2012 Formula NIPPON
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
8月4日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5戦の公式予選が、ツインリンクもてぎ(栃木県)で行われ、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が、1年ぶりのポールポジションを獲得。2位にはわずか0.004秒差で僚友、No.20 松田次生がつけ、TEAM IMPULが決勝スターティンググリッドのフロントロー(1列目)を独占した。
No.20 松田次生 朝から夏空が広がったもてぎは、風が強く吹いた分、過ごしやすさはあった。だが、湿度は高く、気温も午前中から上昇。午後1時半に、20分間のQ1が開始された時点で、気温は31度、路面温度は42度というコンディションになった。
このセッションでは、開始直後からほとんどのマシンが午前中に使用したユーズドタイヤでコースイン。マシンの状態を確認していく。その後、一旦ピットに入ったドライバーたちは、残り時間が10分を切ったあたりから、順次ニュータイヤを装着してのタイムアタックに入った。早目のアタックに入ったのは、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)やNo.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)。だが、ロッテラーがタイムアタックに入る直前から、残るドライバーの多くがニュータイヤでコースインしたため、ロッテラーはアウトラップのマシンに次々と引っ掛かる結果になった。その状況下でも、ロッテラーは何とか1分35秒435をマーク。しかし、その後にアタックに入ったドライバーたちが、次々にこのタイムを上回って行く。その中で、まず1分34秒台に入ってきたのは、No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。その直後、一貴のタイムをコンマ3秒近く上回ってトップに立ったのは、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)だった。さらに、No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も34秒台をマーク。トップ3に滑り込んでくる。以下、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、このQ1でニュータイヤを2セット使用したNo.3 安田裕信(KONDO RACING)と続く。トラフィックに引っかかったロッテラーも、何とか11番手に留まり、Q1突破を決めた。
一方、ここでタイムが伸びずに敗退したのは、No.10 金石年弘(HP REAL RACING)、前回Q3まで進んだNo.39 国本雄資(Projectμ/cerumo・INGING)、No.11 中山友貴(HP REAL RACING)、地元チームから参戦のNo.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsport)、No.18 折目遼(SGC by KCMG)だった。
No.2 中嶋一貴
10分間のインターバルを経て、7分間のQ2が始まったのは、午後2時ちょうど。このセッションでは、開始から1分半というところから、ピットに動きが現れる。まず真っ先にニュータイヤでコースに入ったのは、ロッテラー。これにNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、塚越、デュバル、No.7 大嶋和也(Team LeMans)、山本と順に続き、間もなく全車がピットを後にした。
しかし、ここでも波乱が発生。真っ先にアタックに入ったロッテラーが“まったくグリップが感じられなかった”ということで、1コーナーで軽くコースアウト。そこから1周、ゆっくりと走って仕切り直さなければならなかった。一方、その後にアタックに向かったドライバーたちの中では、まず塚越がトップに立つ。これを上回ってきたのは、一貴。さらに、チェッカー目前にはデ・オリベイラが、Q2でのトップタイムを叩き出した。以下、4番手にロッテラー、5番手にNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)、6番手にQ1トップのデュバルと続く。これに対して、惜しくもQ3進出を逃したのは、伊沢、大嶋、小暮、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、山本だった。
さらに10分間のインターバルを経て、ポールポジションを最終決定する7分間のQ3が始まったのは、午後2時17分。このセッションでも、開始1分半というあたりから、各車が動く。ここでは、一貴が真っ先にコースイン。真後ろにロッテラー。さらに、デュバル、塚越、初のQ3進出を果たした安田、No.38 平手晃平(Projectμ/cerumo・INGING)と続き、デ・オリベイラと松田は最後にコースへと入って行った。
そして、残り時間が約2分となったところで、一貴が1分34秒600という、それまでの全体ベストタイムを叩き出してトップに立つ。続いてアタックを行ったロッテラーは、コンマ1秒あまり、一貴に及ばず、この時点での2番手となったが、PETRONAS TEAM TOM'Sの2台が速さを見せる。だが、セッションの残り時間が1分を切ったところで、デ・オリベイラがこの2人のタイムを上回る1分34秒588をマークした。さらにデ・オリベイラにはわずかに1000分の4秒届かなかったものの、松田も一気に2番手進出。TEAM IMPULが2008年第5戦鈴鹿以来のフロントロー(決勝グリッド最前列)独占を果たしている。デ・オリベイラ自身も昨年の第4戦もてぎ以来1年ぶりのポール獲得だった。
5日14時からの決勝レース(52周)では、このままTEAM IMPULのワン・ツー・フィニッシュとなるのか? あるいはPETRONAS TEAM TOM'Sが逆転を果たすのか? 目が離せない展開となってきた。
No.41 塚越広大
No.1 アンドレ・ロッテラー
No.20 松田次生 / No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ / No.2 中嶋一貴