2012 Formula NIPPON
No.8 ロイック・デュバル
第6戦SUGOを前日に控えた9月21日、16時30分から30分間の特別練習走行(フリー走行1回目)が行われた。この日のスポーツランドSUGOは雨模様。フォーミュラ・ニッポンの走行に先立って行われたサポートレースの練習走行では、コースアウトするクルマも見受けられた。
だが、14時頃には雨も上がり、フォーミュラ・ニッポンの走行直前の16時過ぎにはライン上の路面は乾きだしていた。そこで一部のチームはスリックタイヤでコースに。
No.2 中嶋一貴 10分経過時点でトップタイム1分16秒381を記録したのは、スリックを履いたNo.10 金石年弘(HP REAL RACING)、そして1分17秒092でNo.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)が続いた。さらにNo.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が1分16秒009を叩き出す。これをターゲットにタイムが削られていくかに思えたが、なんと大粒の雨が降り出し、あっという間に路面はすべて黒く染められる。これで、スリックを履いたマシンはピットに戻り、レインへと履き替えた。
セッションの半ば過ぎると、また雨は止む。パワーのあるフォーミュラ・ニッポンが走るだけに、走行ラインはまた乾き出す。するとほとんどのマシンがタイヤをスリックに替え、コースへ向かう。ラスト8分ほどで、No.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が1分12秒592を出すと、ここから各車のタイムは周回毎に更新されていく。ロッテラーはさらにタイムを1分10秒466まで更新。
No.15 佐藤琢磨
ここで走りが際立ったのはデュバルだ。滑るマシンを巧みに操り、セッション終了間際に1分08秒809と、この状況では狂的なタイムを叩き出した。最終周に1分09秒213まで削ったのは中嶋一貴。これにNo.7 大嶋和也(Team LeMans)が1分9秒249で続いた。
この第6戦から参戦するNo.15 佐藤琢磨(TEAM 無限)は、ラスト3分までは14番手。初めて走るスポーツランドだけに、このポジションに甘んじるかに思えた。だが、ここから驚異的なアタックを見せ、まず1分12秒156で8番手に浮上。続いて1分10秒302で5番手に。ラストアタックでは1分09秒865を叩き出して、4番手に食い込んで見せた。
結局、この練習走行でトップタイムを記録したのはNo.8 デュバル。そしてNo.2 中嶋一貴、No.7 大嶋と続き、4番手にフォーミュラ・ニッポン初参戦のNo.15 佐藤琢磨が入った。ディフェンディング・チャンピオンのNo.1 ロッテラーは6番手、現在ドライバーランキング3位のNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は7番手。同ランキング4位のNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)は最後レインタイヤで走行し14番手で走行を終えた。
この走行では路面はハーフウェット。予選が行われる22日、決勝日の23日の天気予報は晴れから曇り。雨は降らないとすれば、路面はドライとなるだろう。また、この走行はコンディションが良くないだけに、全力の走行をしなかったドライバー、チームもいただろう。本当の戦いは、明日の予選から。改めて注目してほしい。