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2016 SUPER FORMULA

Round7 Suzuka Circuit 15th JAF GRAND PRIX SUZUKA

  • Suzuka Circuit
  • 公式予選10月29日(土) / 決勝レース10月30日(日)
    鈴鹿サーキット : 5.807 km

Race

No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が今季2勝目
No.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が初のチャンピオンを獲得!!

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No.41 ストフェル・バンドーン

 国本雄資が優勝を果たしたレース1から約4時間。三重県鈴鹿サーキットでは、いよいよタイトル決定戦となる35周のレース2が行われた。2回セーフティーカーが導入される荒れた展開となったこのレースを制したのは、予選2番手からスタートしたNo.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。これに続いたのは、2度目のセーフティーカー明けにNo.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)をかわしたNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)。石浦は3位だった。ポイントリーダーのNo.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)は6位でフィニッシュしたが、レース1で作ったリードを守り切り、自身初の国内トップフォーミュラタイトルを獲得。シリーズ2位となったのは、最終戦でW表彰台を獲得したロッテラーだった。また、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)はレース2で8位に留まり、シリーズ3位に終わっている。

2016-10-30 天候:晴れ コース:ドライ

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No.36 アンドレ・ロッテラー

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 フォーメーションラップがスタートしたのは、午後2時45分。気温22℃、路面温度28℃というコンディションのもと、19台のマシンが1周の隊列走行へ。ゆっくりタイヤを温めたドライバーたちは、いよいよ今年を締めくくる1戦のスタートに向けて、正規グリッドに着いた。そして、シグナルオールレッドからブラックアウト。ここで抜群の動き出しと加速を見せたのが、予選2番手のバンドーン。PPの石浦も自身納得のスタートを切ったが、バンドーンの勢いが勝り、2番手で1コーナーに入って行くことになる。これに続いたのは、予選5番手スタートのロッテラー。さらに、予選6番手だったNo.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)も続く。予選3番手だった国本は、レース1とは違いスタートの加速に失敗。予選4番手のNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)にもかわされ、6番手までポジションダウンしてしまった。

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No.1 石浦宏明

 このレース2はタイヤ交換が義務付けられているが、オープニングラップを終えると早くもピットに滑り込むドライバーが出現。4番手を走行中の一貴、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE)、No.18 中山雄一(KCMG)、No.11 伊沢拓也(REAL RACING)がピットイン。4番手の一貴はタイヤ交換と給油を行ってコースに戻る。

 その翌周には、No.20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)、No.4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)がピットイン。ここで可夢偉の作業の方が早く、関口をかわすことに成功する。だが、ピットアウトした時には、一貴と山本が先行していた。さらに、3周を終えたところでは、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がピットイン。オリベイラはタイヤ交換のみの作業で、一貴の前に出ることに成功した。

 その頃、トップ争いはバンドーンと石浦のマッチレースの様相に。ロッテラーは燃費をセーブしているのか、少しずつ引き離されていく。そのロッテラーは12周を終えたところでピットイン。タイヤ交換を行った後、ほんの一瞬のスプラッシュだけでピットを後にした。コースに戻った時には、オリベイラのすぐ前。ここからロッテラーはオリベイラを抑えてポジションを守ると、一気にモードを切り替え、ハイペースで飛ばし始めた。

 その後、14周を終えたところでは、その時点で3番手を走行していた野尻と6番手を走行していたNo.65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)もピットイン。野尻はタイヤ交換と給油を行ったが、バゲットはタイヤ交換のみで、野尻の前に出ることに成功する。コースに戻った野尻は山本の後ろだったが、さらにはNo.7 ナレイン・カーティケヤンの先行も許してしまった。また、15周を終えたところでNo.10 塚越広大(REAL RACING)もピットに入った。

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 そして、いよいよ16周を終えたところで、トップを走っていたバンドーンと石浦が同時ピットイン。いずれもタイヤ交換と給油を行った。だが、ここでのポジションの入れ代わりはなく、2台ともにロッテラーの前でコースに戻る。  この後、レースが動いたのは、24周目。伊沢がスプーンコーナー2つ目の立ち上がりでスピン、クラッシュ。これをきっかけにコース上にはセーフティーカーが導入されることが決まった。これをきっかけにピットに入ったのが、国本とNo.3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)。前半ピットインせずに引っ張っていた2人は、ここでピットに入ると7番手、8番手でコースに戻った。  伊沢のマシンが回収され、レースがリスタートしたのは、26周終了時。ここではシケイン手前で上手く減速し、そこから加速したバンドーンがトップをキープ。石浦もオーバーテイクを狙ってくるロッテラーに付け入る隙を与えない。だが、その約3周後、29周目の最終コーナーで山本が単独クラッシュ。再びセーフティーカーが導入された。山本のマシン回収が終わり、次にレースがリスタートしたのは31周終了時。ここから残り4周の超スプリントバトルが展開される。

 そこで魅せたのがロッテラー。シケイン立ち上がりで石浦がオーバーステアを出したのを見逃さなかったロッテラーは、1コーナーまでに石浦に並びかけると鮮やかにオーバーテイク。2番手に浮上する。その後方では、オリベイラと塚越がサイド・バイ・サイドの戦いを見せたが、アウトから並びかけた塚越はS字の1つ目でオーバーラン、コースに戻ってきたところで、ロシターと接触。2回目のリスタートで国本をかわし、7番手に上がっていたロシターだが、突然コース外から戻ってきた塚越を避け切れなかった。

 その後、トップ争いは最後まで緊迫。2番手に上がったロッテラーがみるみるバンドーンとの差を詰めてくる。だが、バンドーンも後ろをしっかり見ており、全く動じなかった。それまでの石浦とのバトルでオーバーテイクボタンをすべて使い切っていたロッテラーに対し、1つ残していたバンドーンは、ファイナルラップではそれも使ってロッテラーから逃げ切り。第5戦・岡山のレース1に続き、自身にとってSF最後となる最終戦のレース2も制し、有終の美を飾った。2位には、来日してから毎年のようにタイトル争いを演じ続けてきたロッテラー。“さすが世界チャンピオン”と場内を唸らせるような走りで、レース1に続いて表彰台を獲得した。そして、3位には石浦。以下、オリベイラ、バゲット、国本、可夢偉までが入賞している。

 この結果、国本が計33ポイントを獲得して、自身初のタイトルを獲得。30ポイントでロッテラーがシリーズ2位、28.5ポイントで関口がシリーズ3位、27ポイントで石浦がシリーズ4位となった。

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記者会見

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村岡 潔 優勝チーム監督 / 2位 No.36 アンドレ・ロッテラー / 優勝 No.41 ストフェル・バンドーン / 3位 No.1 石浦宏明

最後のレースでいい結果を残せて最高の気分

優勝
No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

photo 今シーズン最終戦、そして僕自身最後となるスーパーフォーミュラのレースでいい結果を残すことができて最高の気分です。最後のレースをトップで終えるということは、気持ちいいですからね。シーズン中は浮き沈みが激しく、大変なときもありましが、総体的には多くのことを勉強することになり、とても良かったと思います。素晴らしいクルマ、そして経験豊富なドライバーとともにレースができて良かったです。新しい経験を積み、素晴らしいシーズンを過ごせました。来年のF1では、ここで得た多くのことを活かしていけると思います。

2回セーフティカーが入りましたが、レースではつきものだし、リスタートは緊張するものですが、僕は一番前にいたので、後ろから他のクルマが来ないように、とても注意深くミスのないようにスタートを決めようと思いました。1コーナーまでに十分なギャップを作ることが大事だと思っていたので、それが今回は成功しました。
今週末はとても満足のいくレースができた

2位
No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)

photo レースはいいものでしたが、気持ちとしては複雑ですね。ここであとひとつ勝てていたら、チャンピオンのタイトルを獲れたのに、逃してしまいましたから。シーズンを通しても、今年は思うようには行かなかったこともあり、十分な強さがなかったですね。ただ、今週末はとても満足のいくレースができました。プッシュもできたしハードな戦いもできました。力の限り戦いました。最終戦ならではのポイントシステムということもあり、差が縮まらなかったこともあるのですが、個人的には難しいなと思いました。それから、僕は最後の最後まで戦った末に、選手権で2位になるということが初めてじゃないので、なんだか笑っちゃいますね。

(2度セーフティカーランとなったが)セーフティカーが入ると他のクルマと接近するので、リスタートは(逆転できる)いい機会になるんですが、その一方でタイヤの温度も下がるし、他に気をつけないところもあります。1回目のリスタートでは逆転ができなくて、2回目はどうやら、オーバーステアになっていたようなので、それをチャンスに追い越すことができました。

それから、もしかするとこのカテゴリでのレースは今年が最後になるかもしれません。将来的にどうするのかまだはっきりはしていないのだけれど、少し考える時期に来ていると思います。そのことを考えると、今日の結果はうれしいものです。
チームチャンピオン獲得に貢献できた

3位
No. 1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)

photo スタートは1レース目よりも良く、自分として納得できるものでした。でもストフェル選手のスタートがそれ以上に完璧だったのかなと思います。僕のあのスタートなら抜かれないかなと思ったんですが、びっくりするくらい(バンドーンの)いいスタートで、抜かれてしまいました。リスタートでも、もうひとつポジションを失って、あまりいいレースにすることができませんでした。1回目のリスタートではなんの問題もなく押えることができたんですが、2度目のときは、前のストフェル選手がオーバーテイクシステムをまだ2つ持っていて、僕とアンドレ(・ロッテラー)は持ってなかったんです。普通にスタートすれば問題なかったんですが、僕がミスしたんです。立ち上がりで冷えたタイヤでトラクションをかけるときに失敗しました。

でも、今回はかなりビハインドの状態から予選でふたつポールを獲って、2戦とも表彰台に上がったのはポジティブなことだと思います。チーム全体で諦めずにやって、チームチャンピオン獲得に僕も貢献できました。去年、僕がチャンピオン獲ったあと、今年のシーズンが始まる前に、今シーズンはチームタイトルが獲れるよう、国本も速く走れるよう、みんなでやってきました。本当は、僕が(ドライバータイトルを)獲りたかったので、悔しい気持ちもありますが、チームが目指していたところが獲れたので、うれしく思っています。

シーズン最後に勝てるというのは、気持ちがいい

優勝チーム監督
村岡 潔監督(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

photo シーズン最後に勝てるというのは、やはり気持ちがいいですね。来年につながるので良かったと思います。一番さみしいのは、ストフェル(・バンドーン)がF1に行くってこと。うれしくもありますが。今年、彼は苦労したと思います。日本のチームで、日本のカルチャーの中で、色々苦労しながらやったと思います。一方で、チームはストフェルから、ワンステップもツーステップもスリーステップも勉強することができました。ヨーロッパのトップチームに、とまで言いませんが、少しでもそういうチームに近づけたかなと思うので、心からストフェルにお礼を言って、F1に送り出したいですね。

ロッテラーのコメントもありましたが、スーパーフォーミュラからスターがいなくなるのではなく、もっと日本人のドライバーからスーパースターを育てていってもらいたいですね。ストフェルやロッテラーがいないから…、と言われないように戦っていかないといけないと思っています。