2011 Formula NIPPON
No.36 アンドレ・ロッテラー
9月25日(日)、スポーツランドSUGO(宮城県)で2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦の決勝レースが行われた。No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が、今季3勝目を挙げた。2位はNo.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)、3位にはNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が入賞した。
No.8 石浦宏明
若干曇りがちではあったが、過ごしやすい1日となった決勝日。気温は21℃、路面温度が25℃というコンディションの中、午後2時30分にフォーメーションラップがスタート。1周のパレードラップを終えて、全車正規グリッドに付くと、いよいよ注目のスタートが切られた。ここでホールショットを奪ったのは、2番手グリッドのNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)。ポールポジションのNo.7 大嶋和也(Team LeMans)はエンジンストール気味になって失速。4番手まで後退してしまう。同様に4番手グリッドの石浦もスタートに失敗して6番手に後退した。これに対して、スタートでポジションを上げたのは、3番手グリッドのNo.41 塚越広大(DOCOMO DANDELION RACING)と5番手グリッドのNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。この2台は、それぞれ2番手と3番手にポジションアップ。さらに、7番手グリッドのNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)も5番手に上がってきた。その後方では、No.10小林崇志(HP REAL RACING)がエンジンストールして、コース上にストップするハプニングも発生した。
オープニングラップを終えると、レースは早くも動く。まず中嶋一貴とNo.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)が、1周を終えてピットイン。2周目を終えると、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)とNo.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、3周目を終えるとデ・オリベイラとNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)がピットに入り、タイヤ交換をしてコースに戻った。その他のトップ集団は、ロッテラーを先頭に、塚越、伊沢、大嶋、石浦という順で周回を重ねるが、次第にトップの2台が抜け出す形となった。一方、早めのピットインを行なった中嶋一貴とデ・オリベイラも、トップと遜色ないラップタイムで周回を重ね、見えない差を削り取っていく。トップ集団がピットに入った時、この2人がどの位置までポジションを上げているか。まずは、その点に注目が集まった。
No.37 中嶋一貴
そのトップ集団の中で、まず22周を終えて、1回目のピットストップを行なったのは、ロッテラー。ロッテラーはタイヤ交換を終えると、悠々と実質トップを守ってコースに戻る。その翌周には、伊沢がピットイン。こちらはタイヤ交換だけでなく、燃料給油も行なう。さらに、その翌周には、塚越と大嶋がピットイン。塚越も給油とタイヤ交換を行ったが、大嶋が左フロントタイヤの交換に手間取ったため、この2人のポジションに入れ替わりはなかった。その結果、1回目のピットストップを終えたドライバーのポジションは、ロッテラー、中嶋一貴、デ・オリベイラ、塚越、伊沢という順に。これに対して、最初のピットストップを大きく遅らせる作戦を取ったのが、石浦でレースのほぼ半分となる33周目にピットイン。給油とタイヤ交換を13秒4という短時間に終えた。この同じ周にはデ・オリベイラ、さらに翌周には中嶋一貴が2回目のピットイン。ここでは2台ともタイヤ交換と同時に給油も行なったが、先にピットインしたデ・オリベイラがアウトラップで猛プッシュし、後からピットに入った中嶋一貴の前に出ることに成功している。さらに、デ・オリベイラはここから中嶋一貴を突き放し、ロッテラーとの見えない差を削りたいところ。しかし、ロッテラーのペースは終始安定しており、なかなか差を詰めることはできなかった。
No.41 塚越広大
トップを快走していたロッテラーが2回目のピットストップを行なったのは、47周終了時。ここではロッテラーもタイヤ交換と給油を行なったが、全く危なげなくデ・オリベイラの前でコースに戻った。その後、50周を終えたところで伊沢とNo.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)、51周を終えたところで大嶋が2度目のピットイン。さらに、54周を終えたところで石浦が2度目のピットインを行なう。これでロッテラーは完全な一人旅となった。デ・オリベイラとの差は13秒以上に開いていたからだ。またデ・オリベイラも中嶋一貴を突き放しており、すでに11秒以上のマージンがある。そのデ・オリベイラと中嶋の間に、滑り込んできたのが石浦。2回目の作業でも、タイヤ交換と同時に給油を行なった石浦だったが、常にレースラップタイムが速かったマージンを最後に生かす形となった。ここから、タイヤの状態がいい石浦は、1分08秒台から09秒台のラップを連発。デ・オリベイラとの差を削っていく。しかし、オーバーテイクするまでには至らなかった。
No.33 国本雄資
その結果、ブッちぎり状態で今季3勝目を挙げたのは、ロッテラー。デ・オリベイラが大きくポジションを上げて2位、石浦が3位に入賞。以下、中嶋一貴、塚越、伊沢、国本、大嶋の順でチェッカーを受けることとなった。
ところが、レース後の再車検で、デ・オリベイラのマシンはリアウィングの高さオーバー、伊沢のマシンはフロントウィングの全幅オーバーで不合格となり、2台は失格に。その結果、優勝のロッテラーは変わらないものの、2位に石浦、3位に中嶋一貴、4位に塚越、5位に国本、6位に大嶋、7位にNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、8位に平手という結果となった。
ドライバーズランキングでは、ロッテラーが38ポイントでトップをキープ。中嶋一貴が34ポイントで2位。以下、デ・オリベイラが25ポイント、塚越が23ポイントと続き、この4人が最終戦までタイトルの可能性を残した。11月5、6日、ツインリンクもてぎで行なわれる最終戦では、ロッテラーと中嶋一貴を中心に、チャンピオン争いが展開されることになるだろう。
※記者会見は正式結果の発表前に行われました。コメントは暫定結果に基づいて語られています。
No.37 中嶋一貴のコメントは暫定4位でのものです。ご了承ください。