2011 Formula NIPPON
No.36 アンドレ・ロッテラー
11月5日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦(最終戦)の公式予選が、ツインリンクもてぎ(栃木県)で行われ、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が全セッションを制覇し、6日のレース1、レース2のポールポジションを獲得した。
No.37 中嶋一貴
ノックアウト予選が開始されたのは、午後2時から。この時点で、気温は21℃、路面温度は23℃。午前中は晴れ間が見えていたものの、午後には空に雲が掛かり、薄ぼんやりとした天候となった。
最初のセッションとなる20分間のQ1では4台が脱落。No.11 武藤英紀(HP REAL RACING)がスポット参戦し、台数が17台となったため、13台のマシンがQ2へと駒を進めることとなった。ここでQ1突破を目指して、No.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)、No.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)、No.62 嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsport)らは、2セットのニュータイヤを投入。セッションが始まって間もなく、1セット目のニュータイヤを装着して、アタックに入る。その他のドライバーは、ユーズド(使用済み)タイヤでコースイン。マシンの感触や路面の状況を確かめる。その後、全車が一旦ピットイン。残り時間が7分となったあたりから、ニュータイヤでのアタックのため、ピットを後にした。ここで最初の攻防が繰り広げられる。逆転タイトルを目指すNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)がアウトラップで自分より先にコースに入っていたNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)をパス。アタックのためのスペースを確保する。一方のロッテラーは、この影響もあり、ニュータイヤでの2周目にはトラフィックに捕まってしまった。ここでまず、自己ベストタイムを大きく更新してきたのが、デ・オリベイラ。デ・オリベイラは1分33秒753というタイムをマークする。だが、これはロッテラーがユーズドでマークしていたタイムに及ばなかった。その後、トップタイムを書き換えたのは、No.7 大嶋和也(Team LeMans)。さらに、デ・オリベイラ同様、逆転タイトルを目指すNo.41 塚越 広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が大嶋のタイムを上回ってきた。
No.41 塚越広大
しかし、トラフィックの影響を受けた後、仕切り直しでもう一度アタックに入っていたロッテラーが、最後にこれを逆転。わずかコンマ2秒ながら、それまでの自己ベストタイムを上回る1分33秒483までタイムを伸ばして、トップを奪った。チームメイトのNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)も、この直後に自己ベストをマークするが3番手。その結果、6日のレース1のポールポジションは、ロッテラーが奪うことになった。以下、塚越、中嶋一貴、大嶋、デ・オリベイラ、No.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)と続く。一方、ここで敗退となったのは、No.18 アレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)、武藤、嵯峨、No.10小林崇志(HP REAL RACING)の4人だった。
10分間のインターバルを経て、7分間のQ2が始まったのは、午後2時30分。天候はQ1とほぼ変わらず、気温は21℃、路面温度は23℃というコンディションになった。アタックに入る前、タイヤを温めるのに2周必要ということで、セッションが開始されるとすぐに全車がピットアウト。今度はロッテラーが真っ先にコースに入り、デ・オリベイラ、中嶋一貴、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)がこれに続いた。さらに、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、塚越という順に、続々とコースに入っていくと、各自間合いを取りながら、タイヤを温める。そして、残り時間が3分半となったところから、アタックに入って行った。ここで自己ベストを大きく上回る1分33秒010(コースレコード)を叩き出したのは、ロッテラー。2番目にアタックに入ったデ・オリベイラは大きくタイムを伸ばすことができず、このタイムを中嶋一貴、塚越、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が上回ってくる。だが、結局誰もロッテラーには届かず、Q2もロッテラーがトップを堅持した。一方、ここでは5台が敗退。平手、伊沢、カルダレッリ、国本、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)がQ3進出を逃している。
No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
再び10分間のインターバルを経て、いよいよ第2レースのグリッドを決定する7分間のQ3が始まったのは、午後2時47分。このセッションもコンディションはほぼ変わらず、気温、路面温度は変動していない。このセッションでも、真っ先に動いたのはロッテラー。ピット出口オープンの15秒ほど前からピットロードに出たロッテラーは、再び真っ先にコースに入る。デ・オリベイラ、中嶋一貴もこれに続いた。そこから若干の間合いを見て、他のドライバーも次々にコースへと入る。そして、Q2同様、2周かけてタイヤを温めると、やはり残り時間3分半あまりというところからタイムアタックに入った。
ここでさらに自己ベストを大きく縮めてきたのは、ロッテラー。ロッテラーは唯一1分32秒台となる1分32秒989、Q2で記録したレコードをさらに更新するタイムを叩き出し、トップに立った。続いてアタックしたデ・オリベイラは1分33秒288。これを中嶋一貴、塚越が上回ったが、やはりロッテラーには届かず。
これでロッテラーはデビューイヤーの2003年第6戦SUGO以来、シリーズ戦では実に8年3ヶ月ぶりとなる2回目のポールポジションを獲得した。レース2のグリッドで、これに続くのは、中嶋一貴、塚越、デ・オリベイラ、小暮、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)となっている。
この結果、ポイントリーダーのロッテラーは2回のポールポジションを獲得したことにより2点加算(1ポールポジション獲得で1点)され、40点までポイントを伸ばした。2位の中嶋一貴とは6ポイント差、3位のデ・オリベイラとは15点差とギャップも広げた。4位の塚越は、残念ながらロッテラーの加点でタイトル争いの権利を失った。
No.7 大嶋和也
No.32 小暮卓史
第7戦 公式予選ダイジェスト [VIDEO LIBRARY]
Q1 (Race1 Starting Grid) - TOP3
No.41 塚越広大/No.36 アンドレ・ロッテラー/No.37 中嶋一貴
Q1-Q3 (Race2 Starting Grid) - TOP3
No.37 中嶋一貴/No.36 アンドレ・ロッテラー/No.41 塚越広大