2011 Formula NIPPON
No.3 A.カルダレッリ
6月5日午前、オートポリス(大分県)はあいにくの雨となった。午前9時から30分間のフリー走行が行なわれた。ヘビーウェットの中、今季初参戦のNo.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)がトップタイムを叩き出した。
昨日の予選はドライコンディションだったが、今朝は一転してかなりの雨。コースはいわゆるヘビーウェット、路面温度も17度程度とかなり低い。だが、決勝レースが雨の可能性もあるだけに、各車コースオープンと共に走行を開始する。
先頭を切ったのは、昨日初ポールポジションを獲得したNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。その直後、ピットロード出口の先でNo.62 嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsports)がスピンし、ストレートのアウト側ウォールにマシンをぶつけてしまう。嵯峨にダメージは無いようだが、マシンはフロントウィングやリアのサスペンションが壊れてしまった。この事故処理のため、一時走行が中断した。
9時11分に走行が再開。水煙が高く上がる難しい状況の中、No.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が好走をみせる。上位でも53秒台という状況で、ただ1人50秒を切る1分49秒952でトップに立つ。
セッションの終盤になってくると、マシンが走ったことで走行ライン上の水が多少捌けたためか、各車のタイムがグッと縮まり始める。そんな20分過ぎにNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が最終セクションの60Rでコースアウト。幸いタイヤウォールギリギリのところでマシンはストップした。この直後、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が第2ヘアピン手前の高速コーナー250Rでスピンして、コースアウト。こちらはガードレールに左側面をハードヒット。サスペンションだけでなくサイドポンツーンまで傷が及んだ。ドライバーはすぐにマシンを降りたが、決勝までにマシンが修復できるか不安が残った。
No.2 平手晃平
ラスト5分で、序盤の中嶋一貴のタイムを上回ったのは、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)で1分49秒263。だが、それをさらに越えたのは、今季フォーミュラ・ニッポンに参戦を開始したNo.3 カルダレッリ。48秒919と平手を抜きリーダーとなると、セッションのラストラップで1分47秒989と、2番手平手を1.2秒以上引き離す快走だった。ポールの塚越は1分49秒625で3番手と、決勝が雨でも対応できるタイムを刻んだ。
天気予報では、午後には雨が上がり曇りという。だが、予報は予報。また、雨が上がってもコースがドライとなるとは限らない。そういう意味では、このヘビーウェットのフリー走行での結果が決勝レースを占うものとなるか微妙だ。また、ピットイン1回の義務などレース戦略でも新しい要素もある。54周の決勝レースは、14時30分スタートだ。