も走行を続けている。
さて、この2台のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前9時35分。15分ほどの赤旗の間に雨脚は強まり、コース上には至る所に川ができているような状況だったが、まだタイムを出せていないドライバーも多く、再開前からピットロードには行列が。ピット出口の信号がグリーンに変わると、マーデンボロー、関口、伊沢、野尻、No.64 中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)、ロッテラー、No.65 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、塚越、山本、ガスリー、小暮、No.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)といった順でコースへと入って行った。しかし、再開からわずか2分。午前9時37分に、2度目の赤旗が提示される。これは、カーティケヤンが逆バンクでスピンアウトしたため。このマシンの回収が終わると、午前9時46分にセッションは再開された。この時点で、終了時刻は午前10時20分に変更。当初の予定よりも10分間延長されることが決定している。また、セッション後に行われる予定だったスタート練習は、中止というアナウンスもされた。
再び行列ができていたピットロード。セッションが再開されると、国本、ロッテラー、関口、マーデンボロー、石浦といった順でコースイン。だが、多くのドライバーは、アウトラップや1周計測しただけで一旦ピットに戻ってしまった。水の量が多く、計測したドライバーでも、2分04秒台や2分05秒台しか出なかったからだ。一方、ここで気を吐いたのは、ロッテラーと可夢偉。ロッテラーは、ここで他のドライバーよりも5秒以上速い1分59秒022をマークすると、1周クールダウンした後、1分57秒529を叩き出し、ピットに戻った。それとほぼ時を同じくして、次々に自己ベストを書き換えて行ったのは、可夢偉。他のドライバーがほぼ全員ピットに戻った中で、可夢偉はプッシュを続け、1分57秒408、さらにその2周後には1分56秒657までタイムアップ。全体でも9番手まで浮上してくる。その後も、可夢偉がコースアウトするかしないかギリギリの限界アタックで、57秒台のタイムを連発すると、他のドライバーも再びコースに出始めた。
No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
しかし、ここでセッション3回目の赤旗が提示される。これは、新品のレインタイヤでコースに出て行った伊沢が、アウトラップのダンロップコーナーでスピン、ストップしたため。午前10時10分のことだった。残り時間は10分ということで、一瞬ここでセッション終了かと思われたが、伊沢のマシンは東ショートカットを使って迅速に回収され、午前10時13分にはセッション再開。ここから各車、最後の走行に向かう。だが、他のドライバーがアウトラップを終え、計測に入っている所で、4回目の赤旗が提示される。伊沢と全く同じダンロップコーナーで塚越がスピン、ストップしたためだ。この時点で、残り時間が約4分だったということもあり、セッションは終了。結果としては、最初の赤旗前にベストタイムをマークしていた伊沢がトップ。これに野尻、ガスリー、石浦、関口、塚越、ローゼンクヴィスト、No.4 山下健太(KONDO RACING)、可夢偉、ロッテラーと続いている。もし、午後からの予選が中止になった場合には、セカンドベストタイムがレース2のグリッドとなるが、このセカンドベストでも最速は伊沢。これにガスリー、ロッテラー、可夢偉、塚越、国本、山本、石浦、大祐、ローゼンクヴィストと続いている。
- ベストタイム自体は、いいタイミングで出せた
フリー走行1回目 トップタイム
セカンドベストのタイムは、そもそもタイミング的にはあまり意識はしていませんでした。ただ、今朝は出て行った瞬間からクルマの調子が良くて、多分、セカンド(ベストタイム)も良かったんだと思います。ただ、前との間隔がちょっと狭くて、調整しながら走っていたものなので…。でも、自分が出したベストタイム自体は、いいタイミングで出せたと思います。
No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
終盤、スピンがありましたが、新品のレイン(タイヤ)を着けて出て行ったらまだタイヤが温まってなくて、ちょっと気を抜いてしまってスピンしました。ちょうど、セカンドベストのタイムの話をしているときに、(No.18 小林)可夢偉選手がタイムを更新したので、なんとか自分のセカンドベストを越したいな、という話になって。路面も多少走りやすくなっているのではないかということで出て行ったんです。
今回、このフリー走行が予選(結果)になるであろうということをみんな頭の中で思いながら走ったセッションだったと思います。その中でちゃんとタイムも出せたし、昨日からのいい流れを結果として残せて良かったとも思います。このあと、台風なのでどうなるかは正直わかりません。それを考えると午後の予選だけでなく、明日のイベントの対応も気になります。災害等の心配もあるので、予報を見て、早期の対応、最善の判断をしてもらえればいいと思います。