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2017 SUPER FORMULA

Round7 Suzuka Circuit 16th JAF GRAND PRIX SUZUKA

  • Suzuka Circuit
  • 公式予選10月21日(土) / 決勝レース10月22日(日)
    鈴鹿サーキット : 5.807 km

Qualifying

No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)がレース1、
No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がレース2のPPを獲得!!

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No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)

 超大型の台風21号に刺激された秋雨前線の影響で、終日雨となった三重県鈴鹿サーキット。一時は予選の実施も危ぶまれるほど、雨脚が強まったが、最終的にはノックアウト予選のQ1が行われ、そのベストタイム、セカンドベストタイムで、レース1、レース2のグリッドが決定された。レース1でPPを奪ったのは、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)、これにNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)と続いた。一方、セカンドベストを刻めないドライバーが多かった中、レース2ではNo.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がPPを獲得。野尻、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いている。

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 サポートレースのヴィッツコンソレーションレースが行われている頃から、雨脚が強まった鈴鹿サーキット。しかし、このヴィッツレースが終わると、全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦の予選Q1は、当初の予定よりも5分遅れの午後1時55分から開始されるとのアナウンスが流れた。そのため、セッション開始の3分前には、No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、ロッテラー、一貴、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、マーデンボロー、伊沢、野尻、No.64 中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)、No.65 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)らが行列を作った。そして、コース上の至る所に川ができ、メインストレートでもハイドロが起こるようなコンディションのもと、セッションがスタート。各ドライバーは、アウトラップでタイヤを温め、すぐにでもプッシュできる準備を整えて行った。しかし、余りにもコースの水の量が多いということで、セッション開始から2分48秒という時点で、赤旗が提示される。まだ誰もラップを計測していない段階だった。

 そこから競技団は、天候の回復を待ち、午後2時15分、午後2時25分から、それぞれコースを査察。午後2時35分の時点で、雨脚が弱まってきたこともあり、午後2時40分からQ1再開が決定。残り時間は17分12秒となった。

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No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

 このセッション再開に向けて、ピット出口オープン5分前にはNo.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)、大祐、カーティケヤン、No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)が早くも行列を作る。他のドライバーは、チーム間の取り決め通り、再開3分前にピットを後にした。そして、午後2時40分、セッションが再開されると、各ドライバーがコースへ入って行く。だが、どのドライバーも前のクルマが巻き上げる水しぶきを嫌って、ピット出口から非常にスローなペースで出て行ったり、シケインでスローダウンしたり。自分のスペースを探す作業を行っていたため、各所で混乱も発生していた。さて、そんなアウトラップを終えて、各車がアタックラップに入って間もなく、5番目にアタックに入っていたローゼンクヴィストが1コーナー手前の川に乗ってリヤが流れ、横向きのまま1コーナーでコースアウト。そのため、セッション2回目の赤旗が提示される。1回目の赤旗時と同様、まだ誰もラップ計測をしていない状況だった。

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No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 ローゼンクヴィストのマシン回収が終わると、セッションは残り14分13秒ということで、午後2時50分に再開。この再開時は、伊沢、野尻、ロッテラー、国本、マーデンボロー、ガスリー、山本といった順でコースへと入って行った。この頃になると、南の方向から空が暗くなり、天候の悪化が懸念されたため、そろそろ各ドライバーともにタイムを刻みたいところだ。この時、石浦はまだピットで車高を調整しており、他よりも2分ほど遅れてコースに入っている。また、同じ頃、コース上ではガスリーとロッテラー、No.18 小林可夢偉(KCMG)が激しいポジション取り争いを展開。誰もができるだけ前の空いた場所でアタックしようとして、ある意味接近戦のようになっていた。そんな中、真っ先にアタックに入っていた伊沢が、1分57秒744をマーク。続いてチームメイトの野尻が1分57秒144を叩き出し、伊沢を上回ってきた。さらに、マーデンボローが1分56秒961と、その時点でのトップに浮上。昨日の専有走行や今日のフリー走行では、マシンのセットアップに苦しんでいたが、一気に順位を上げてきた。さらに、これを上回ってきたのが関口とNo.10 塚越広大(REAL RACING)。関口は1分56秒479、塚越は1分56秒453をマーク。ところが、この直後、1コーナーで可夢偉がコースアウトし、一旦ストップしてしまった。これにより、セッション3回目の赤旗が提示されるが、赤旗提示直前にゴントロールラインを通り、ベストタイムをマークしたのがカーティケヤンと大祐。カーティケヤンは1分56秒400と、塚越のタイムを100分の4秒ほど更新しただけだったが、大祐は1分54秒885と一気に他を約1.5秒ほど引き離してきている。一方、この時点で全くまともなタイムを刻めていなかったのが、ポイントリーダーの石浦。再開後のコースインを遅らせたのが裏目に出てしまった。

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No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 この時、1コーナーで飛び出していた可夢偉は、赤旗提示直後、自力でピットに戻った。そのため、間もなくセッションは再開。午後3時ちょうどから、残り8分37秒ということで始まった。このアナウンスがされたのは、セッション開始2分前。それと同時に、全チームのドライバーが一斉にピットアウトし、ピットロード出口に整列した。国本を先頭に、石浦、ロッテラー、一貴、野尻、伊沢、関口、カーティケヤンらが続く。だが、コースオープンになると、先頭にいた国本は、まだ全くタイムを刻めていなかった石浦を先行させるという見事なチームプレーを見せた。これで前に誰もいない状態でアタックに入った石浦は、1分54秒698というタイムを叩き出してトップに立つ。しかし、雨での速さに定評があるベテラン、ロッテラーが各セクターで総合トップタイムを次々に書き換え、1分54秒395と圧巻のタイムをマークした。これに一貴も1分54秒606で続く。各コーナーでハイドロの中、猛プッシュしていたガスリーはタイムを伸ばせず、1分55秒997と、この時点での6番手に留まった。トップタイムをマークした翌周も、プッシュを続けていたロッテラーは、再びセクター1、セクター2で自己ベストを更新。セクター3では少しタイムを落としてしまったが、トップを書き換えるだけの走りを見せていた。しかし、自らのアタックを終え、シケインでスローダウンしていた国本が目の前に現れ、ブレーキロック。シケインをショートカットしてしまった。この時のタイムは1分53秒664だったが、のちにシケイン不通過で抹消されている。この直後、VANTELIN TEAM TOM’S勢の間に割って入ったのが、野尻。野尻は、それまでの自己ベストを3秒近く更新する走りで、1分54秒454をマークした。その直後、セッションは4回目の赤旗によって中断される。これは、最終アタックに入ったガスリーが1コーナーでコースアウトしたためだ。セッションの残り時間は、この時わずか1分17秒。そこで、セッションは再開されることなく、終了となった。また、同時にその後の予選もキャンセルが決定。Q1の結果のみで、決勝レースのグリッドが決まることとなった。その結果、レース1ではロッテラーがPP、野尻が2番手、一貴が3番手。以下、石浦、大祐、国本、マーデンボロー、ガスリーというオーダーに。セカンドベストタイムが採用されたレース2のグリッドは、マーデンボローがPP。野尻が2番手、伊沢が3番手。以下、大祐、一貴、ガスリー、国本、カーティケヤンとなり、石浦は9番手という結果になった。セカンドベストについては、まともにラップタイムを刻めていないドライバーも多く、グリッドも予想外の結果となっている。

 さて、その後、明日のレース開催に向けて、主催者と競技団は話し合いを続けていたが、台風21号の接近による豪雨が予想されているため、チームやドライバー、観客の安全を考慮して、中止を決定。午後5時15分に、正式発表することになった。残念ながらレースが行われない状況とはなってしまったものの、その結果、今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権チャンピオンタイトルは、石浦の手に。石浦にとっては、一昨年に続いて2度目の戴冠となった。シーズンを大いに盛り上げたガスリーは、シリーズ2位に終わったが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。

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No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)