No.40 伊沢拓也
11月18日、富士スピードウェイ(静岡県)で「JAFグランプリ SUPER GT & Formula NIPPON “富士スプリントカップ2012”」の決勝レースが行われ、No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が優勝し、初めてJAFグランプリを獲得した。
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
17日の予選は土砂降りとなったが、そこから一転、朝から好天に恵まれた11月18日(日)の決勝日。前夜からの泊まり組も含め、4万1千300人の観客がスタンドを埋める中、富士スプリントカップのメインイベントのひとつ、フォーミュラ・ニッポンの決勝レースが行われた。
午前12時、気温15℃、路面温度22℃というコンディションの中でフォーメーションラップがスタート。1周の隊列走行を終えて、全車が正規グリッドに着くと、シグナルオールレッドからブラックアウト。ここで抜群の動きを見せたのは、路面にウェットパッチが残るイン側スタートのNo.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)とNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だった。
前回の富士のレースでも、スタートで出遅れてしまったポールポジションのNo.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は、ロッテラーの先行を許す。さらに1コーナーではチームメイトの伊沢と交錯。左フロント部分を伊沢に接触した影響でサスペンションのトーロッドが曲がってしまい、スローダウンを余儀なくされた。オープニングラップの100Rからヘアピンにかけて、その塚越を両側からかわして行ったのは、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)とNo.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)。さらにNo.39 国本雄資(Project μ/ceromo・INGING)、No.20 松田次生(TEAM IMPUL)ら、後続車両が次々にスローダウンした塚越をかわしていった。塚越は、1周を終えたところでピットイン。タイヤ交換を行ってコースに戻ったが、そのままでは走れず。再度ピットインして、トーロッドの修理を行ってからコースに戻ったが、最下位に終わっている。
No.8 ロイック・デュバル 一方、予選でコースアウトしたため、17番手と最後列からのスタートになったNo.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)は、オープニングラップだけで一気に6ポジションアップ。2周目の1コーナーではNo.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)、3周目の1コーナーではNo.15 佐藤琢磨(TEAM 無限)をオーバーテイクするなど、みるみる順位を上げてきた。
トップ集団は、序盤こそ伊沢がロッテラーに迫ったが、次第にロッテラーが逃げる展開に。特に、レース中盤からは1周あたり1秒ずつ、ロッテラーがギャップを築き、最後は独走状態となってトップチェッカーを受けた。
その後方では、伊沢を先頭とした2番手争いが最初から最後まで続く。だが、伊沢はセクター2の高速区間で追ってくるデ・オリベイラを突き放し、セクター3で付け入る隙を与えなかった。またデ・オリベイラを追っていたデュバルは、セクター3での挙動が決まっておらず、やはりストレートでデ・オリベイラのスリップに入ることができない。その膠着状態のまま残り周回は少なくなって行き、最後までポジションの入れ代わりはなかった。
5番手争いも、やはり序盤から国本と松田が僅差のバトルを繰り広げたが、松田は国本を攻略することができなかった。以下、No.38 平手晃平(Project μ/ceromo・INGING)、一貴、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)という結果になった。
しかし、決勝終了後の再車検で、ロッテラーのマシンはスキッドブロックの規定値不足により、失格に。その結果、2位以下が繰り上がり、伊沢が優勝。自身にとって初のJAFグランプリを手にすることになった。デ・オリベイラ、デュバルが2位、3位となっている。
No.20 松田次生
No.39 国本雄資
優勝チーム 村岡潔監督/ 2位 No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ / 優勝 No.40 伊沢拓也 / 3位 No.8 ロイック・デュバル