2011 Formula NIPPON
No.16 山本尚貴
5月14日午後、鈴鹿サーキット(三重県)で全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの開幕戦鈴鹿の公式予選が行われた。2011年初の予選でNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)が、自身初となるポールポジションを獲得した。
No.32 小暮卓史
昨年と若干方式が変わり、Q2とQ3のセッションが10分から7分へと短縮された今年の予選は、アタックに出て行くタイミング勝負がより重要。誰がいつピットを後にするのかという緊迫感が高まった。その緊張の予選で見事、自身にとっても初のポールポジションを獲得したのは、参戦2年目のNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)。TEAM 無限にとってもフォーミュラ・ニッポン初のポールとなる。2番手には、山本にとっては去年のチームメイトだったNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。3番手には、昨日のテストからトップタイムを連発していたNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続き、ホンダエンジン勢がトップ3を独占。ディフェンディング・チャンピオンのNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)は4番手に留まる。また、ルーキーでは、No.33 国本雄資(Project μ/cerumo⋅INGING)が唯一Q3に進出。予選8番手から明日のスタートを切ることになった。
No.41 塚越広大
予選のQ1セッションが開始されたのは、午後1時30分。この時点で天候は晴れ。気温は24度、路面温度は30度というコンディションの中、コースがオープンされると多くのドライバーはユーズドタイヤでコースイン。一部の選手は、Q1で2回のアタックを敢行するべく、最初からニュータイヤでコースへと入って行った。その後、マシンの状態を確認したドライバーも、最初のニュータイヤでのアタックを終えたドライバーも、一旦ピットイン。セッションの残り時間が8分を切ったあたりで、No.62 嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsport)が真っ先にコースへと入ると、その2分後からは、多くのマシンが続々とピットを後にし、タイムアタックを行なった。
ここで、まずトップに立ったのは塚越。チームメイトのNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がそれに続く。しかし、間もなく山本が、塚越のタイムをコンマ4秒ほど上回る1分41秒073を叩き出してトップに立った。さらに、小暮が、塚越を上回り2番手に浮上。王者・オリベイラも3番手に滑り込んだ。一方、このセッションで思うようにタイムを伸ばせず、Q2に進出できなかったのは、No.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)、No.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。ルーキーのNo.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)と嵯峨もここで敗退となった。
No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
No.40 伊沢拓也
Q2が開始されたのは、午後2時ちょうど。しかし、Q1後のインターバルに、西コースから雨がパラつき始める。この雨は、セッションが開始されるとメインストレートあたりでもパラついた。そのため、どのドライバーも早目にコースイン。全車、ニュータイヤでのアタックに入る。しかし、ピットアウトのタイミングが重なってしまったため、コース上では渋滞も発生。そのため、自分のリズムで走れないドライバーも出てきた。そんな中、真っ先にコースに入ったQ1トップの山本は、若干雨の影響を受けつつも、まずはトップに立つ。これに、オリベイラ、塚越、伊沢と続いた。ここで路面と渋滞の状況を見て、アタックを1周遅らせたのは小暮。アタックに入った小暮は、区間最速をマークし続けて、一気に1分40秒853までタイムアップ。Q2のトップを奪っている。これに続いたのは、山本、オリベイラ、塚越、伊沢、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)ら。一方、Q3進出を逃したのは、No.7 大嶋和也(Team LeMans)、No.10 小林崇志(HP REAL RACING)、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.18 アレクサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)という結果になった。
No.33 国本雄資
さらに10分間のインターバルを経て、いよいよポールポジションを決定するQ3が開始されたのは、午後2時17分から。このセッションでは、再び天候が持ち直したが、開始からわずか30秒というところで、まずNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がコースイン。その30秒後には小暮と山本、オリベイラ、平手。さらに開始から2分というところで国本、その30秒後に伊沢と塚越がコースへと入って行った。
ここでアウトラップを終え、すぐにタイムアタックに入ったのは、山本とオリベイラ、平手。さらに伊沢と塚越も1周目からアタックに入った。最初にアタックを終え、コントロールラインを切った山本は、ここで1分40秒470と、それまでの自己ベストタイムを一気に更新してトップに立つ。オリベイラと平手はこれに及ばず。続く伊沢と塚越も、山本のタイムを上回ることはできなかった。一方、このQ3でも、アタックのタイミングを1周遅らせていたのは、小暮。小暮はアタックに入ると、セクター1で最速タイムをマーク。しかし、クルマのバランス的にアンダーステアが強過ぎたという小暮は、デグナーの2つ目とヘアピンでミスしてしまう。後半は再び持ち直したが、コントロールラインを切ったそのタイムは1分40秒827と、山本にコンマ3秒あまり及ばなかった。
その結果、山本は嬉しい初ポールポジションを獲得。クールダウンラップを終えて、パルクフェルメにマシンを止めた山本は、前身で喜びを表現していた。明日の決勝は、午後1時45分にスタート。38周で争われるこのレースで、山本は再び歓喜に酔いしれるのか?それとも、ホンダの先輩である小暮が、あるいは塚越が、山本を逆転するのか? はたまたディフェンディング・チャンピオンのオリベイラがレース巧者ぶりを見せるのか? まずは緊張が最も高まる瞬間、スタートに注目だ。
No.32 小暮卓史 ・ No.16 山本尚貴 ・ No.41 塚越広大