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2011 Formula NIPPON

Round1SUZUKA CIRCUIT

  • Suzuka Circuit
  • 公式予選
    決  勝
  • :2011年5月14日(土)
    :2011年5月15日(日)
  • 鈴鹿サーキット:5.807 km
    決勝レース:38 Laps [220.666 km]

Race

ピットワークが明暗を分ける
アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が開幕戦を制する!
山本はスタートに失敗しアクシデントに泣く。一貴が初戦で3位表彰台に

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No.36 アンドレ・ロッテラー

5月15日(日)、鈴鹿サーキット(三重県)でいよいよ開幕した2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン。7人ものルーキーが参戦し、2年目の若手がポールを獲る新しい流れを感じさせた開幕戦。だが、底力を見せて優勝を果たしたのは、すでにベテランとなったNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)。3位には予選14番手ながら早目のピットイン作戦を敢行したNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が入賞。F1経験者の貫禄を見せた。

2011-05-15 13:45-14:57 天候:晴 コース:ドライ 気温:23度 路面温度:35度

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レース序盤は小暮とロッテラーのマッチレースに

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 カラッとした五月晴れとなった鈴鹿。気温23度、路面温度35度というコンディションの中、午後1時45分にフォーメーションラップがスタート。1周の隊列走行を終えて、全車が正規グリッドに着くと、正式スタートが切られた。ここでホイールスピンしてしまい、出遅れたのは、ポールポジションのNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)。代わって、2番手スタートの小暮がトップに立つ。抜群の動き出しを見せて、1コーナーまでに、小暮の後ろにつけたのは、ロッテラー。この2台の後ろでは、山本にNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が並びかける。アウトにいた山本、インにいた塚越。2台は1〜2コーナーまで並んだままたったが、いずれも引くに引けず接触。山本はスピンアウトしてしまった。ここに突っ込んできたのは、No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)だったが、山本のマシンを避け切れず、オリベイラもコース上でスピンを喫して大きく遅れた。このオリベイラのマシンを避けるべく、その後方でも大きく順位が変動した。
 オープニングラップを終えてのオーダーは、小暮、ロッテラー、塚越、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.7 大嶋和也(Team LeMans)、No.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)、No.10 小林崇志(HP REAL RACING)。周回を重ねるに連れ、この中からトップの2台が抜け出した。
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No.32 小暮卓史
 その後、レースは序盤から動く。中嶋が4周を終えたところでピットイン。タイヤ交換と給油を行なう。その2周後には、最初のスピンで15番手までドロップしたオリベイラがピットイン。やはりルーティンの作業を行なって、コースへと戻った。2台は、前が開けたことで、ここからプッシュ。見えないタイム差を削っていく。
 一方、後方ではルーキーたちも火花散る争いを見せた。8周目の1コーナーでは、今週初めて鈴鹿を走ったNo.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)がアウトからNo.18 アレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)をオーバーテイク。さらに、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)に抜かれた小林に迫る。しかし、9周目のスプーンコーナー入り口のブレーキングで、カルダレッリは小林の右リヤに接触。2台はもつれ合うようにコースアウトし、いずれもリタイヤを余儀なくされた。
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No.37 中嶋一貴
 上位のグループでは、スタートから12周を終えたところで4番手を走っていた伊沢がピットイン。だが、伊沢は、一貴の後ろでコースに戻ることになる。その翌周には3番手を走っていた塚越がピットイン。この作業に若干のミスがあり、塚越は一貴ばかりか伊沢、オリベイラにも先行を許すこととなった。さらに、15周を終えたところでは、大嶋がピットへ。しかし、大嶋も一貴と伊沢、オリベイラの後ろでコースに戻る結果に。結局、序盤にピット作業を終えたマシンが、あれよあれよという間に、上位へと進出を果たした。

明暗を分けたピットワーク。作戦を成功させた一貴

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No.40 伊沢拓也
 その頃、トップ争いの小暮とロッテラーは、完全に抜け出していたが、2台のペースは拮抗。小暮がタイムを上げれば、ロッテラーが詰め返すという緊迫の展開となった。そして、この2台の勝敗を分けたのも、やはりピット作業。まず21周を終えてピットロードに滑り込んだロッテラーは15秒1という素早い作業でコースに戻ったが、その翌周にピットに滑り込んだ小暮は右リヤタイヤのナットが入らずに手間取り、作業に18秒7掛かってしまった。
 その結果、小暮がコースに戻った時には、ロッテラーが先行。何とか追いつこうとピットアウト後にプッシュした小暮は、攻め過ぎたのか、ヘアピンでタイヤをロックさせ、フラットスポットを作ってしまった。その影響で、終盤はペースを上げることができず、ロッテラーを逃がす結果となっている。一方のロッテラーは、ピットアウト後も安定したタイムを刻み、チェッカーまで走り切ると、自身初の開幕戦優勝。小暮は2位に甘んじる。
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 そして、この2台には大きく水を開けられたものの、早目のピットイン作戦を成功させた一貴が、フォーミュラ・ニッポンではデビュー戦となる開幕戦で、見事表彰台を獲得した。
 次回のレースは3週間後。舞台はオートポリス(大分県)。タイヤへの攻撃性が高いことで知られるこのレースでは、どんな戦いが繰り広げられるのか。注目していただきたい。

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2位 No.32 小暮卓史 ・ 優勝 No.36 アンドレ・ロッテラー/舘 信秀監督 ・ 3位 No.37 中嶋一貴

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第1戦 決勝レースダイジェスト [VIDEO LIBRARY]

記者会見

非常にいいレースができたから勝てたんだ
優勝
No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)
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 最高の気分です。非常にいいレースができたので、勝てたわけで。今日一番の勝因はスタートですね。パーフェクトだったし、ペースも良かったし。小暮選手の後ろについて走っていましたが、そのままついて走っていれば、ピットストップの戦いで前に出られるのではないかと思っていました。ここでできるかぎり短い時間で作業を済ませることを狙っていたんですが、それが思い通りになったのでピットクルーに感謝ですね。実際、これで小暮選手の前に出ることができたので、うまくいきましたね。
 その後しばらくプッシュし、差を開き、その後は落ち着いて楽しく走ることができました。もうすでにフォーミュラ・ニッポンには9年も参戦しているんですが、やっと開幕戦で勝てましたね。チームにとっても僕にとっても非常にポジティブでプラスなスタートになったので、これからも高いモチベーションでいられると思います。
フラットスポットを作り、ペースが上げられなかった
2位
No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)
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 スタートはうまく切れたのですが、はじめは後ろにアンドレ(ロッテラー)選手がずっとついてくる状況になったので、そのまま争いになるだろうと思って走っていました。プッシュしたら向こうもプッシュしてきたし、タイヤも同じような感じでタレてきたし。ただ、ピットストップで僕のピットにミスが出てしまうという予定外のことが起こって、出遅れてしまいました。
 さらにそのあと45秒台で走行しているときに、ヘアピンを走っているときにタイヤに大きなフラットスポットを作ってしまったんです。でも、前との間をこれ以上開かせてはいけない、と思ってたのですが、それ以上に振動が出てきて…。ペースがあがらず、彼についていくことができませんでした。そのあとは後続との距離があったので、これ以上ペースを上げる必要もないと思いました。今日のTOM'Sはすごく速かったように思うし、僕もそこでいいレースをしたかったんですが…。まぁ今日は2位で満足です。
 次のオートポリスですか? 僕の場合はこれまで開幕戦で勝つとチャンピオンが獲れなかったので、今日のことはポジティブ思考でとらえたいと思います。
表彰台そのものも4年ぶりなので、いい気分です
3位
No.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)
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 昨日の気分は“サイテー…”で、今日は“サイコー!”言っていいくらいの気分ですね。ポジションがポジション(予選14位)だったので、戦略的には最初に入って、クリーンなところでタイムを稼いで、というものでした。ただ、最後はどうなるのかは(オフの)テストもほとんどなかったので心配でした。でも伊沢選手がずっと後ろにいて、ペース的にもそんなに思ったほど追いつかれることもなく、同じくらいの間隔のままだったし、最後の10周切ってからは、差も開いていったのでもう普段どおりのレースができたと思います。戦略は予選後に決めた、というか、タイヤ4輪交換が義務付けだったので、他と違いを出すのは難しい状況だったので…。そうですねぇ、あんまり言うとみんながやりだすから言わずにいます(笑)。
 鈴鹿の表彰台は6年ぶりですし、表彰台そのものも4年ぶりなので、いい気分です。F1でもそうですが、鈴鹿や富士では皆さんに見てもらえる前でいいレースがなかったのですが、今年は全国を転戦するし、その最初で注目度が高い中、いいレースができて正直安心しました。
今日は出来すぎ。とってもハッピーです
優勝チーム監督
舘 信秀監督(PETRONAS TEAM TOM'S)
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 今日の結果は出来すぎですよね。小暮君にミスがあったらしいし、今日のウォームアップまで本当に悩みました。最後の最後まで、というかぶっつけ本番でギャンブルしたようなものです。それが当たったので、本当に出来すぎで、とってもハッピーですね。
 “今年はチャンピオンを狙う”という目標は変わっていません。一方で、中嶋(一貴)選手は注目されているので、重圧になるのではという心配が親心的にあるんですが、でも彼は意外とひょうひょうとしていて、あまり意識していないというか負けてないんでしょうね。今回見ていて安心しました。僕が思っている以上に彼は心臓が強いようですね。


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