一時雨が降るという天気予報が外れ、穏やかな秋晴れとなった静岡県・富士スピードウェイ。富士スプリントカップのメインイベントのひとつ、フォーミュラ・ニッポンの公式予選が、11月12日(金)、午後1時から行なわれた。今回の予選はシリーズ戦のノックアウト方式とは違い、スーパーラップ方式。シリーズランキング15位のNo.16 井出 有治(MOTUL TEAM 無限)から、チャンピオンのNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)まで、15人のドライバーが1台ずつアタックを行なう。ピットから出た各マシンはウォームアップを2周したあと、3周目にタイムアタック。この周のストレートエンドの最高速度ランキングが、第1レースのグリッド、その周のラップタイムが第2レースのグリッドとなる。 最初にコースに入った井出は、ストレートエンドで303.456㎞/hをマーク。ラップタイムは、1’26.668をマークする。まずはこれが目安のタイムとなるが、2番手に走行したNo.3 松田 次生(KONDO RACING)はこれを上回れず。3番目に走行したNo.29 井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)はストレートスピードを306km/hまで伸ばしたが、ラップタイムでは井出を上回れなかった。4番目に走行したのは、No.18 平中克幸(KCMG)。平中は、ストレートスピードこそ伸びなかったが、タイム的には最初に1分25秒台に入れてくる。さらにNo.2 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、平中のタイムを100分の3秒余り上回った 。
No.7 ケイ・コッツォリーノ
そして、6番目にコースに入ったのがNo.7 ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)。コッツォリーノは、TVの画面を通じても分かるほどリヤウィングを寝かせていた。そしてアタックに入った周の1コーナー手前で 314.502km/hと、他のドライバーを大きく上回るトップスピードをマーク。そのままアタックに入ると何とか最後まで踏ん張り1’26.629と、ラップタイムもそこそこのタイムをマークした。これに続いてトップタイムを書き換えたのが、No.10 塚越 広大(HFDP RACING)。塚越は、トップスピードも309km/h台まで伸ばし、上位に食い込んできた。8番目に出走したNo.8 石浦 宏明(Team LeMans)はストレートスピードも伸びなかったが、アタック中のコカ・コーラコーナー入り口で、左側のタイヤを完全に縁石の外側まではみ出させてしまい、その影響で今度は右側にコースアウトしている。その後、No.31 山本 尚貴(NAKAJIMA RACING)、No.37 大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM’S)となかなかタイムを伸ばせない中、11番目に走行したNo.20 平手 晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)が大きくタイムアップ。1’25.135と、塚越のタイムをコンマ4秒ほど上回った。
No.36 アンドレ・ロッテラー
ここからは最終戦のRace2まで、激しくタイトルを争った4人のドライバーが登場。そのアタックに注目されたが、さまざまなハプニングが起こる結果となった。この中で、まずコースに入ったのが、ランキング4位でシリーズを終えたNo.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)。小暮はストレートスピードが伸びなかっただけでなく、タイム的にも失速。この時点でまさかの8番手に留まる。続いて朝の練習走行でダントツのトップタイムをマークしていたNo.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がアタック。ところがタイムアタックに入ったデュバルは、セクター2に入ったところでガス欠症状が出て、スローダウン。そのままアタックを取り止め、ピットに入った。続くシリーズランキング2位のNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)は、ストレートエンドで310km/h台をマーク。ダウンフォースは削っていたものの、大きなミスなく1周をまとめ、コントロールラインを切った時には1’24.776と、このセッションでは初めて1分24秒台をマークして、トップに立つ。最後に登場したのが、今季シリーズチャンピオンとなったオリベイラ。オリベイラは、ストレートエンドのスピードこそ306㎞台に留まったが、1周を終えると1’25.047と、ロッテラーに続く2番手に滑り込んだ。
まさかのペナルティとなったNo.29 井口卓人、No.8 石浦宏明、
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
ところがその後、井口、石浦、そしてオリベイラの3人がタイムアタック中のコカ・コーラコーナー立ち上がりで4輪すべてがコース右側の白線よりも外側にはみ出てしまったということで、ラップタイムも最高速度も抹消。オリベイラはいずれのレースも13番手、石浦はいずれも14番手、井口はいずれも15番手から追い上げをはかることになった。
第1レース 予選1位 ケイ・コッツォリーノ/ 第2レース 予選1位 アンドレ・ロッテラー