Free Practice
雨の中、石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)がトップタイムに
塚越広大が0.051秒差、スポット参戦の松田次生が0.151秒差で2、3番手
No.8 石浦宏明
11月11日、富士スピードウェイで(静岡県)で“JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011”のフリー走行が実施された。この走行でトップを記録したのは、No.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)となった。
2011-11-11 □天候:雨 コース:ウェット 気温:12度 路面温度:12度
初日の11日(金)の午前11時45分からは、フォーミュラ・ニッポンのフリー走行が1時間に渡って行なわれた。
昨夜から雨が降り始めた富士スピードウェイ。11月ということもあり、肌寒いコンディション。走行が開始されたところで、気温は12℃、路面温度も12℃と、非常に冷え込んだが、コース上での走りは、熱く激しかった。
No.41 塚越広大
セッションが開始されると、まず3分の1ほどのマシンがピットアウト。コースの状況を見ながら、数周してタイムを出すと、多くのマシンがピットに戻る。先週のレース中のクラッシュで、大きなダメージを負ったNo.2 平手晃平(TEAM IMPUL)やNo.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)、No.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)のマシンも完全に修復され、まずはチェック走行をしている。
明日の予選は、ドライコンディションが予想されているため、セッション序盤にある程度走行したドライバーたちは、その後なかなか走る素振りを見せない。チャンピオンを獲得したNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)やチームメイトのNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)らは早々にコクピットを下りる。これに倣おうとするドライバーも何人もいた様子だ。
ところが、この空気をカルダレッリ、そして今回スポット参戦となったNo.18 松田次生(SGC by KCMG)が一変させる。シーズン中、テストの機会を得られなかったカルダレッリは、自分の練習も兼ねて熱心に周回。毎周のようにタイムを削り、どんどんポジションを上げてくる。松田にとって、このカルダレッリのマシンは、昨年後半、自分が乗っていた車輌。そのマシンに負けるわけにはいかないとばかり、松田も毎周のようにベストタイムを更新していった。一方、レギュラー陣では、最終戦で納得できるクルマを仕上げられなかったNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)やNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、この時間を使用してマシンをテスト。やはり好タイムを連発する。中でも、他のドライバーがまだ1分43秒台で走っている時に、塚越はいきなり1分41秒台のタイムを叩き出す。ここからコース上は、さらにヒートアップ。このターゲットタイムに近づくべく、カルダレッリと松田がさらにタイムアップし、一時2番手、3番手につける。他のレギュラー陣も、ルーキー&スポット参戦のこの2人に負けるわけにはいかない。そこで、残り時間が10分を切ってからは、さながら予選のタイムアタック合戦のような走りが繰り広げられた。
No.18 松田次生
ここでチェッカー目前にトップタイムを叩き出したのが、石浦。石浦は、そこまで塚越が出していた1分40秒416をコンマ1秒上回る、1分40秒365をマーク。塚越は2番手に留まった。松田は最後のラップ、セクター1、セクター2までトップを上回っていたが、ダンロップコーナーのブレーキングでタイムロス。それでも3番手でセッションを終えた。以下、オリベイラ、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、カルダレッリ、平手、国本、No.7 大嶋和也(Team LeMans)と続いている。
この熱い戦いが、明日はスーパーラップ予選(しかもタイムと最高速を組み合わせた富士スペシャルの予選方式だ!)という形で、皆さんの前に披露される。その注目のスタートは、午前10時15分。トップバッターは、今日場内を沸かせた松田。ラストアタッカーは2011年チャンピオンのロッテラー。これは見逃せない戦いとなるだろう。
- フリー走行 トップタイム
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No.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)
今日は、(こんな天気なので)みんな最初はチェックだけして止めようって思っていたんじゃないかと思うんですけど、最初にアンドレ(ロッテラー)とJP(デ・オリベイラ)が結構真剣に走っていたじゃないですか。それで、つい行きたくなって、行ってみたら“結構、走れるじゃん”っていう感じだったんです。SUPER GTはダウンフォース少ないので、なかなか厳しかったですけど、フォーミュラ・ニッポンはダウンフォースがあるので、そんなに危なくないなってこと。レインでテストできる機会も少ないので、空力のバランスの評価とか、そういうことをやっていました。最後は、ポジション争いになりましたけど(笑)。残り5分ぐらいで、どうせ走るならやっぱり上の方で終わりたいなと思って、真剣に走りました。みんなアピールタイムみたいになっていましたけど、ここで負けるわけにはいかない。ここで負けると、普段何やってんのって言われちゃいますから(笑)。明日はいきなり予選ですが、ドライバー勝負なので、また自分に課題を課してがんばります。
- フリー走行 2位
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No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
この間のもてぎが雨で、その時ペース的に負けていたので、「何でダメだったんだろう」というのをひとつクリアしておきたかったんですね。だから、走れる状況であれば、できるだけ走れたので良かったです。それもできましたし、答えも見つかったので良かったですね。明日、雨は多分、降らないでしょうけど、チームも僕も(エンジニアの田中)耕太郎さんも試したいこともあったので。とにかく走れるうちに走らないと。予選に関しては、本当は速さ勝負だけで行きたいと思う部分もありますけど、朝イチから全開で走れるように頑張ります。明日に向けてのことは、今日は何もやっていませんが、予選でもラップタイムは速いと思います。トップスピードはどうか分からないですけどね。
- フリー走行 3位
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No.18 松田次生(SGC by KCMG)
最後、セクター2までトップだったんですけど、ダンロップコーナーでリヤのブレーキがロックしてしまって、それがちょっともったいなかったですけど、最初から違和感なくクルマに乗れましたし、チームの状況もすごくいいんだと感じました。明日は、普通の予選じゃなくてスーパーラップなので、どこまで行けるか分からないですけど、行けるところまで行ってみたいと思います。このチームのクルマは、すごくシッカリ感がありますね。バネやダンパーとのマッチングもすごく良かったですし、トップタイムを見ても“あ、これなら近づけるかも”ってどんどん攻めていけました。最後は、ダウンフォースも少し削って、感触を確かめました。とにかく明日は行けるところまでプッシュして、せっかくの復帰戦なので、いい所を見せたいです。レギュラー陣をつぶしたいですね(笑)。まぁ、PETRONAS TEAM TOM'S(の36号車、37号車)が走っていたら、どれぐらいのタイムだったかは気になるところですけどね〜。