合同テスト「レギュラー・ドライバー」コメント
2023.12.11
2日間総合リザルトはこちら
野尻智紀(TEAM MUGEN)
「共通ダンパーは、今まで使っていたものとはメーカーも違いますし、特徴もかなり違うので、正直“もうちょっとこういう減衰の出方、曲線を描いてくれたらいいな”っていうのはたくさんありますね。ただ、意外と走れたなっていうのが正直な所です。懸念としては、今の時期、ダウンフォースがすごく多いので、それによって本来持っている特徴的な部分が隠されているような、ブラインドになってしまっているんじゃないかというのがあるので、それが開幕の時にどう出るか。楽しみでもあり、不安でもありっていう感じではあります。基本的にはダウンフォースカーなので、クルマを大きく動かしてしまったら空力ロスに繋がりますし、どれだけ丁寧にハイスピードでコーナーに入っていけるかが大事になると思うので、ダンパーが変わったから馴染めないとかそういうのはほとんどないかなと思います。テストでは、4分の3ぐらいダンパーのことをやっていたと思いますね。細かな部分は今年、1年である程度やったところもありますから。そういった意味で、ダンパーをとにかく色々やってみてという感じでした。
岩佐選手はもう全然上手ですよ。僕が見ても、これはもう間違いなく手強い。すごく丁寧に走るし、F1をこの間経験して、ダウンフォースの扱いにも慣れている所があるんだろうなって感じで、すごく羨ましい(笑)。ですね」
山下健太(KONDO RACING)
「来年からダンパーが変わるので、それをメインで早い段階から使っていて、一番いい所を探るというテストでした。本当に色々なことを試していて、最終的にいいものを最後のセッションに全部入れました。実際は獲れませんでしたけど、トップを獲りたかったですし、本当に全然手が届くところにいるので、まずまずこのテストはいい感じで終えられたと思います。でも、冬のテストって大体当てにならないので。過去8年間乗ってきて、冬のテストで速い時も散々ありましたし、これがこのまま行くとは思っていないので、夏のグリップしない時でも活躍できるように、よくチームとミーティングしたいと思います」
小高一斗(KONDO RACING)
「今回のテストは、3は3、4は4みたいな感じでやっていたんですけど、僕は終始ずっと調子が悪くて。鈴鹿は1年を通して一番良かった時があったサーキットですし、自分としても多少自信がありましたし、もうちょっと走れるとは思っていたんですけど、本当に全く走れないというか、コースを1周走るのが精一杯なぐらい何をしてもあんまり上手く行きませんでした。グリップしないというより、バランスが上手く合わないっていうか、最後までいい所を見つけられずに終わってしまいました。僕は今シーズン、暖かい時が普通に走れていたと思うので、暖かくなるまで待ちます。今回は全然ダメでした。2月も寒いので、ダメかも知れません(苦笑)」
牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「無事に終わって良かったなと思います。特に僕たちDANDELIONは、これまで他のチームとはちよっと違うダンパーを使っていたので、オーリンズの共通ダンパーになって、それで動きがどうなるかっていうのは正直想像がつかなかったんですけど、いい意味で想定よりは普通に走れました。リザルトを見ても僕らはホンダ勢の中で調子がいい方だと思うので、割とポジティブなテストになったかなと思います。本来のこの時期のテストで速くても、あんまり嬉しくはないんですけど、ただ来年に関しては開幕が早いので、そういう意味でスピードがあるっていうのは、結構ポジティブかなと思います。色々なことを試して、まだ詰めていかなくちゃいけない部分はあるんですけど、いいテストにはなったかなと思います」
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「ダンパーが変わったっていうのが一番大きい影響だとは思うんですけど、それに対して色々テストができたので、すごく良かったなと思います。主にショートランのペースに関しては、正直全然トップも狙えるというか。セッション3ではクラッシュしてしまったんですけど、あの時も赤、赤で来ていたので、普通にやっていれば前に行けましたし、初日のセッション2もP3でしたし、結構余裕を持ってテストできているなっていう感じはあります。僕たち、結構ダンパーの影響を大きく受けるかなと思ったんですけど、今の所2台とも好調にやれているので、来季に向けてはすごくポジティブなテストになったかなと思います。
ダンパーを変えて、それに合わせ込むということをやっていて、そのアジャストがほぼほぼメインでした。それ以外の作業はほとんどやっていないですね。最終戦でいい結果で終われたので、そのデータを元にセットアップを進めることができたので、それは良かったかなと思います」
小林可夢偉(Kids com Team KCMG)
「僕の方は、新しいダンパーで色々な組み合わせで、どういう可能性があるだろうって探るためにやっていました。18は結構スタンダードというか、今年僕らがやってきたようなクルマの延長線上でやっているんですけど、最初からすごく調子が良さそうでしたよね。僕の方は、欲を張って色々やっていたんですけど、“いらないことをしなくても速いな”と感じつつあります。なので、散々色々やったものの、1回原点に戻ろうかなと思いました。それぐらい、色々やった中でいいものが見つからなかったっていうのが本音です。2日目の午前中の時点では、18と合わせて行っているんですけど、まだ所々違う部分もあるんですよね。18は純粋にドライバーがタイムを出しに行くっていう方向でやっているんですけど、こっちは“こういうコンセプトでこういう風にやっていこう”という形。でも、それがイマイチで、段々ハマって行っている感じ。特に高速コーナーが良くなかったですね。だから、1回原点に戻りたいなと。午後からはそれをやろうと思いました。で、午後になってベースに戻したら、ちゃんと速さが確認できました。それに1-2でしたし、ここで勉強できたことを来年に向けて活かせればなと思います。アタックを少し早めにしたのは、大体最後に赤旗が出たりとか、トラフィックが多いので。別に待つ必要はなかったからですね。アタック自体は完璧ではなかったです。デグナーとかで西日で行き切れなかったんですけど、ちゃんとタイムは出せました。最後いい形で締めくくれましたし、これから気持ち良く飛行機に乗れます」
関口雄飛(Kids com Team KCMG)
「午前中の最初から結構いい感じで走れました。フィーリングもそうですし、タイムもずっと上位の方にいられたので、すごくいいテストになりました。今年ずっとノーポイントで結構厳しくて、予選もあまり速くなかったじゃないですか。そこで“速くない”とか“セットアップができない”みたいな声も聞こえたんですけど、自分はずっと自信を持ってやっていましたし、今回のテストでちゃんとそれが証明されて、再確認できたので、スッキリしました。クルマのセットアップに関しては、時期が近いこともあって、基本的には最終戦の物をベースにしました。でも、「SFgo」でFPから全部見られると知って、雄資のオンボードを全部追って。そうしたら、走り初めがこうで、とか傾向が何となく分かるじゃないですか。そこから、チームには、セッション中に何を変えたのかっていうことを聞きました。最初から完璧なクルマはないですし、弱点がやっぱりありますよね。そこの部分をある程度事前に話して、弱点を潰していけたらなっていうのが上手くハマって、走り始めからいい感じで、気持ち良く走れました。午前中最後のアタックは、結構自分の力を出し切れたかなと思いましたね。それでも、まだ変えたいところがあったので、インターバルの間にそれをやったんですけど、それもいい方向に行きました。その後もピットインして、少しずつ変えて行ったら、毎回毎回進化していきましたし、すごくいいやり取りができたかなと思います。セッション終わりには、(他のドライバーよりも)最後の方でアタックしたいというのがあったんですけど、ニュータイヤでちょっと早く出すぎたので1回ピットに戻って待って、残り3分で出て行ったんです。そのアウトラップでプッシュして、次の周にアタックしなきゃいけなかったんですけど、タイミング悪く集団が来ちゃって。その集団は1周して来たところなので、60〜70%ぐらいの力で温めているんですけど、僕はほとんど100%ぐらいで温めなきゃいけない状態でした。それで、間を取ろうとしていたんですけど、間を取っている間にS字が終わって、あとはデグナーとスプーンしかないから急いで温めないとって行ったら、普通にロックして飛び出したっていう。その頃になると、気温、路温とかも一気に下がったみたいで…。あのミスは良くないですし、悔しかったですね。トップタイムを獲れたっていう自信しかないんですけど、それは出してから言わないといけない。でも、あの流れのまま行ければ、トップは全然余裕だったと思っています。絶対両セッションともトップタイムで終えたいっていう気持ちが強かったんですけど、狙い過ぎましたね。ただ、初日にしっかりアピールできましたし、もちろん来年もレギュラーで乗れると自分では思っています」
福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
「まずは今までとエンジンが変わって、憶えることも色々ありました。チーム自体は、可夢偉さんも優しいですし、土居(オーナー)さんも優しいですし、みんなフレンドリーですごくやりやすかったんですけど、やっぱり操作系でも気を使って、憶えないといけないこともあって、身体的な疲労も多いんですけど、1日通して脳みそが疲れました(笑)。手応えとして、午前中はちょっとイマイチ上手く行っていないかなっていうところもあったんですけど、午後は走り始めから悪くなかったなと思います。初日に関口さんが色々クルマの方を作り上げてくれたっていうのもありますし、7号車の状況も見ながら、最後はちょっとセットアップを変えて一発悪くないタイムを出せたと思います。本来であればトップで終わりたかったんですけど、悪くないテストになったんじゃないかなと思います。来年に関しては、まだ分からないです。もちろんどういう状況でもシートは欲しいですね」
三宅淳詞(ThreeBond Racing)
「今年、僕は諸事情によって、スーパーGTの方も途中で参加できなくなってしまって、最近レースしていたのが86なんですけど、鈴鹿に関してSFは1周50秒速いので、最初は目が慣れるのが大変でした。SF23も新しいスペックのタイヤも初めてだったんですけど、そんなに違和感なく慣れることができたかなと思います。ランプランに関しても、皆さんどんなメニューでやっているか分からないですけど、ダンパーが変わるというのがかなり大きいと思うので、実際ちょっといいタイムは出せていませんけど、僕たち的にはしっかりデータが取れているという面では、そんなに落ち込むこともなく、前向きに上手く進められているのかなと思います。1台体制ということもあって、間違った方向に行くと、戻ってくるのが難しくなると思います。2台だと逆方向に振ったりもできると思うんですけどね。そこら辺はエンジニアさんと話して、上手く進めていけたらいいなと思います。今回乗ってやっぱりフォーミュラカー、スーパーフォーミュラって楽しいなって思いました。やっぱり来年戻ってこられるように、乗れるように頑張りたいと思います」
笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)
「今回、はチームの皆さんがギリギリ新車を間に合わせて下さった感じだったんですけど、そんな中でもすごくマイレージを稼ぐことができて、トラブルなくキッチリ走れたので、まずそこはチームに感謝したいなと思います。手応えとしては、ものすごく充実したものがありました。今シーズン、途中から出させていただいた時は、いきなりレースとか色々ありましたけど、このオフのテストに2日間参加したのは初めてだったので、自分の中でもやりたいことをハッキリさせられたので良かったです。自分たちのポテンシャル、パフォーマンスをあげることに集中していましたが、坪井選手が来てくれたことによって、前に乗っていたクルマがどうだったかという部分も含めて、トムス全体、2台で共有できる部分がすごく増えたなという印象がありました。今回、僕の方が新車になったことで、色々とやっていることはそれぞれに違いましたけど、最終的には得られたデータというのはすごく大きくて、やっと手応えというか、ちゃんと自信を持てる内容になってきたので、来年に繋がるものでした」
坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
「SFに関しては、5年間セルモで乗っていてトムスは初めてでした。GTでは関わっていますが、SFでは初めてトムスのクルマに乗りましたし、最初は探り探りでしたね。キャラクターもやっぱり違いましたし、コンセプトや考え方も少し違うのかなという部分もありました。ただ、ある程度、想像していた通りというか。宮田選手を見てきていたので、それを見ていたまんまというか、ある程度想像通りの動き方だったなというのが第一印象です。共通ダンパーに変わったりとかもしているので、今年のままでは走れない部分もあったんですけど、走り方もセットアップも含めて2日目で色々できて、“あ、こういう風に走ればこのクルマは速く走れるんだな”と。さらにコンセプトとかクルマが変わったことで、走らせ方の幅がもう少し必要になったというか、少し走り方を変えなければならなかったので、そういう意味ではすごく引き出しが増えた2日間だったかなと思いますし、新たな視点で色々発見があって、すごく有意義な2日間でした。タイムシートの上位にいるのはすごく大事だと思いますし、加入して初めてのテストでしっかりとそういう結果を残せたというのはポジティブだと思います。ただ、まだまだテストですし、回りが何をやっているかも分からないので。それに、2日目の最後に関しては、とんでもなくコンディションが上がっていて、正直シーズン中はこんなコンディションでアタックできないと思うので、その辺をしっかり踏まえて行きたいです。ただ、コンディションが悪い時の方がそれなりに前にいたかなという風には思っているので。昨日の走行はトップでしたし、そこからコンマ6秒とか7秒とか上がっちゃっているので。そう考えると、どのコンディションでもそれなりに順応できていましたし、そういう意味ではコンディションにちゃんと合わせられるかなという風に思います。シーズン通して戦うときは、常に速くなければいけませんが、今年はそこが課題でした。そういう所をクリアできるんじゃないかなという手応えを感じたので、すごく良かったなと思います」
大湯都史樹(P.MU/CERUMO・INGING)
「まず初めてのチームというところで、エンジンも違えば、クルマの特性も違うので、そこの確認からスタートしました。エンジンに関しては、ホンダとトヨタのトルクが出るポイントが少し違うっていうのがあったんですけど、そこはトヨタさんが良くなるようにと改善して来られていたみたいで、正直悪いところが見当たらないぐらい良かったなと思います。それよりクルマの違いが大きかったと思いますね。コンセプトが全然違うので、初日はそれをベースにちょこちょこ変えながら走っていたんですけど、それだとちょっとこの時期には合わないなっていう話になって。こういう時期に合わせようっていうことで、2日目はガラッと変えて、ベースを作る日にしました。それがある程度まとまりました。最後は2セット続けてアタックしましたが、その最後の最後のアタックはちょっとタイヤが冷えてしまって、あんまり思うようなタイムを出せなかったんですけど、それまでのタイムを含めて、手応えは充分にあったので、悪くない滑り出しと言えるテストでした。気分は晴れやかです」
阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
「今シーズンの振り返りはしていなくて、来シーズンから皆さんの間でも話題の共通ダンパーになるので、それに向けた調整を今回のテストでしていました。それは、僕たちにとっては上手く行っていましたし、新たな気持ちで取り組んでいました。ちょっとチームの編成も変わったというか、携わる人もちょっと変わったりしていましたが、今年の中ではかなりいいフィーリングで終われたので、順番以上の手応えがありました。まあ、ポジション的にも、セッション中、常に上位にいましたし、その辺はかなりいい感触だったかなと思います。最後のアタック、みんなタイムが上がるところではちょっと失敗してしまったので、そこだけちょっと気がかりですけど、テストなんでそこは気にせずに。何よりも手応えとか、クルマの感触とかバランスとか、そういう所が整っているっていう方が大事なので、そういう意味では非常に良かったかなと思います。かなりいい形で終われました」
大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)
「初日のみだったんですけど、今回のテストに参加しました。最終戦で僕がクラッシュして、クルマが壊れてしまったので、そのモノコックだったり、部品だったり、そういう所がちゃんと正常に動くかっていう確認をしていました。それをしつつ、新しいダンパーのチェックも兼ねて、色々アイテムがあったのでそれをトライしながらセッションを進めていました。その時のコンディションに合わせるというよりも、それぞれの反応だったり、変えたアイテムに対して、どうクルマが動くのかっていう所をテストするという意味で、かなりメニューをこなしながらセッションを進められました。タイムももちろん追っていましたが、どちらかというとチームにフィードバックできるようにという考えで走っていましたね。山本選手がこれまで抱えていた問題というか、”こうしたいよね”という部分に対して、僕もそういうイメージというか、フィーリングがあったので、そこをどうセッティングを合わせたら改善するのかとか、そういう所を上手く調整しながらやっていました。タイム的には残らなかったですけど、2日目、3日目に向けて課題を残すこともできたと思いますし、良かったかなと思いますね」
佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)
「ダンパーが変わったりとか新しいことはあったんですけど、2日間を通して良かった部分、悪かった部分、色々ダメ出しなどもできました。最終的にタイムはちょっと伸ばし切れなかったんですけど、クルマとしてはすごくいい所を見つけることができたのかなというところで、すごくいいテストになりました。予定していたものは大方試せて、逆に予定していなかった所も色々とテストができて、良い部分、悪い部分というのがしっかり確認できましたし、開幕も似たようなコンディションになると思うので、それに向けてはすごくいいデータが採れたと思います」