2011 Formula NIPPON
No.37 中嶋一貴
6月5日(日)、オートポリス(大分県)で2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦の決勝レースが行われた。難しい路面状況の中、的確な読みを見せて自身初の優勝を飾ったのは、No.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。No.7 大嶋和也(Team LeMans)が今季初表彰台となる2位。ポールポジションのNo.41 塚越広大(DOCOMO DANDELION RACING)が3位となった。
昨夜おそくから雨となった大分県・阿蘇地区。朝のフリー走行は、ヘビーレインの中で行なわれた。その後、天候は回復方向に。ダミーグリッド上では、雨がパラつく場面もあったが、決勝のフォーメーションラップがスタートした午後2時30分の時点では、完全に雨が上がり、路面も乾いて行く方向となった。ただし、この段階では全ドライバーがレインタイヤを装着。1周への隊列走行へと向かう。
決勝スタートが切られると、いい動き出しを見せたのは、予選2番手のNo.7 大嶋和也(Team LeMans)と予選3番手のNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。しかし、1コーナーで塚越と大嶋の間に小暮が割り込む形となったことで、アウト側の2台は若干失速し、最もイン側にいたNo.41 塚越広大(DOCOMO DANDELION RACING)がトップを守った。
No.7 大嶋和也
そこから目まぐるしくレースは動く。わずか1周を終えたところで、大嶋とNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、No.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)がピットイン。タイヤをスリックに交換してコースに戻る。その翌周にはNo.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)とNo.36 井口卓人(PETRONAS TEAM TOM’S)、No.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)、さらに3周を終えたところで塚越とNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.18 アレクサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)、No.10 小林崇志(HP REAL RACING)がそれぞれピットイン。やはりタイヤをスリックに交換してコースに戻った。この同じ周の第2ヘアピンでは、この時点でトップに立っていた小暮がスピン。エンジンを止め、ここでリタイヤする波乱の展開となった。
No.41 塚越広大
その後、全車がスリックに履き替えたところでトップに立ったのは、大嶋。これに中嶋、石浦、オリベイラ、中嶋大祐が続く。その後方では、井口と塚越がデッドヒート。7周目の1コーナーで井口に並びかける。この時、井口の左フロントが塚越の右リヤに接触。井口はサスペンションにダメージを負い、ピットインを余儀なくされている。また、この2台のバトルの目前で、中嶋大祐が1コーナーでコースアウト。ここでリタイヤすることとなった。さらに、この時点で3番手を走行していた石浦が、10周目あたりから、次々にポジションダウン。雨用のセットアップで走っていた石浦は、路面が乾くとまったくペースを上げられなかった。
さらに、レースが動いたのは、スタートから20周目。この時点で3番手を走っていたオリベイラと8番手を走っていたカルダレッリがピットインし、給油を行なった。また24周を終えたところでは、その時点で6番手を走っていたNo.2 平手晃平(TEAM IMPUL)も給油のためにピットインする。
ところが、そこからはレースが進んでも、どの陣営も全く動きを見せない。燃費的に厳しいのではないかと言われていたが、実はほとんどのチームが無給油の可能性に賭けていたのだ。そのため、中盤以降は、すべてがコース上での勝負となった。中でも白熱したのは、トップ争いの大嶋と中嶋、4番手争いの山本とオリベイラのバトルだった。
一時4秒あまりの差があったトップ争いは、大嶋のタイヤが次第に厳しくなってきたこともあり、33周を終えたところでは1秒を切る接近戦に。そこから中嶋がジワジワと大嶋を追い詰め、42周目の1コーナーでついに逆転。中嶋がトップを奪う。
一方、4番手争いは20周以上に渡り、テール・トゥ・ノーズ状態のまま続けられていたが、山本が必死のブロックを見せていた。しかし、次第にマシンバランスが悪化していた山本を、46周目の最終コーナーでオリベイラがロックオン。47周目の1コーナーでは、遂にオリベイラがイン側から前に出た。さらに最終盤になって白熱したのは3位争い。中嶋にかわされたあと、ペースが落ちた大嶋に、ジワジワと差を詰めてきた塚越が迫る。残り5周を切ってからは、こちらもテール・トゥ・ノーズ状態となったが、お互いにオーバーテイクボタンを使い合う攻防の中、大嶋が最後までポジションを守り切った。
54周のレースを終えて最初にチェッカーを受けたのは、中嶋一貴。参戦2戦目にして嬉しい初優勝を果たした。2位に大嶋、3位に塚越が入賞した。以下、オリベイラ、山本、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.18 インペラトーリ、平手までが入賞。連続表彰台獲得の中嶋一貴は、シリーズランキングでもトップに立った。
フレッシュな顔ぶれが活躍する今シーズン。次戦、富士スピードウェイ(静岡県/7月16、17日)では、どんな結果が待っているのか? 今から楽しみだ。
2位 No.7 大嶋和也 ・ 優勝 No.37 中嶋一貴/舘 信秀監督 ・ 3位 No.41 塚越広大
第2戦 決勝レースダイジェスト [VIDEO LIBRARY]
○決勝4、5位のドライバーのコメントは [Race Day Topics] をご覧ください。