コラム【ミキティの”勇気は一瞬、後悔は一生”】vol.3 気持ちが伝わる走りに感動!
2023.05.17
皆さんこんにちは、SUPER FORMULAアンバサダーの小山美姫です。
いよいよ来週、オートポリスでスーパーフォーミュラ第4戦が開催されますね!今回は鈴鹿で行われた第3戦を振り返りつつ、オートポリス戦の見どころを解説していきたいと思います。
さて、宮田選手の劇的な勝利で終えた鈴鹿戦、最後の最後までトップ争いが白熱して盛り上がりましたね。まずは予選から振り返っていこうと思います。
SF23の鈴鹿での走行は、3月に行われた合同テスト以来2回目となります。各チーム、そこでのデータを元に、開幕戦で得られた知見をプラスしてセットアップを考え持ち込んできたと思います。しかし、テストの時とはコンディションが大きく変わり、気温・路面温度ともに5-10度近く上昇した今回は、SF23の車両にどのような影響・変化を与えるのか読めない部分も多くあったと思います。実際にテストで好調だったドライバーが下位に沈んだり、その逆パターンもありましたね。これもごく僅差で争う繊細なスーパーフォーミュラではよく起こり得る事ですが、改めて難しい世界だなと感じます…。
その点今回の予選で私が驚いたのは、野尻選手の這い上がりぶり。タイムが伸びず惜しくもQ1で敗退となった野尻選手ですが、可夢偉選手の4輪脱輪によるタイム抹消の影響で、Q2への機会を得ました。そこで大幅タイムアップの全体3番手タイム。一体どのような修正を加えたらそうなるのか、知りたい…🤔
と、それは置いておいて…
長くなりそうなので、決勝は大まかに(笑) 比較的、落ち着いた展開で進んでいたレースは、野尻選手と大湯選手の接触により大きく動きました。車両回収のために導入されたセーフティーカーにより、ピットを遅らせスタートタイヤで引っ張っていた宮田選手と平川選手が絶妙なタイミングでピットへ。これにより2人はそれぞれ3、4位の位置でコースに復帰。ミニマム付近(10周目)で早めにタイヤ交換を済ませた坪井選手とローソン選手が1、2位でしたので、単純に古いタイヤの坪井選手、ローソン選手と新しいタイヤの宮田、平川選手のトップ4争いの構図に。ここからは本当に見応えのあるトップ争いでした。ラスト2周でトップに躍り出た宮田選手。絶対に抜くという気持ちが走りから伝わってきました。OTSも残りが少なく、ミスは許されない状況でしたが、最終コーナーからのアジャストは素晴らしかったです。
次戦はオートポリスになりますが、このコースは富士や鈴鹿とも特性の異なるサーキットです。どうなるか予測出来ない部分があり、新たなドライバーの台頭も十分期待できると思います。しかし、過去2大会の富士と鈴鹿の異なるタイプのサーキットで、パフォーマンスが高かったドライバーは比較的同じなので、車両セットアップ、ドライビング共に良い仕上がりである事が予想できます。これを考えると、それらの選手がトップ争いする可能性は高いと感じます。また、オートポリスはコンディションの向上が大きいサーキット。練習から予選にかけてのグリップの向上を上手く先読みしながらセットアップ、ドライビングをアジャストする事が1つのポイントかなと思います!
今週の私の注目選手は…
▶︎INGINGの阪口選手とスリーボンドの福住選手
前回の鈴鹿では予選でコースアウトがあり、タイムを出し切れなかった阪口選手ですが、決勝ではしっかり巻き返し6位入賞。パフォーマンスが戻ってきているように見えるので楽しみです!1台体制の福住選手は2戦連続ポイントを獲得していて、スピードが万全ではない中で、しぶとく粘り強く戦っている様子が伺えると思います。頑張ってほしいです!
レースウィークのオートポリスではイベントもたくさん行われます。わたしもイベント広場でキッズカートの先生をするので、カートを体験したいキッズのみなさんお待ちしてます!
イベント情報は、公式サイトのイベントスケジュール・オートポリス公式サイトでチェックしてみてください。
それではそれでは第4戦オートポリスをお楽しみに☻
written by 小山美姫
フォーミュラカーレースをメインに様々なカテゴリーで活躍する現役ドライバー。国内だけでなく、海外のカテゴリーにも参戦する国際派。22年はフォーミュラ・リージョナルジャパンでチャンピオンを獲得し、SUPER FORMULA参戦を目標に意欲的に活動中。