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コラム【ミキティの”勇気は一瞬、後悔は一生”】vol.5 SUGOのMVPは間違いなくあの選手!

2023.07.14

皆さんこんにちは、SUPER FORMULAアンバサダーの小山美姫です。

今年のスーパーフォーミュラも残すところ5戦。月日が経つのはあっという間ですね!前戦行われたSUGO大会を振り返っていきたいと思います。

圧倒的なペースで優勝を飾った宮田選手。2位に20秒以上のギャップをひらいて、独走の優勝となりました。レースごとに勢いが増している様にも見える宮田選手ですが、本人のコメントからも確かな感触と自信を掴んでいることが伺えます。SF23のスポットをいち早く見つけて、予選決勝共に安定した速さを出すあたりは、何度もシリーズタイトルを獲得してきたチームトムスの強さが垣間見えますね。

そして今回のMVPといっても過言ではない、ルーキーレーシングの大嶋選手。1台体制の難しい状況の中、見事4位という結果を獲得しました。トムスとは対照的に、3年前に参戦を開始したルーキーレーシング。過去2年は非常に苦戦していたように伺えましたが、エンジニアリング面などチーム体制が強化された今年は、開幕前のテストから速さを魅せる事が多くありました。そして今回は戦略面でも完璧なレース運びで4位に。最終周、オーバーテイクシステムを使用できない状況ながら、後ろから仕掛けてきた小林選手とリアム選手からしっかりポジションを守り、大嶋選手の意地を感じました。チェッカー後に無線で「こんなに嬉しい4位はない。」と仰ってましたが、とても伝わってきました!(笑)

また上位メンバーを見る限りでは、今までとあまり変化がないというのが正直なところでしょうか。宮田選手、リアム選手、野尻選手の3強はどのサーキットへいっても変わらない印象です。

 

次戦は今シーズン2回目の富士戦となりますが、それに先立ち、シーズン中では珍しい合同テストが先日富士で行われました。例年は開幕前の寒い時期に行われる合同テスト。空気密度の多さから起こるダウンフォース量の多さや、路面温度の低さの影響を受けるタイヤグリップの高さは、シーズンに向けてあまり参考にならないことも多かったと思われます。しかし今回はシーズン中とほぼ同じ環境下でのテストとなり、各チーム精力的に周回を重ねていた印象です。レースウィークではプラクティス1時間半の間に車を良くしていく作業が必要になりますが、時間的に大幅な車両セットの変更は難しく、路面コンディションの変化や、タイヤの使用数の制限などから、なかなか車を進化させる作業は困難です。その点では1日4時間×2日の走行時間が設けられた今回、普段できないようなセット変更、例えば変更に時間を要するジオメトリー変更(アームの取付点変更)などをテストするのに絶好の機会だったと思われます。テストのタイム結果だけでは判断できませんが、今テストと同じサーキットで行われる次戦富士大会は、勢力図の変化もあるかもしれないですね。

そして次戦からはジュリアーノ選手に変わって、笹原選手が参戦すると発表がありました。結果が全ての世界という事は戦っているドライバーが一番理解していると思いますが、シーズン途中でのドライバー変更は改めてレースの厳しさを表していると思いました。自分も身の引き締まる思いです。同じドライバーとして気持ちがわかるので、複雑な心境ですが、ジュリアーノ選手の分も、笹原選手に頑張ってもらいたいなと思いました。昨年2勝している笹原選手がチームTOM‘Sでどんな走りをするのか注目ポイントが増えましたね!

今週末は「夏祭り」をテーマに、富士スピードではレース以外にもイベントがたくさん開催されます。どれも楽しそうなので、ご来場されるみなさんは2日間一緒に楽しみましょう!
(イベントはここからチェック

 

 

written by 小山美姫
フォーミュラカーレースをメインに様々なカテゴリーで活躍する現役ドライバー。国内だけでなく、海外のカテゴリーにも参戦する国際派。22年はフォーミュラ・リージョナルジャパンでチャンピオンを獲得し、SUPER FORMULA参戦を目標に意欲的に活動中。

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