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Rd.3予選ポール・ポジションは大湯都史樹!野尻智紀の5戦連続ポールを阻む

2023.04.22

予選P.P 大湯都史樹(TGM Grand Prix)
 
終日、晴れのコンディションとなった4月22日(土)の鈴鹿サーキット。今回は、恒例の「2&4レース」ということで、2輪のJSB1000の決勝レース後、夕方になってから全日本スーパーフォーミュラ選手権のノックアウト予選が行われた。この予選で自身2度目、チーム移籍後初のPPを獲得したのは、大湯都史樹(TGM Grand Prix)。坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が2番手、野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手と続いた。野尻は、一時Q1突破も危ぶまれる位置からのジャンプアップ。連続PP記録こそ途切れたものの、明日のレースも好位置からスタートすることになる。
 
午前中に行われたフリー走行から3時間余りのインターバルを経て、10分間で争われるAグループのQ1が始まったのは、午後3時55分。朝からストレートに吹いていた強い追い風は、この時間帯になっても変わらず。すでに4時前と日は傾きかけていたが、セッションが始まった時点でも、気温は19℃、路面温度は34℃となっていた。今回、ランキング順で2つに分けられたドライバーたちのうち、Aグループに振り分けられたのは、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、山下健太(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(Kids com Team KCMG)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、大湯、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)の11台。コースがオープンされると、まずはローソンを先頭に、関口、山下、牧野、山本といった順でほとんどのマシンがユーズドタイヤを装着してすぐにコースイン。マシンの状態を確認する。一方、大湯だけは、ピットに待機。この時、大湯はフロントだけニュータイヤを装着していた。他の10台のマシンのうち、ローソン、関口、山下、牧野、阪口、ハイマンはアウトラップを終えるとピットイン。山本、宮田、国本、大嶋はメインストレートを通過して、もう1周してからピットに戻った。
ピットで待機していた大湯は、セッション開始から3分というところでコースイン。フロントタイヤだけスクラブするとピットに戻り、リヤをニュータイヤに交換している。
そして、残り時間が6分となったところからは、いよいよ各車が動き出す。ニュータイヤを装着して、最初にコースに戻ったのはハイマン。それに続いて山本も残り5分でコースへ。残り時間が4分になると、ローソン、山下、牧野、関口、宮田、阪口がコースに入っていく。さらに、残り時間が3分半となったところで国本、大嶋、そして大湯が最後にコースへと向かった。
ここからのアタックに向けては、ドライバーによってタイヤの使い方に違いが出てくる。早めにコースインしたドライバーたちは、アウトラップとウォームアップラップを走ってからアタックへ。これに対して、ギリギリでコースに入ったドライバーは、アウトラップからすぐアタックを行なっている。
最初にニュータイヤでコースに入ったハイマンは、残り時間が3分となったあたりからアタックへ。しかし、コース上ではまだタイヤをウォームアップしているドライバーたちがおり、ハイマンはそれに引っかかる形となって、タイムも1分38秒566と思うように伸ばせない。これに続いて、チェッカーと同時にアタックを終えたのが、国本。国本は、ここで1分37秒310をマーク。フリー走行のトップに近いタイムを記録してきた。しかし、続いてアタックしていた大湯が、驚速ぶりを発揮。一気に1分36秒534と、36秒台に飛び込んでくる。これに続いてアタックしていたドライバーは、誰も大湯のタイムを上回れず。宮田が1分36秒705、ローソンが1分36秒933、牧野が1分36秒954、阪口が1分37秒004、山下が1分37秒267と、ここまでがトップ6となり、Q1を突破した。これに対して、残念ながらQ2に駒を進められなかったのは、国本、山本、大嶋、関口、ハイマンとなっている。
 
5分間のインターバルを経て、同じく10分間で争われるBグループのQ1が始まったのは、午後4時10分。今回、Bグループに組み入れられたのは、野尻、小高一斗(KONDO RACING)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、福住仁嶺(ThreeBond Racing)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ジュリアーノ・アレジ(VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井、松下信治(B-Max Racing Team)、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の11台。セッションが開始されるすぐに、野尻、平川、小高、太田、佐藤、フロントだけニュータイヤを装着したアレジ、福住の順でコースイン。開始から1分というところで坪井もコースに向かう。この中で、野尻、平川、太田、アレジはアウトラップを終えるとピットイン。これに対して、小高と佐藤、福住はストレートを通過し、もう1周してからピットに戻った。一方、セッション開始後すぐにコースインせず、ピットで待機していたのは、可夢偉、松下、ブリュックバシェの3人。この3人のうち、セッション開始から3分というところで可夢偉がコースイン。この時、可夢偉はフロントにニュータイヤを装着し、スクラブを行なっていた。またほぼ同時に松下もコースへ入り、アウトラップを終えてピットに戻る。これに対して、ブリュックバシェは最初から4輪ともにニュータイヤを装着。開始から4分というところでコースに入った。
その後、セッションの残り時間が5分となったところから、野尻を先頭に、小高、佐藤、坪井、平川、太田といった順で、多くのドライバーがニュータイヤを装着してコースイン。残り時間が4分を切ると、福住、さらにアレジもコースへ。これとほぼ同じタイミングで可夢偉もピットから動き出す。しかし、ピットロード上でエンジンがストップ。可夢偉のマシンはメカニックの手によって一旦ガレージ前に押し戻され、スターターでエンジンを再始動しなければならなかった。この間、残り時間が3分を切ったところで、松下がコースイン。そして、可夢偉は残り時間がわずか2分45秒となったところでようやくコースへと入っていった。
そして、セッションの残り時間が2分となったあたりで、最初にアタックに入ったのは、ブリュックバシェ。アウトラップからすぐアタックする予定だったアレジがこれに続いた。ブリュックバシェはここで1分38秒201というタイムをマーク。さらにもう1周アタックを続行して1分38秒176と僅かにタイムを伸ばしている。
 
予選2位 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
 
ブリュックバシェに続いて、チェッカーと同時にコントロールラインを切ったのは、アレジ。アレジはここで1分36秒893と、36秒台に飛び込んでくる。これに続いてアタックしていた野尻は1分37秒444とタイムを伸ばせず。平川も1分37秒387に留まった。しかし、続く坪井は、アレジのタイムを大きく上回る1分36秒413を叩き出し、トップ浮上。この後にアタックしていたドライバーたちは、坪井のタイムを上回れなかった。その結果、BグループのQ1をトップ通過したのは坪井。これにアレジ、1分36秒940をマークした佐藤、1分36秒967をマークした小高、さらに1分37秒252をマークした可夢偉、平川と続くが、可夢偉はアタックラップのシケイン進入でリヤをロックさせると、左リヤをダートに落とし、そのまま直進してしまっていた。これが走路外走行となり、可夢偉はベストタイム抹消。代わって、野尻が6番手となり、ここまでがQ1を突破した。一方、惜しくもQ2進出ならなかったのは、福住、松下、ブリュックバシェ。可夢偉と同じく走路外走行との判定でベストラップタイム抹消となった太田、そして可夢偉がここで敗退となった。
 
予選3位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
BグループのQ1に関して、走路外走行の判定に時間を要したこともあり、PPを決定づける7分間のQ2が始まったのは、当初の予定より5分遅れの午後4時35分。セッションが始まると、フロントにニュータイヤを装着したアレジ、大湯はすぐコースイン。スクラブを終えると、ピットに戻る。
その他のドライバーは最初から4輪ニュータイヤを装着して待機。その中で、セッション開始から1分というあたりで真っ先にコースに向かったのは、牧野。開始から1分半という時点では、野尻を先頭に、ローソン、小高、坪井、佐藤、宮田、山下、阪口、平川という順でコースに入っていく。さらに、残り時間が3分半となったところでアレジ、その10秒ほど後、最後にコースに入っていったのが、大湯だった。早目に出たドライバーたちは、アウトラップに続いてウォームアップラップを走ってから、アタックに入る予定。これに対して、アウトラップを終えてすぐにアタックに向かったのがアレジと大湯。12台の中では、アレジが真っ先にアタックラップに入る。これに続いたのは、牧野。さらに大湯と続く。
チェッカー目前にコントロールラインを切ったアレジのタイムは1分37秒060。Q1の自己ベストに及ばない。続いてアタックしていた牧野は1分36秒280と、アレジを大きく上回ってきた。しかし、圧巻だったのは、3番目にアタックを行なった大湯。大湯はここで1分35秒792を叩き出し、今日初めて35秒台に突入してきた。これに続いてアタックしていた宮田、佐藤、ローソン、小高は36秒台と大湯を上回れず。続く野尻は、セクター1、セクター2で大湯のタイムを上回ってきたが、最後は1分35秒906とPPには届かなかった。続いてアタックしていた坪井は1分35秒835をマークし、野尻を上回ってくる。しかし、大湯のタイムには僅かに及ばず。その結果、大湯が自身2回目、チーム移籍後初となるPPを獲得している。2番手には坪井、3番手には野尻。以下、山下、宮田、牧野、小高、佐藤、ローソン、平川、阪口、アレジというタイム結果に。しかし、セッション後、宮田はスプーンコーナー2つ目の立ち上がりで走路外走行をしたと判定され、ベストタイム抹消。12番手にドロップしてしまう。そのため、牧野以下は1つずつポジションが繰り上がることとなった。
 
明日の決勝レースでは、この中で誰が勝利の美酒を味わうのか。スタートは言うに及ばず、序盤のバトル、タイヤ交換のストラテジーなど、見どころの多い1戦となるはずだ。
 

予選P.P 大湯都史樹(TGM Grand Prix)
「鈴鹿に入る前からチームといろいろ準備をしてきて、フリー走行の段階から色々試すことができ、いい感触も掴むことができ、予選に向けては坪井選手も野尻選手も強敵ですのでどうなるかはわかりませんでしたが、Q1、Q2通じてチームがいい準備をしてくれましたし、乗っていてとても気持ちの良い、良いラップだったなと思います。ここにこうして居られることはチームの底力があってこそですので、たいへん感謝しています」
 
予選2位 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
「朝のフリー走行から調子もよく、手応えは感じていたのですが、予選についてはタイムが急激に上がっているので、またQ1からQ2へのタイムアップが去年からの課題でもあったのですが、今回はそこが上手く調整できました。去年からホンダエンジン勢にポールを取られ続けており、そのあたりはとても悔しいです。ですがアタックラップに関しては上手く走れましたし、フロントローですので、明日に向けてはいい位置からスタートすることができるので、頑張りたいと思います」
 
予選3位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
「どこから話せばよいか(苦笑)、Q1に関しては自分の中ではそれなりに攻めてもいました。ただコントロールラインを通過した瞬間に「すみません」と無線を入れました。本当に運良くQ2に進むことができて、Q2に向けてクルマの改善もギリギリ間に合いましたし、あまり細かいことはできませんでしたが、もう少しダウンフォースをつけて欲しいという簡単なアジャストを行いました。ロングランに向けてはまだまだ不安を抱えていますのが、せっかく乗り越えましたので決勝に向けてしっかりと準備していきたいと思います」

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