No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
11月13日、富士スピードウェイ(静岡県)で“JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011(富士スプリントカップ)”の決勝レースが行われ、No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が優勝し、JAFグランプリを獲得した。
No.8 石浦宏明
天候が好転した昨日以上の温かな1日となった11月13日。富士スプリントカップは、いよいよ最終日を迎えた。4万人以上の大観客が見守る中、メインイベントの1つ、フォーミュラ・ニッポンの決勝レースが行なわれ、白熱のレースが展開された。
フォーミュラ・ニッポンの決勝は、午後0時にフォーメーションラップがスタート。気温18℃、路面温度26℃というコンディションの中、16台のマシンがスタートしていく。そして、全車正規グリッドにロックオン。シグナルオールレッドからブラックアウトし、一気に1コーナーへと向けて加速して行った。ここで、いい動き出しを見せたのは、No.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。ポールのNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)もまずまずの動き出しだったが、1コーナーでは中嶋一貴とサイド・バイ・サイドに。ここでインを押さえていたデ・オリベイラは、ポジションを明け渡すまいとブレーキングを遅らせるだけ遅らせ、1コーナーでは若干ラインがワイド気味になる。これで中嶋一貴は、外に少し押し出される形になり、失速。その間隙をNo.8 石浦宏明(Team KYGNUS SUNOCO)が突いた。その後方では、エンジンが吹けないというトラブルを抱えていたNo.33 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)が大きく失速して集団に飲み込まれる。
No.37 中嶋一貴
1コーナーへと雪崩れ込んだ集団の中では、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)がスピン。また、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、No.18 松田次生(SGC by KCMG)、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)の3台がサイド・バイ・サイドの中で接触し、中嶋大祐はここでマシンを止めた。小暮と松田はフロントウィングにダメージを受け、ピットイン。修復作業を終えると、コースに戻った。
No.7 大嶋和也
トップ争いは、3〜4周目まで白熱。まだタイヤが冷えている段階だったが、石浦が果敢にデ・オリベイラに迫る。だが、5周目以降になると、デ・オリベイラがジワジワとギャップを広げ始めた。石浦と中嶋一貴の差も、同様に開いていく。だが、その後方では、熱いバトルが最後まで続いた。スタートで4番手に浮上したNo.7 大嶋和也(Team LeMans)の背後に、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が僅差で続く。中でも、伊沢とロッテラーは6周目あたりからテール・トゥ・ノーズの争いに。今季のチャンピオン、ロッテラーが1コーナーで再三、伊沢のインに飛び込もうと試みるが、伊沢もキッチリとラインを抑え、ロッテラーの追撃をかわし続けた。この間に、大嶋は逃げたいところだったが、グリップ不足からか、差を広げることができない。この争いの中で、オーバーテイクシーンを見せたのは、ロッテラー。16周目のストレートでオーバーテイクボタンを点灯させながら、伊沢のスリップに入ったロッテラーは、1コーナーでインに飛び込む。伊沢も真横に並んでこらえていたが、コカ・コーラ コーナーではロッテラーが前に出ることに成功した。ここからロッテラーは、前を行く大嶋にも追いつきたいところ。伊沢をかわしたところで、大嶋とロッテラーとの差は約1.4秒。この差が20周を終えたところでは、コンマ7秒まで縮まった。そして、残りが1周あまりとなったダンロップ コーナーのブレーキングで、ロッテラーが大嶋の真後ろまで迫り、最終コーナーでインを刺した。だが、ここで大嶋が踏ん張りを見せ、ロッテラーの鼻先を押さえると同時に、オーバーテイクボタンを活用。すでにボタンを使い果たしていたロッテラーを突き放し、ゴールまでひた走った。
No.36 アンドレ・ロッテラー&No.40 伊沢拓也
トップ3台は中盤からバラけてしまう展開となり、デ・オリベイラがそのままトップチェッカー。8月の第4戦もてぎ以来、久々の優勝で1年を締めくくった。2位には石浦。終盤、ミッションに問題を抱えてガクンとペースが下がったものの、中嶋一貴が3位を守り切った。以下、大嶋、ロッテラー、伊沢。スタートの混乱を上手く切り抜けたNo.41 塚越 広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.3 アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)となった。
2位 No.8 石浦宏明 / 優勝 No.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ / 3位 No.37 中嶋一貴