No.2 ブノワ・トレルイエ
4月5日、2009全日本選手権フォーミュラ・ニッポン開幕戦の決勝レースが富士スピードウェイ(静岡県)で行われた。2006年のチャンピオン、No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)が2年ぶりの優勝を飾った。参戦2年目のNo.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)が2位、No.20 平手晃平(ahead IMPUL)が3位に入賞した。
No.41 伊沢 拓也
フォーメーションラップがスタートしたのは、午後2時30分。気温11℃/路面温度19℃というコンディションの中、13台のマシンがタイヤを温めながら1周の隊列走行を行なう。そして、全車が正式グリッドに付くと、いよいよスタートが切られた。このスタートでホールショットを決めたのは、予選2番手の伊沢。予選3番手のトレルイエがそれに続く。一方、ポールポジションの平手は加速に失敗。後方集団に飲み込まれた。予選7番手のNo.8 石浦宏明(Team LeMans)は完全にエンジンストール。また、トレルイエのすぐ後方では、アクシデントが発生。予選5番手からスタートしたNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)がブレーキをロックさせ、白煙を上げながら、前方でコーナリングに入っていたチームメイトのNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)に接触。小暮はスピンしながら1コーナーでコースアウトし、大きく遅れることになる。
No.20 平手 晃平
1周目を終え、伊沢、トレルイエ、デュバル、No.1 松田次生(LAWSON IMPUL)、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、平手の順。ここからはトップの伊沢が2番手との差を広げる。一方、2番手争いは白熱。デュバルがたびたびオーバーテイクボタンを使用しながら、トレルイエの背後に迫る。オーバーテイクボタンを押したことを示すランプが輝くたび、観客も沸く。だが、トレルイエは動じることなく、ポジションをキープ。その後方では、松田とロッテラーの4番手争いも激化。15周を終えた時点でその差はコンマ7秒。16周を終えたところではテール・トゥ・ノーズに。そして、ストレートの途中からロッテラーがオーバーテイクボタンをスイッチオン。1コーナーのブレーキングで松田のインに飛び込む。しかし、松田もタイトなラインでコーナーに入り、ロッテラーは縁石のイン側まで追い詰められ、立ち上がりのラインがはらみ気味になり、松田と接触。松田のマシンは半分ほど宙に浮いた後、スピンして1コーナーのイン側にストップ。このまま、コースへの復帰はならなかった。一方、4番手に上がったロッテラーは、ここから猛プッシュ。ベストラップを叩き出しながら、3番手のデュバルとの間にあった4秒あまりの差をみるみる詰め、22周を終えた時点でコンマ8秒差に迫った。ところが、ロッテラーは接触行為による15秒ペナルティーとなり、上位から脱落した。
この頃から、義務付けられているタイヤ交換と給油のため、ピットに入るマシンが現れる。トップ集団では、デュバルが24周を終えたところでピットイン。一旦、後方に沈んだものの6番手までリカバーした小暮も、27周を終えてピットに。だが、マシンを止めた位置が悪く、給油装置がなかなか刺さらず、大きくタイムロス。再び後退してしまった。さらに32周を終えて、2番手のトレルイエがピットイン。それを見て、トップの伊沢も翌周ピットインする。だが、ピットアウトしたところで伊沢はブレーキをロックさせ、1コーナーでオーバラン。それを挽回もあり、1周して戻ってきたストレートではオーバーテイクボタンを使って、後方に迫ったトレルイエとの差をキープしようとする。だが、35周目の1コーナーへのブレーキングでトレルイエが伊沢のインをさし、事実上のトップに浮上した。その後、暫定トップを走っていた平手が、36周を終えたところでピットイン。伊沢の前でコースに戻る。その周のダンロップコーナーで伊沢が平手を攻略。2番手に浮上。その後、終盤まで伊沢、平手、デュバルの2番手争いは白熱したが、結局そのままゴール。一方、トップに立ったトレルイエは、その後2番手以降との差を広げて行き、最後はマシンを労わりながらのトップチェッカー。2007年開幕戦以来、2年ぶりの優勝で、喜びを爆発させた。
2位 No.41伊沢 拓也/優勝 No.2 ブノワ・トレルイエ・星野監督 /3位 No.20 平手 晃平