富士での開幕戦から約1ヶ月半のインターバルを経て、いよいよ今週末、新生・鈴鹿サーキットで開催される全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦。その予選を前に、5月16日(土)、午前9時25分から1時間の練習走行が行なわれた。前半がセミウェット、後半が完全なウェットとなったこのセッションで、トップタイムをマークしたのはNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)。No.32 小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)、No.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)、開幕戦の覇者No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)がそれに続いた。
セッションが開始された時点で、気温は17度、路面温度は18度と肌寒いコンディション。未明から降った雨が一時はおさまっていたため、路面はセミウェットだったが、再び天候は崩れる方向と予想されていた。しかし、開幕前にテストがなかったため、どのドライバーもまずはスリックタイヤでマシンの感触を試しておきたいところ。そのため、ピット出口がオープンされると多くのドライバーはスリックでコースイン。1周してマシンのチェックをすると、最初のタイムアタックに入った。ここでまず真っ先にアタックに入り、1分49秒335というトップタイムをマークしたのはロッテラー。
その後、セッション開始から15分という時点で、トレルイエがこのタイムを書き換えてくる。ちょうどこの頃から、路面の状態は最もドライ寄りとなり、最初のアタックで1分46秒212と、一気にタイムを縮めたのは、No.31 ロイック・デュバル(PIAA NAKAJIMA)だった。これが他のドライバーにとってもターゲットタイムとなり、ほとんどのドライバーが自己ベストを更新。そして、ここでデュバルのタイムを上回ってきたのは、やはりIMPUL勢だった。松田次生(LAWSON IMPUL)が1分45秒727、さらにはトレルイエが1分45秒453と次々にトップタイムをマークするとピットイン。さらに、このタイミングでアタックに入っていたデュバルのチームメイト、小暮も大幅タイムアップ。1分44秒156をマークして、トップに立った。この小暮のタイムをさらに上回ってきたのがロッテラー。ロッテラーはここで1分43秒661を叩き出している。
しかし、この直後からコース全域で雨脚が強まり、スリックでは走行不能な状況に。そのため、ちょうどセッションを折り返したあたりで、一時は全車がピットに戻った。まだレインタイヤで走行するにも雨の量が少なすぎる状況だったためだ。この後も、雨は降り続き、残り時間が20分というあたりからは、各ドライバーとも積極的にレインタイヤでの走行を行なう。その中、トレルイエはコースアウトを喫し、周囲をドキリとさせた。
そして、セッション終了間際に、デュバルがウェットコンディションの中ではトップタイムとなる1分58秒254をマーク。ウェットでは小暮が1分59秒165、松田が1分59秒227、ロッテラーが1分59秒805、トレルイエが1分59秒840というタイムをマークして上位に並んでいる。午後も雨は降り続くと予想されているが、ウェットではアタックのタイミングひとつで大きくポジションが入れ代わる。そんな予選でポールポジションを獲得するのは誰なのか。期待が高まってきた。
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