2026年 第8戦 東北大会 FP.1は野尻智紀が最速
2026.08.08
第8戦 FP.1 1位 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)

8月4日に梅雨明けし、一気に暑さが増した東北地方。梅雨明け後最初の週末となる8月8日(土)〜9日(日)には、全日本スーパーフォーミュラ選手権にとって、東北地方での唯一の開催となるシリーズ第8戦が宮城県・スポーツランドSUGOで開催される。8日(土)午後から行われる予選を前に、この日最初のセッションとなるフリー走行が行われたのは、午前9時から。全体で走行する時間帯が10時20分まで。その後、予選のAグループ、Bグループに分けて、それぞれ10分間の走行が行われたが、いずれのセッションも赤旗が提示される波乱の幕開け。その中で総合トップタイムを奪ったのは、前戦・富士でもPPを獲得している野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)だった。これに続いたのは、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)と、トップ5はホンダエンジンユーザー勢が独占。福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)がトヨタエンジン勢トップとなる6番手に滑り込んでいる。
東北のはるか東の海上に台風15号が近づいてきている影響で、湿った海風が入ってきた宮城県。仙台では、前夜遅くに雨も降った。その後、天候は回復し、土曜日は青空が顔を出したが、スポーツランドSUGOも朝から湿度が高く、汗ばむようなコンディションとなる。セッション開始時刻となる午前9時の段階で、気温は28℃、路面温度は35℃まで上昇。そこからセッションが進むに連れて、最後は路面温度が50℃近くまで上がることとなった。ストレートは向かい風。そんな中、ピットロード出口がオープンされると、まずは半分ほどのドライバーがコースへと入っていく。コースに入ったドライバーたちの中で、開始から6分という段階で、1分06秒917と早くも1分06秒台に入ってきたのは、野尻。最初からニュータイヤでコースに入った野尻は、タイヤの温まり具合を確かめながら、最初のプッシュラップを終える。この頃になると、ピットで待機していたドライバーたちもコースへ。野尻以外のドライバーたちは、セッション序盤、1分07秒台での周回となっていた。その後、セッション開始から15分というところで野尻のタイムを上回ってきたのは、坪井翔(VANTELIN TAM TOM’S)。坪井はここで1分06秒624というタイムをマークしてくる。しかし、まもなく野尻がこれを大きく上回り、1分06秒081までタイムアップ。再びトップに立った。これに続いて、1分06秒台に入ってきたのは、牧野と岩佐。牧野はここで1分06秒761、岩佐は1分06秒578をマーク。さらに、野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)が1分06秒950、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が1分06秒684とやはり1分06秒台に突入してくる。だが、セッション開始から24分という時点で、野尻が再び驚速タイムを叩き出す。野尻は各セクターで全体ベストタイムを更新すると、1分05秒784と真っ先に1分05秒台に突入。2番手以下のドライバーたちに対して大きな差をつけた。これに続いて1分06秒398と自己ベストを更新し、2番手に浮上したのは坪井だったが、それでも野尻との差はこの時点でコンマ6秒余りとなっている。その約10分後には佐藤が1分06秒179と坪井のタイムを上回ってくるが、やはりまだ1分05秒台には入らなかった。この間も、各チーム、各ドライバーは、持ち込んだ車両のセットアップをコンディションに合わせて微調整。少しずつタイムを縮めていった。
第8戦 FP.1 2位 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

その後、セッション開始から56分というところで、野尻に続き1分05秒983と、1分05秒台に入ってきたのは福住。さらに、その5分後には、太田も1分05秒995と1分05秒台に入ってくる。一旦ピットに入って、マシンを微調整した後、コースに戻った太田は、残り時間が10分ほどとなったところで、さらにタイムを縮めて1分05秒907をマーク。ここで2番手に浮上している。この頃になると、路面温度は50℃に迫っており、非常に滑りやすいコンディションに。そんな中、4コーナーでは佐藤がコースオフする場面も見られた。さらに、残り時間が4分となったところでは、赤旗が提示される。これはルーク・ブラウニング(REALIZE KONDO RACING)がSPインコーナーでコースアウトしたため。馬の背コーナーを立ち上がって、SPインコーナーに向かう際、目の前をゆっくり走っていいた車両を避けようと、アウト側に避けたブラウニングは外側の縁石を跨ぐ形となってバランスを崩し、コース外に飛び出すこととなってしまった。残り時間が短かったこともあり、全体での走行はここで終了。その後は、A、Bのグループ分けでの走行に入ることとなった。
当初の予定通り、Aグループの12台による走行が始まったのは、午前10時30分。今回、ポイントランキングをもとに、Aグループに振り分けられたのは、岩佐、笹原右京(REALIZE KONDO RACING)、牧野、山下健太(KCMG)、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree Racing)、福住、松下信治(DELiGHTWORKS RACING)、地元の注目ドライバーである小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)、大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、野村、佐藤。ピットロード出口がオープンされると、牧野はすぐにスタート練習位置につき、ここでクラッチミートを確認。それ以外のドライバーたちは、岩佐、フェネストラズ、佐藤、大湯、福住といった順で全車がまもなくユーズドタイヤでコースに入って行った。多くのドライバーはアウトラップを終えるとピットイン。ニュータイヤに履き替える。これに対して、岩佐や大湯、松下、Jujuらはもう1ラップしてからピットイン。やはりタイヤ交換を行った。そして、セッション開始から4分というところでまずは利徠斗と佐藤がコースイン。その1分後には、野村、Juju、松下もコースに入る。ところが、Jujuはピットロード出口を出てすぐ、3コーナーに差し掛かるところでコース外にマシンをストップ。左リヤタイヤがきちんと装着されていなかったためだ。これによって、セッションは赤旗によって中断される。牧野、フェネストラズ、岩佐、笹原にとっては、ちょうどコースに入ったタイミングだった。
Jujuのマシン回収が終わり、残り時間3分ということでセッションが再開されたのは、午前10時44分。コースがオープンされると牧野を先頭に、岩佐、フェネストラズ、佐藤、山下、笹原、野村、松下はまもなくコースイン。これらのドライバーたちは、アウトラップに加えてウォームアップラップを走ってからアタックに行く予定。その後、残り時間が2分となってからコースに入ったのは、大湯、福住、利徠斗。こちらはアウトラップからすぐにタイムアタックに入った。まず最初にアタックした大湯、それに続いた福住は、チェッカーが提示されてまもなくコントロールラインを切ったが、残念ながらここでの自己ベスト更新は叶わず。大湯はアタック後の1コーナーでオーバーシュートする場面もあった。続く利徠斗は1分06秒533までタイムアップ。さらに、ウォームアップラップを走ってからアタックしたドライバーたちは、次々に自己ベストをマークした。牧野が1分05秒932、岩佐が1分05秒981、フェネストラズが1分06秒101、佐藤が1分06秒148までタイムアップを果たしている。
第8戦 FP.1 3位 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

その後、12台のBグループによる10分間のセッションが始まったのは、午前10時55分から。大湯のコースオフによってコース上に砂利が出て、その清掃を終えてからのセッション開始となっている。今回、ランキングをもとにBグループに振り分けられたのは、ブラウニング、太田、小林可夢偉(KDDI TGMGP TGR-DC)、ジュリアーノ・アレジ(KCMG)、小出峻(ThreeBond Racing)、野尻、ザック・オサリバン(TEAM IMPUL)、坪井、阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、チャーリー・ブルツ(TEAM GOH)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、ロマン・スタネック(ナビクルBuzz MK RACING)。ピットロード出口がオープンされると、太田を先頭に、野尻、フラガ、アレジといった順で、ほとんどのドライバーたちがすぐにコースイン。その後、セッション開始から1分というあたりでスタネック、1分30秒というあたりで坪井がコースへと入っていった。アウトラップを終えると、何台かのマシンはすぐにピットイン。その中で太田は自分のピット前を通り過ぎ、ピットロード出口のスタート練習エリアに向かう。ここでクラッチミートを確かめようとした太田だが、エンジンストールする場面も見られた。その他、野尻や佐藤、アレジ、ブラウニングといったドライバーたちはアウトラップに加えてインラップも走ってからピットイン。ニュータイヤに交換する。セッション開始から4分というあたりでは太田もピットに戻り、タイヤ交換を行った。そして、残り時間が5分となったところで、野尻、フラガ、可夢偉がニュータイヤでコースイン。続いて坪井、ブラウニング、スタネック、ブルツ、太田といった順でコースに入る。さらに、残り時間が4分を切ったところで阪口、アレジ、オサリバンがコースに向かった。しかし、このセッションも各車がアタックに入る前、残り時間が1分30秒となったところで赤旗が提示される。これは、太田がレインボーコーナーでコースアウトしたため。太田はイン側にいたマシンを避けようとアウト側にラインを振ったところでバランスを崩してしまった。
この太田のマシン回収が終わり、残り時間3分ということでセッションが再開されたのは、午前11時15分。ピットロード出口がオープンされると、野尻、坪井、フラガ、アレジ、ブラウニング、オサリバン、可夢偉、ブルツといった順でほとんどのドライバーがすぐにコースイン。残り時間が2分となったところで、阪口が最後にコースに入っていった。この中で、アウトラップを終えてすぐにアタックラップに入ったのは、坪井、ブラウニング、可夢偉。この3人は坪井が1分06秒041、ブラウニングが1分06秒297、可夢偉が1分06秒485と、いずれも自己ベストタイムを更新してくる。ここでチェッカーが提示された。その後、同じくアウトラップからアタックら入った阪口が1分06秒056と自己ベストを更新。さらに、アウトラップ、ウォームアップを走ってからアタックに入った野尻がさらにタイムアップ。最後は1分05秒780を叩き出して、トップを譲ることなくセッションを締め括った。これに続いたのは最後のアタックをできなかった太田。同じく最後のアタックでは自己ベスト更新がならなかったフラガ。さらに、最後のアタックでタイムアップした牧野、岩佐と続く。ここまではホンダエンジンユーザー勢がずらりと並んでいる。
午後2時20分から行われるノックアウト予選では、このまま野尻が好調ぶりを維持してPPを獲得するのか。あるいは、ポイントリーダーの太田が挽回してくるのか。あるいはフラガや牧野、岩佐が野尻を下すのか。今回はQ3まで行われることもあり、非常に面白い展開となりそうだ。
