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2011 Formula NIPPON

Round7TWIN RING MOTEGI

  • 公式予選
    決  勝
  • :2011年11月5日(土)
    :2011年11月6日(日)
  • ツインリンクもてぎ:4.801 km
    決勝レース1:23 Laps [110.432 km]
    決勝レース2:34 Laps [163.247 km]

Race

パーフェクト過ぎる“有終の美”
ロッテラーが連続のポール・トゥ・ウイン!
中嶋一貴も2位となり、PETRONAS TEAM TOM'Sがまたも1-2フィニッシュ

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No.36 アンドレ・ロッテラー

11月6日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県)で2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦(最終戦)のレース2が行われた。No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が、午前に行われたレース1に続き優勝を果たし、完璧な週末を達成した。2位にはNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、3位はNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)となった。

2011-11-06 14:30-16:02 天候:雨 コース:ウェット 気温:18度 路面温度:19度

レース2は完全な雨のバトルに

 レース1から3時間半のインターバルを経て、レース2のフォーメーションラップがスタートしたのは、午後2時30分。これに先立つウォームアップ走行が始まる頃までは、ほぼ雨は止んでおり、路面もセミウェット。そのため、全車スリックタイヤを装着して走行した。しかし、全車がダミーグリッドに着いた後、霧雨が降り始め、それが少しずつ強くなり始めた。ここでチームの動きが慌しくなり、車高を上げたり、キャンバーの角度を変えたり、雨用のセットアップが施される。結局、ここからは雨が降り始める方向と読み、全車ともにスリックタイヤからレインタイヤへと交換。気温18℃、路面温度19℃というコンディションの中、フォーメーションラップスタートに出て行った。
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No.37 中嶋一貴
 そして、全車が正規グリッドに着き、いよいよスタート。ここで、第1レースに続いてホールショットを奪ったのは、ポールポジションのNo.36 アンドレア・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)。予選2番手のNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)はNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)にかわされ3番手に後退。これに、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)と続く。このオープニングラップでは、90度コーナーで、デ・オリベイラが小暮のインを刺し、ポジションをひとつ上げている。その後、2周を終えたところで、2番手を走る塚越に、ドライビングスルーペナルティが科される。これはジャンプスタートと判定されたため。塚越は、この翌周ピットロードに滑り込み、代わって中嶋一貴が2番手、オリベイラが3番手へと浮上した。

雨と霧でアクシデントが続出

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 レースが進むに連れ、天候は悪化して行く。グリッド上ではポツポツと降っていた雨が、本降りになり、見る見るコースはビショ濡れに。前のマシンがかき上げる水しぶきで、後方につけたマシンからは何も見えないという状況になった。上位陣はどのチームもここまで降るとは予想しておらず、各車のラップタイムもドロップ。車高と水の量が合っていない事から、アクアプレーニングを起こして、コースアウトするマシンもちらほらと出始めた。そんな中、9周目のヘアピンでは、5番手争いをしていたNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)とNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が接触。両者ともにマシンにダメージを追い、ピットインを余儀なくされる。だが、この接触現場にパーツの一部が落下していたため、9周目にはコースにセーフティーカーが導入された。ところが、このセーフティーカーランの隊列が整いつつあった、11周目のダウンヒルストレートで多重クラッシュが発生。セーフティーカーランということは分っていたものの、水しぶきのため前に隊列があることが分からなかったNo.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)が、No.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)に追突した後、No.62 嵯峨宏紀(Le Beausset Motorsport)のマシンにも追突。この時、嵯峨のマシンに乗り上げた国本は、さらに前方にいたNo.2 平手晃平(TEAM IMPUL)のマシンにも追突する形となり、計4台のマシンがクラッシュ。コース上には多くのパーツが散らばっただけでなく、マシンもそこここにストップしていたため、赤旗が提示された。
 その後、レースがセーフティーカー先導で12周目から再スタートしたのは、午後3時15分だが、この時はすでに土砂降りといってもいいコンディション。そのため、スタートに先立ち、チームには5分間の作業時間が与えられたため、各マシンともにより車高を上げたり、溝が深いタイヤに履き替えた。

最後に意地を見せた昨年の王者

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No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
 セーフティーカー先導は、再スタートから3周続き、14周を終えたところで実質的なレースが再開される。ここで余裕を持って、トップをキープしたのはロッテラー。中嶋一貴、デ・オリベイラ、小暮、大嶋、石浦と続く。この雨の中で、ロッテラーは1分50秒台〜49秒台のタイムを刻んで、一人旅。中嶋一貴もオリベイラを大きく上回るペースで一人旅となり、上位はすべてバラけてしまうことに。その後方では、大嶋と石浦、石浦と中嶋大祐、さらに中嶋大祐の後ろには、序盤のペナルティーでの遅れを取り戻してきた塚越が、かなり接近した。だが、やはりヘビーウェットの中では視界が悪く、ポジションの入れ替わりはない。結局、レース2の赤旗後は、塚越が何台かのマシンをオーバーテイクしてきたほか、それほど大きな動きはないまま進行していった。
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 そして、34周のレースを終え、レース1に続いて優勝を果たしたのは、ロッテラー。いずれもポール・トゥ・ウインの完勝。しかも昨日の練習走行も、予選でも全セッションを制し、新チャンピオンはパーフェクトな結果で最終戦を締めくくった。2位には、やはりレース1に続いて中嶋一貴が入賞。結局、全てのレースで表彰台を獲得した中嶋一貴は、シリーズランキング2位と同時に、ルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得している。そして、3位には昨年のチャンピオン、デ・オリベイラが入賞。塚越がレース2で8位に終わったこともあり、デ・オリベイラがシリーズランキング3位で1年を締めくくった。

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2位 No.37 中嶋一貴/舘信秀優勝チーム監督/優勝 No.36 アンドレ・ロッテラー/3位 No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

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第7戦 決勝レースダイジェスト [VIDEO LIBRARY]

記者会見

パーフェクトな週末を送ることができた。ファンタスティックだね!
Race2 優勝
No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)
今回はどの選手にとっても難しいレースだったね。コンディションも最悪だったし。僕の場合はいいポジションからスタートできるっていう大きなアドバンテージがあったぶん良かったけど。(中断の時に)雨が強くなってきたので、車高とタイヤを換えることになったんだ。雨量に合わせるようにした。アクアプレーニングは起きてなかったけれど。
 午前のレース1同様、リスクを負うこともなかったし、クルマもすばらしかった。レースも楽しむことができたよ。シーズンを通していい戦いができてパーフェクトな週末を送ることができた。本当にファンタスティックだったね!
失うものはなにもなかったのでできるだけプッシュした
Race2 2位
No.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)
アンドレ(ロッテラー)選手のようにあまりエンジョイできるレースじゃなかったですね。前にクルマがいたので視界も悪かったし、想像以上に雨の量も多く、非常に難しいレースでした。スタートで一番前に出られなかったのが、レースの展開でも一番響くことになりました。そのあとは難しいコンディションながら、失うものはなにもなかったのでできるだけプッシュしていきました。また集中力も切らすことなく、最後まで走り切れたという部分では満足しています。
 (中断時には)雨がひどくなったので、車高を上げてタイヤも新しいものに交換しました。それよりも、スタート前に路面が少し濡れている状態で、スリックにしようかウェットにしようか迷うような状況のときにスタートが切れたらおもしろい展開になったかもしれませんね。
ベストを尽くすようにしたので、今回の結果には満足している
Race2 3位
No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)
ベストを尽くすようにしたので、今回の結果には満足している」  今日はとてもトリッキーなコンディションだったし、クルマも調子もあまり良くなかった。うまく行かず、レース1では自分がミスを犯してしまい、あとからチームに誤ったんだ。そんな中で始まったレース2もスピードが足りず、前の2台についていくことは難しい状態だった。それに雨の中、誰かの後ろについて走るのがとっても恐ろしいコンディションでのレースだったんだよ。すごい雨量で、すぐにブレーキが踏めるような状態にしておかなきゃいけないくらいだった。緊張した状態が続いて大変だった。このくらいの雨になると色んな危険要因があるからね。
 でも今年は良かったり良くなかったりというレース展開が続いたんだけど、今週末もそれと同じような状態だった。良いときと悪いときがあったんだけど、その中でベストを尽くすようにしたので、今回の結果には満足してるよ。
ワン・ツーというすばらしい結果を残すことができて自分自身驚いている
Race2 優勝チーム監督
舘 信秀監督(PETRONAS TEAM TOM'S)
チームのドライバーふたりには、心からお礼を言いたいと思います。スタッフ、エンジニア、メカニックもよく仕事をやってくれたし。今シーズンはJP(デ・オリベイラ)が一度勝っただけで、あとウチがこんなに勝つだなんて意外な話で・・・。
 ただ、今までポールポジションがなかったというのがありましたが、昨日2回獲って、今日もワン・ツーが2回というすばらしい結果を残すことができて、自分自身驚いています。

シリーズランキング トップ3

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100%バックアップしてくれてたチームに感謝している
2011年ドライバーズ・チャンピオン
No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)
みなさん、ありがとうございました。最高の気分です。日本にレースをしに来たときから、フォーミュラ・ニッポンでチャンピオンを獲得するということがターゲットだったんだ。SUPER GTでは先に2回チャンピオンになっているし、今シーズンでタイトル獲得の目標が完結したことになるね。それに今年はル・マン24時間でもウィナーになれたしね。うれしいよ。
 もちろんこういうことになったのも、すべてはチームのおかげなんだ。特に今年はあちらこちらにレースで出かけることがすごく多くなって、ひとつひとつ細かなことに気をかけるのが難しい状況にあったけれど、チームのみんなが100%バックアップしてくれてフォローしてくれたことに感謝してる。その上、レースを1戦(第2戦オートポリス)を欠場するっていう決断を下すのは難しかったよ。監督の舘さんも許してくれたんだ。感謝してる。でもその代わりに彼は「OK、わかった。その代わり選手権を獲れ!」って言ったんだけどね(笑)。これは僕らの合意の上に成り立つものだけど、その約束がちゃんと守れたことがうれしいよ。
 もちろんチームのみんなもすごくがんばってくれた。レースで細かな作業を完璧にシーズン通してやってくれたし、レースがないときにはたくさんシミュレーションをしてくれたしね。ほんと今週末のレースはとってもすばらしい戦いになった。それが今シーズンのラストレースだったとしてはいい戦いだったね。本当にハッピーだよ!
チャンピオンを獲る気でやってきたので悔しい気持ちもある
ルーキー・オブ・ザ・イヤー/ランキング2位
No.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)
ルーキーですけども、そういう立場で見られないということもわかっていましたので、それなりにシーズン当初からプレッシャーはなくともそれなりに結果は出さなきゃいけないという気持ちをもって一年間通してやってきました。とはいえ、初めてのフォーミュラ・ニッポンでしたので、難しいレースも多々ありました。でもその中でしっかりと集中して結果を残していくことができたので、すごくいい年だったと思いますし、アンドレ(ロッテラー)と常にやってきたというか、どっちかというとずっと追いかけながらやってきたという感じですが、そうやって走ることで成長できたと思っています。
 アンドレも言ってましたが、今年、チームはスピードという部分だけでなく、レースに必要な部分でミスひとつなくやってくれて、クルマもシーズンを通してどんどんよくなりました。最終的には予選でポールポジションを、決勝でワン・ツーが獲れるまでになって、チーム力も上がってきているので、すべての面でいいチームだと思いますね。
 ルーキーとはいえども、ルーキーのつもりでやってきたわけではなく、チャンピオンを獲るつもりでやってきたので、やっぱり悔しい気持ちもあります。来年以降はどうなるかわかりませんが、チャンピオンシップにチャレンジして次はつかむようにがんばります。
今年はTOM'Sが良かったっていうことを認めないと
ランキング3位
No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)
シリーズ3位になるなんて、当然僕の目標ではなかったし、今年もチャンピオンになることが目標だった。だけど、今年はPETRONAS TEAM TOM'Sが僕たちよりも良かったっていうことを認めないとね。その彼らの次のポジションだったっていうことは、喜ばないとね。だけど、完全に満足が行ったわけじゃないよ、もちろん。来年は、僕らのパフォーマンスを全体的に進歩させなくちゃいけないし、もっとステップアップしないと。僕自身にもいくつかあるけど、今年の失敗からチーム全体が学んで、彼らに対してもっと戦闘力を上げて行きたい。もう一度最強のチーム作りをしなければならないっていうことには気づいているし、星野さんも同じことを思っているって分かっている。
 フォーミュラ・ニッポンを来年も続けるかどうかっていうことは、今の時点ではまだ決まっていないけど、もし来年も続けるなら、チームの中で少しずつ色々と変えていかなければならないことはあると思う。今、僕らに欠けているものが何なのかっていうのは分っているから、それを補うために、いろんなことをやらなければいけないよね。



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