フォーミュラチャレンジ・ジャパン第7戦の決勝レースが8月7日、ツインリンクもてぎで行われた。
天候は晴れ。気温は午前の予選よりも更に上がり、人にもタイヤにも厳しいコンディションの下で13時25分、12周の戦いが始まった。
前回の富士からスタートに苦しんでいるポールの#1中山雄一は、今回も会心の出来とはいかなかったものの、クラッチミート後の加速をうまくまとめて後続を退け、トップで1コーナーを立ち上がっていく。
2番手スタートの#13朱戴維、3番手の平峰一貴らが中山に並びかけようとするが、今一歩届かず、イン側のラインをとった#2野尻智紀が3番手に浮上した。
野尻は朱の背後につけてプレッシャーをかけ、オーバーテイクの隙を伺う。すると朱は3周目の4コーナーでブレーキを遅らせすぎてコースオフ、あっさりと野尻に2位の座を明け渡し、4位に後退してしまった。野尻の背後には1秒以内の間隔を保って平峰がつけている。
更にその後方では、前回優勝の#19元嶋佑弥が#20松井孝允と6位争いを展開、2周目の5コーナーで果敢にインを狙っていったが、両者は接触してしまい、松井は最後尾に後退、元嶋に対してはドライビングスルーペナルティが課せられることとなった。
その後松井は17位まで順位を挽回したものの、元嶋は前記のペナルティに加え、接触の影響からか右フロントのサスペンションアームが曲がってきたこともあってペースが上がらず、20位でレースを終えた。
そうした後方のバトルを尻目にトップの中山は1周目で2位に1.2秒差をつけると、その後もハイペースで周回を重ねて後続を突き放しに掛かる。レースの折り返し点となる6周終了時点で中山はこのレースのファステストラップとなる1分56秒893を記録、後続とのギャップを3秒以上とした。
その後は想定以上のタイヤの消耗もあってペースアップこそできなかったものの2位との差は着実に開いていき、最後は2位の野尻を5秒861突き放してチェッカーを受け、今季6勝目を挙げた。
次戦第8戦決勝は明日8時35分より18周で行われる。
優勝:中山雄一
「今回も優勝することができて嬉しいです。前回の富士ではクルマのバランスが悪くてドライブしにくい状態でしたが、今回は非常にドライブしやすくて、全力で走ることが出来ました。スタートは今回も良くなかったんですけど、今日のフォーメーションラップの時にスタート練習でいいイメージを作れたので、明日はそれをいかしてスタートを決め、また優勝したいです」
2位:野尻智紀(東京中日スポーツ賞受賞)
「最初に、今日のクルマを用意してくださったメカニックさん、このチャンスを与えてくださったホンダさんに感謝します。表彰台に上がれたことは嬉しいのですが、僕の目標は2位じゃなくて優勝なので、明日こそは中山選手を追い詰めて勝ちたいです。スタートは今までミスしたことがなかったので自信がありました。絶対に引かないつもりでコーナーに入っていって2位に上がりました」
3位:平峰一貴
「また表彰台に上がれて嬉しいです。もてぎに来る前に福岡でトレーニング合宿をやって自分を追い込み、鍛えてきました。今回も自分に好ましいクルマになっていて、予選からうまく走れました。今まで応援してくださっているホンダさんと、クルマを仕上げてくださったメカニックさんに心から感謝しています。合宿ではランニングやバランスボールで暑さ対策をやってきました」