2012 Formula NIPPON
11月3日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦(最終戦)の公式予選が、鈴鹿サーキット(三重県)で行われた。2レース制の今大会、ポールポジションを2レースそれぞれ別となる。レース1はNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)が、レース2はNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が獲得した。
No.2 中嶋一貴
前日までは晴れの予報が出されていた鈴鹿だが、土曜日の朝早くに太陽が顔を出した後は、曇りがちの寒いコンディションとなった。その状況の中、午前9時35分からは1時間のフリー走行が行われ、午後からノックアウト方式の予選が行われた。
まず18台から13台に絞り込まれると同時に、決勝のレース1のグリッドを決定する20分間のQ1が開始されたのは、午後1時30分。この時点で気温は14℃、路面温度は16℃。各コーナーで観客が見守る中、セッションが開始されるとどのドライバーも、最初は午前中に使用したユーズドタイヤでコースイン。マシンの感触を確認していく。この時点で、早くも1分39秒台に入れてきたのは、現在ランキング2位につけているNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。塚越のチームメイトであり、ここまでランキング4位につけているNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も僅差で続いた。その後、各ドライバーは一旦ピットに戻り、セッションの残り時間が6分となったあたりから、ニュータイヤを装着してコースイン。ここでも、まずは伊沢が1分39秒244とタイムを伸ばし、一気にトップに立つ。これに続いたのは、塚越。ここまでランキング5位のオリベイラは伊沢と塚越には、わずかに及ばなかった。しかし、これらタイトル争いをしているドライバーを一気に抜き去ってトップタイムを叩き出したのは、No.20 松田次生(TEAM IMPUL)。ホームコースで意地の走りを見せ、そのままレース1のポールポジションを獲得している。これに続いたのが、伊沢、塚越、No.19 ジョアオ・パオロ・オリベイラ(TEAM IMPUL)という結果になった。一方、このQ1で苦戦を強いられたのは、昨年のチャンピオンであるPETRONAS TEAM TOM'S。ここまでランキング3位につけているNo.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)は5番手に留まったが、ランキングトップで最終戦を迎えたNo.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)は、まさかの13番手。ギリギリのところでQ2進出は果たしたが、このQ1でダブルチェッカーを受けるというミスも犯しており、レース1では3グリッド降格のペナルティーを受けた。そのため、レース1では16番手からの追い上げを余儀なくされる。またこのQ1で敗退となったのは、No.39 国本雄資(Projectμ/cerumo・INGING)、No.3 安田裕信(KONDO RACING)、No.10 金石年弘(HP REAL RACING)、No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsport)、No.18 折目遼(SGC by KCMG)だった。
No.40 伊沢拓也 10分間のインターバルを経て、13台から8台に絞り込まれる7分間のQ2が始まったのは、午後2時。ここでもコンディションはほとんど変わらず、気温は14℃、路面温度は16℃。ここでは開始から間もなく、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)がコースイン。これに続いて、伊沢、塚越、松田、デ・オリベイラ、ロッテラー、No.38 平手晃平(Projectμ/cerumo・INGING)、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、一貴、No.15 佐藤琢磨(TEAM 無限)、No.7 大嶋和也(Team LeMans)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)という順でコースイン。各自、前のクルマとの間合いを計りながらタイヤを温めると、残り2分というところからアタックに入った。ここでデュバルは1分39秒217までタイムアップ。続いてアタックを行った伊沢は、デュバルのタイムにわずかに及ばず。これに対して、塚越が2人のタイムを上回る。しかし、Q1に続いて他を圧する速さを見せたのは、松田。松田はここで唯一1分38秒台のタイムを叩き出し、コースレコードを書き換えた。この松田に続いたのは塚越。さらに3番手にはオリベイラ、4番手に小暮、5番手に山本と続き、さらにデュバル、伊沢と並ぶ。そして、8番手というギリギリのところでQ2を突破したのは、ロッテラーだった。これに対して、Q2で敗退となってしまったのは、一貴、平手、琢磨、大祐、大嶋の5人。一貴はレース2も9番手からのスタートが決定し、タイトル争いでは不利な立場に立たされることになってしまった。
No.41 塚越広大
ここでトップタイムをマークしたのは、No.1 アンドレ・ロッテラー。そして2番手にNo.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)とチャンピオン経験者が並び、3番手に開幕戦鈴鹿を制したNo.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。以下、ツインリンクもてぎの地元栃木県出身のNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、チャンピオン経験者のNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、No.39 国本雄資(Project μ/cerumo・INGING)、開幕戦ポールのNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.7 大嶋和也(Team LeMans)と続く。スペシャルステージでは、このセッションで下位だったドライバーから順に1周のタイムアタックを行うことになる。
さらに10分間のインターバルを経て、レース2のポールポジションと上位8位までが決定するQ3が開始されたのは、午後2時17分。このセッションも気温14℃、路面温度16℃と、ほぼコンディション変化がない中スタートする。ここでも、セッション開始と同時にコースに入ったのは、デュバル。これに小暮、ロッテラー、デ・オリベイラ、伊沢、松田、塚越と続き、開始から約2分というところで、最後に山本がピットを後にした。
そこから2周タイヤを温め、残り2分あまりというところから各ドライバーがアタックに入る。最初にアタックしたデュバルは、1分39秒259をマーク。これを小暮が上回り、1分38秒934までタイムアップ。ロッテラーは、小暮には届かず、1分39秒092に留まった。
これに続いて、一気にタイムアップしてきたのは、デ・オリベイラ。デ・オリベイラは、Q2で松田がマークしたコースレコードを上回る1分38秒700を叩き出し、タイミングモニターの最上段に躍り出た。これに続いてコントロールラインを切った伊沢、松田、塚越、山本は、いずれもデ・オリベイラには僅かに及ばず。これでデ・オリベイラがPPを決定した。2番手には塚越、3番手には松田。以下、山本、小暮、伊沢と続き、ロッテラーは7番手からスタートすることになった。
No.32 小暮 卓史
No.1 アンドレ・ロッテラー
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
No.20 松田 次生
No.20 松田 次生/No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
第7戦 公式予選ダイジェスト [VIDEO LIBRARY]
No.40 伊沢拓也/No.20 松田 次生/No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/No.41 塚越広大