Formula NIPPON official website

Japanese Championship Formula NIPPON official website


2012 Formula NIPPON

Round7Suzuka Circuit

  • Suzuka Circuit
  • 公式予選
    決  勝
  • :2012年11月3日(土)
    :2012年11月4日(日)
  • 鈴鹿サーキット:5.807 km

Race

レース2を制した中嶋一貴が2012年チャンピオンを獲得!!
予選9位から一貴マジック炸裂! 苦渋のレース1からの大逆転
レース1を制した伊沢、そして塚越の健闘でDOCOMO TEAM DANDELION RACINGがチームタイトルを獲得

image

No.2 中嶋一貴

11月4日(日)、鈴鹿サーキット(三重県)で2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦(最終戦)の決勝日を迎えた。最終戦は2レースで、午前にレース1、午後にレース2が行われた。レース1ではNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が優勝。レース2では、No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が優勝。この結果、中嶋が参戦2年目にして、初のドライバーズ・チャンピオンに輝いた。

Race1 2012-11-04 10:20-10:58 天候:晴れ コース:ドライ 気温:17度 路面温度:23度
Race2 2012-11-04 14:30-15:22 天候:曇り コース:ドライ 気温:18度 路面温度:24度

Race1

photo

レース1は伊沢がスタートを決めて独走優勝

photo
 温かな秋晴れの1日となった日曜日。鈴鹿サーキットで行われた最終戦の決勝レースは、2レース制で行われた。
 これもあって、今大会は通常設定されている午前のフリー走行はなく、第1レースからスケジュールが始まった。レース1はピットインの義務はなく、20周を一気に走るスプリントスタイルだ。
 午前10時20分、気温17℃、路面温度23℃というコンディションの中、フォーメーションラップがスタート。ここでエンジンストールのため、コース上にストップしてしまったのは、9番グリッドのNo.15 佐藤琢磨(TEAM 無限)。その結果、琢磨は最後尾からのスタートとなってしまう。その後、1周の隊列走行を終えて、全車正規グリッドに着くと、シグナルオールレッドからブラックアウト。注目のスタートが切られた。
 ここでいい動き出しを見せたのは、2番グリッドからスタートのNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。ポールポジションのNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)は若干加速が遅れ、伊沢に先行を許してしまった。この2台に続いたのは、3番グリッドからスタートしたNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。塚越も素晴らしい動き出しを見せたが、松田にはわずかに届かず。4番グリッドからスタートしたNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)も1コーナーの入り口から2コーナーにかけて塚越のテールに迫ったが、オーバーテイクには至らず、ポジションキープとなった。No.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)も同様。ロケットスタートに定評があるロッテラーだが、今回はポジションを上げることができず、5番手キープとなった。
photo
No.20 松田次生
 トップに立った伊沢は猛プッシュ。松田との差を次第に広げて行く。伊沢は中盤までに4秒以上のマージンを稼ぐと、そのまま逃げ切り。前戦SUGOに続いて、鈴鹿でも優勝を果たした。2位には今季初表彰台獲得となった松田。以下、塚越、デ・オリベイラ、ロッテラーと、タイトル争いに絡んでいるドライバーたちが上位で続く。
 一方、16番手グリッドからのスタートとなったNo.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)は、スタートでポジションアップ。ここから前を追いたいところだったが、なかなかペースを上げることができない。結局、12位でチェッカーを受けた。その結果、第1レースはノーポイントに終わっている。また、この第1レースを終えて、ランキングトップに立ったのは塚越。同ポイントで伊沢が続く。以下、トップと2ポイント差で一貴、5ポイント差でロッテラー、5.5ポイント差でオリベイラという並びになった。

photo

photo

photo

Race2

photo
スタートコールを行う末松則子鈴鹿市長

1周目から波乱、混乱を呼んだレース2

photo
 その後、約3時間半のインターバルを経て午後2時30分、レース2がスタートする。この直前まで、鈴鹿は陽射しに包まれていたが、次第に曇りがちとなり、気温は17℃、一時24℃まで上昇した路面温度は20℃というコンディションとなった。このレース2は28周。タイヤ4輪交換義務付けがあり、最低でも1回のピットインをする必要がある。
 1周のフォーメーションラップを終えて、全車正規グリッドに着くと、シグナルオールレッドからブラックアウト。ここでトップを奪ったのは、ポールポジションのデ・オリベイラ。2番グリッドの塚越は、動き出しが良く、1コーナー手前ではデ・オリベイラとサイド・バイ・サイドとなったが、デ・オリベイラがノーズを塚越の前にねじ込み、ポジションを守っている。これに続いたのは、松田、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、一貴。ロッテラーと伊沢はスタートで大きくポジションを落とし、それぞれ9番手、10番手で1コーナーに入って行った。
photo
多くのドライバーが1周目終了時点でピット作業を行った
 その後、レースはオープニングラップから大きな動きを見せる。3番手を走っていた松田がドライブシャフトに問題を抱え、130R先で突然失速。その脇をかわして行ったドライバーたちの中で、一貴、伊沢、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.7 大嶋和也(Team LeMans)、No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsport)、No.39 国本雄資(Projectμ/cerumo・INGING)がタイヤ交換のためにピットに入った。また松田もここでピットインするが、そのままレースを終えている。
 1周目のタイヤ交換組では、伊沢のピット作業が非常に早く、ここで一貴をかわすかと思われたが、一貴は伊沢の鼻先をかすめる形でピットアウト。ここでのポジション入れ代わりはなかった。この翌周には、一貴のチームメイト、ロッテラーも2周目にピットイン。しかし、コースに戻った時は、一貴と伊沢に先行を許している。また4周目に入ると、5番手を走行していた山本が、ミッショントラブルからスローダウン。ここでレースを終えた。
 オープニングラップを終えてタイヤ交換を行った一貴は、序盤から圧巻の走りを展開。1分43秒台のタイムを連発して、まだピットに入っていないデ・オリベイラや塚越との差を削り取って行くが、この頃、トップのデ・オリベイラは自らのクルマにバイブレーションを感じながら走行していた。そのオリベイラは8周を終えたところでピットイン。タイヤ交換を行って一貴の前でコースに戻った。しかし、その翌周、再度デ・オリベイラはピットイン。チームは再びタイヤ交換だけを行ってコースに戻したが、マシンの異変は収まらない。13周を終えて、デ・オリベイラが3度目のピットに入った時には、リヤウィングのフラップが飛んでおり、結局リタイヤを余儀なくされた。その結果、デ・オリベイラはタイトル獲得の可能性も失った。

終盤、トップの一貴をデュバルが追い詰める

photo
2位を争うNo.41 塚越広大とNo.8 ロイック・デュバル
  一方、その後も上位陣の動きは続き、11周を終えたところでデュバルがピットイン。チームは素早い作業を見せ、デュバルは塚越と伊沢の間でコースに戻る。さらに、タイヤ交換した後のタイムが他を大きく上回っており、塚越との差もジワジワと詰め始めた。塚越は、1分44秒台のラップタイムが続いており、ペースが上がらない。そして、18周目のシケイン。デュバルはワンチャンスをものにして、塚越の前に出ることに成功する。塚越も1コーナーまでにオーバーテイクボタンを使用して、再逆転を狙ったが、わずかに及ばず。ポジションを3番手に落とすことになった。
 さて、デュバルがピット作業を行った段階で、トップに立っていたのは、小暮。小暮は、一貴以上のハイペースで飛ばしており、タイムギャップは34秒以上。タイヤ交換だけなら、30秒ほどのギャップがあれば一貴の前に出ることができるということで、場内も小暮の今季初優勝に期待した。しかし、15周を終えて小暮がピットに入ると、そこには給油ホースも用意されていた。唯一、小暮はタイヤ交換と給油を行う作戦だったのだ。そのため、作業には14秒6という時間が掛かり、小暮は一貴のみならず塚越、デュバルの先行を許すことになる。
photo
No.2 中嶋一貴
 そして、21周を終えたところで、最後までピットを延ばしたNo.38 平手晃平(Projectμ/cerumo・INGING)がピットインを行うと、いよいよ一貴はトップとなる。その後も、最後まで1分43秒台から44秒台前半のタイムをマークして最後まで走り切った一貴は、後方から迫ってくるデュバルを振り切って、開幕戦以来となる今季2勝目をマーク。デュバルが2位、塚越が3位となった。伊沢は6位。最終ラップ手前の130Rで大嶋のオーバーテイクを許したロッテラーは8位という結果に終わった。
 この結果、第1レースではノーポイントだった一貴が、第2レースで一挙に8ポイントを獲得して、塚越、伊沢を逆転。フル参戦2年目にして、フォーミュラ・ニッポンのチャンピオンタイトルを獲得した。一方、塚越、伊沢の両名が、2レースともにポイントを獲得したことで、チームタイトルはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGが獲得。チームがタイトルを獲得するのは、意外にも設立以来の初(ドライバーズは2004年に獲得)。初の栄冠に表彰台では、村岡潔代表の目からは涙が溢れていた。

photo

photo

photo
2位 No.8 ロイック・デュバル/舘信秀優勝チーム監督/優勝 No.2 中嶋一貴/3位 No.41 塚越広大

photo
第7戦 決勝レースダイジェスト [VIDEO LIBRARY]

記者会見

後まで気持ちよくプッシュできました
Race2 優勝
No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)
 自分のポジションからして(ピットへは)1周目に入らなければいけないんだと決めていたんですが、(チームメイトの)アンドレ(ロッテラー)も似たようなポジションにいたので、ふたりのうちどちらか前にいたほうが先にピットに入るよ、という話にしていました。それも周りのクルマを見てという状況だったので、判断は非常に難しかったのですが、幸い僕の前に誰も入らずいけました。いいスタート、1周目のピットイン、そこからのペースがキーになったかなと思います。そこからのペースは『今までそんなのどこにあったの』っていうくらい、今週末ここまで一切見られなかった非常にいいペースで走ることができました。ホントに気持ちよく走れましたし、28周があっという間に感じるほど最後まで気持ちよくプッシュできました。
 チームとしては今日の朝まで非常にキツい流れで、僕もエンジニアもかなりがっくりきてたんです。レース2のスタート前は、諦めに近い心境もありました。もう9位からできることをやるしかない、ということで変な緊張もなかったです。僕がどんだけ1周目に(ピットに)入ってペースが良くても、前にポイントリードしている選手が2、3人いる状況だったので、チャンピオンのことを考えるシチュエーションではなかったと思います。チャンピオンを獲ることより、このレースで自分ができることをしっかりやること、そしてクルマも最後までいろいろ調整して臨んだので、それがいい方向にいくことだけを信じてやるだけでした。なので、タイトルどうこうというプレッシャーは一切なかったです。その中で最後まで諦めず、クルマのセットアップもすべてやって、結果的にはそれがうまくハマったのかなと思います。こういう結果でチームに恩返しができて今はちょっとホッとしていますね。フタを開けてみれば、逆で自分のペースも良く、アウトラップから(後続を)離していくことができたし、もう行くしかなかったので、自分の力を自然に出し切ることができるシチュエーションでもありました。展開に恵まれた部分もありましたね。
チームがクルマの進歩に取り組んでくれたからこその結果が出せた
Race2 2位
No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)
 今週末は2レースとも本当にいいスタートを切ることができたんだ。レース2ではスタート直後から小暮選手と競ったので、とてもコンサバティブな感じで1コーナーには向かったけれど、それまでに数台抜いていたし、それ以上リスクを負うこともなかったね。序盤はダウンフォースがキツくて前のクルマを追いかけるのがキビしい状態だった。ちょっとはまった感じだったね。
 でも11周を終えてピットインしたあとはクリアラップも取れて、さらにプッシュできるようになった。それで塚越選手を逆転できたんだ。その時点では何番手を走っているのかよくわからなかったけれど、前に一貴(中嶋)が走っていることがわかってから、できる限り追いかけたよ。
 今回のレースは、今シーズン、チームがずっと努力を続けてクルマの進歩に取り組んでくれたからこその結果が出せてとてもうれしく思うね。そりゃ優勝できればさらに良かったけれど、(SUPER GTでコンビを組む)一貴がチャンピオンタイトルを獲得できて、うれしいよ。この場を借りておめでとうを言うよ。
全力は尽くしたが、それが結果に結びつかなかった
Race2 3位
No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
ベストを尽くすようにしたので、今回の結果には満足している」  スタートして2番手のままレースを走っていったんですが、ペースを上げることができなくて、JP(デ・オリベイラ)からも置いてかれる状況で…。必死に運転していたんですが、ピット入って、アウトしたときに(中嶋)一貴さんが横、というか目の前に行っちゃったので『これはヤバい!』 という感じでした。そこからもプッシュはしましたが、やはり力及ばず、ロイックにも抜かれてしまいましたし、全力は尽くしましたが、それが結果に結びつかなかったという悔しいレースでした。
(レース1を終えてチームメイトの伊沢と同ポイントトップに立ち)逆に接戦になったので、自分ではとりあえず前でゴールすればいいんだ、とあまり気にせず結構シンプルな感じでした。だからあまり緊張もしなかったし、とりあえず勝ちたいなと思って必死でスタートして、がんばりました。
レースというのはやっぱり脚本がないので、つくづく面白いと感じた
Race2 優勝チーム監督
舘 信秀監督(PETRONAS TEAM TOM'S)
 一貴は諦めないで良かった、とコメントしてましたが、僕はレース1を終えた時点で正直諦めていました。でも諦めた結果がこういう結果に終わり、感動しました。レースというのはやっぱり脚本がないので、つくづくおもしろいと感じた一日でした。

2012年シリーズチャンピオン記者会見

photo

チームのみんなに感謝したい
2012年ドライバーズ・チャンピオン
No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)
 勝てばチャンピオンだというのはグリッド上で放送が聞こえていたのでなんとなくわかっていたのですが『ふーん、そうかぁ』という感じだけで(笑)。ただ、レースが進むにつれ、自分がピットに入り、塚越のぺースが良くないと聞いて、2番になるチャンスがあるのかなと思っていました。そしたらJP(デ・オリベイラ)のトラブルがあって、トップに立って…という展開になり、そこからは自分がこのままチェッカーを受ければ自分がチャンピオンだということはわかっていました。そういう意味では20何周、短いような長いような。とにかくクルマが良かったのであっという間に過ぎていきました。
 いつも勝って1周戻ってくると気持ちが冷めるというところがあるのですが、さすがに一年通して(チャンピオン獲得を)目標にしてやってきたし、開幕戦からコツコツと積み上げてきた結果なのでホントに言葉には表せないし、展開も自分でも信じられないようなものだったので、気持ちが冷めることはありませんでした。見てもらったとおりのままでした。喜びは大きかったですね。
 開幕戦の鈴鹿からダンデライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の2台とやりあってきたようなシーズンだったのかなと思います。今回も、予選でもレース1でも向こうが速かったので、ホントに厳しいシーズンでした。僕自身、昨シーズンランキング2位で終わったので、今年は自分がチャンピオンを獲るんだ、というふうに決めてというか、自分ではあまり言わないほうなんです。言わずにリラックスしてレースに挑むのが自分のやり方として今までやってきたんです。今年のフォーミュラ・ニッポンに関しては、有言実行でやっていこうと1年やってきました。でも最後(レース2の前)は気持ちが折れそうになりましたね(苦笑)。最終的に言ったことをしっかり達成できて良かったですし、チームとしてのアドバンテージもそれほどない中で、いろいろと試行錯誤して最後の最後までグリッド上までやったことが活かされたと思いますね。チームのみんなに感謝したいです。
 親子(父は中嶋悟氏)で全日本チャンピオンになったのが初ということですが、親子で獲れたのはすばらしいことだと思いますが、自分自身のこととして全日本のタイトルを獲ることにずっとチャレンジしてきてそれができていなかったので、今回達成できてほんとに良かったと思います。フォーミュラ・ニッポンでのチャンピオンが獲れて良かったとも思います。コツコツとこれからもやっていきたいと思います。

photo

経験のない若いふたりのドライバーがよくがんばってくれた
チーム・チャンピオン
村岡 潔監督(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 経験のない若いふたりのドライバーが、よくがんばってくれたと思います。チームはドライバーのために、ドライバーはチームのためにっていう一年だったと思います。やはり(中嶋)一貴君がチャンピオンを獲ったのは、圧倒的な速さがあったと思うし、勝つことへの執着が我々のチームのふたりよりも大きかったからだと思います。
 ウチのふたりは経験が少なく、いい子だったのでチームタイトルをくれたんだと思います。最悪でもチームタイトルだけは獲りたいと言ってくれて、最後はどこかでチームのためにという思って走るところがあったのかもしれません。まぁ、それがチームタイトル獲得に繋がったわけですが、表彰式でチームタイトルを表彰しながらも、見たこともないようなすごくガッカリとしたふたりの姿を見たので、来季に向けてふたりは一貴君のようにしぶとい走りができるようになるのかな、と。
 我々のチームは弱小チームから少しずつ積み上げてきてるので、来年また少しステップアップして、ドライバーもさらに強くなれると思います。これからHondaさんともより強くパートナーシップをもって、トヨタさんに戦っていけるようなチームになると期待しています。

photo

photo


BACK PAGE TOP

Copyright © 2012 Japan Race Promotion Inc. All rights reserved.
本サイトで使用している文章・画像等の無断での複製・転載を禁止します。