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Rd.1 FUJI

  • 公式予選:2009年4月4日(土)
    決  勝:2009年4月5日(日)
  • 富士スピードウェイ:4,563km
    決勝レース:4,563km×55Laps = 250.965km

Race

トレルイエ(LAWSON IMPUL)が2年ぶり、歓喜の優勝
伊沢、平手の2年生コンビが“悔しい…”2位、3位を獲得

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No.2 ブノワ・トレルイエ


2009-04-05 □天気:曇り コース:ドライ|開始:温度11度/路面温度19度

 4月5日、2009全日本選手権フォーミュラ・ニッポン開幕戦の決勝レースが富士スピードウェイ(静岡県)で行われた。2006年のチャンピオン、No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)が2年ぶりの優勝を飾った。参戦2年目のNo.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)が2位、No.20 平手晃平(ahead IMPUL)が3位に入賞した。

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No.41 伊沢 拓也

 フォーメーションラップがスタートしたのは、午後2時30分。気温11℃/路面温度19℃というコンディションの中、13台のマシンがタイヤを温めながら1周の隊列走行を行なう。そして、全車が正式グリッドに付くと、いよいよスタートが切られた。このスタートでホールショットを決めたのは、予選2番手の伊沢。予選3番手のトレルイエがそれに続く。一方、ポールポジションの平手は加速に失敗。後方集団に飲み込まれた。予選7番手のNo.8 石浦宏明(Team LeMans)は完全にエンジンストール。また、トレルイエのすぐ後方では、アクシデントが発生。予選5番手からスタートしたNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)がブレーキをロックさせ、白煙を上げながら、前方でコーナリングに入っていたチームメイトのNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)に接触。小暮はスピンしながら1コーナーでコースアウトし、大きく遅れることになる。

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No.20 平手 晃平

 1周目を終え、伊沢、トレルイエ、デュバル、No.1 松田次生(LAWSON IMPUL)、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)、平手の順。ここからはトップの伊沢が2番手との差を広げる。一方、2番手争いは白熱。デュバルがたびたびオーバーテイクボタンを使用しながら、トレルイエの背後に迫る。オーバーテイクボタンを押したことを示すランプが輝くたび、観客も沸く。だが、トレルイエは動じることなく、ポジションをキープ。その後方では、松田とロッテラーの4番手争いも激化。15周を終えた時点でその差はコンマ7秒。16周を終えたところではテール・トゥ・ノーズに。そして、ストレートの途中からロッテラーがオーバーテイクボタンをスイッチオン。1コーナーのブレーキングで松田のインに飛び込む。しかし、松田もタイトなラインでコーナーに入り、ロッテラーは縁石のイン側まで追い詰められ、立ち上がりのラインがはらみ気味になり、松田と接触。松田のマシンは半分ほど宙に浮いた後、スピンして1コーナーのイン側にストップ。このまま、コースへの復帰はならなかった。一方、4番手に上がったロッテラーは、ここから猛プッシュ。ベストラップを叩き出しながら、3番手のデュバルとの間にあった4秒あまりの差をみるみる詰め、22周を終えた時点でコンマ8秒差に迫った。ところが、ロッテラーは接触行為による15秒ペナルティーとなり、上位から脱落した。

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 この頃から、義務付けられているタイヤ交換と給油のため、ピットに入るマシンが現れる。トップ集団では、デュバルが24周を終えたところでピットイン。一旦、後方に沈んだものの6番手までリカバーした小暮も、27周を終えてピットに。だが、マシンを止めた位置が悪く、給油装置がなかなか刺さらず、大きくタイムロス。再び後退してしまった。さらに32周を終えて、2番手のトレルイエがピットイン。それを見て、トップの伊沢も翌周ピットインする。だが、ピットアウトしたところで伊沢はブレーキをロックさせ、1コーナーでオーバラン。それを挽回もあり、1周して戻ってきたストレートではオーバーテイクボタンを使って、後方に迫ったトレルイエとの差をキープしようとする。だが、35周目の1コーナーへのブレーキングでトレルイエが伊沢のインをさし、事実上のトップに浮上した。その後、暫定トップを走っていた平手が、36周を終えたところでピットイン。伊沢の前でコースに戻る。その周のダンロップコーナーで伊沢が平手を攻略。2番手に浮上。その後、終盤まで伊沢、平手、デュバルの2番手争いは白熱したが、結局そのままゴール。一方、トップに立ったトレルイエは、その後2番手以降との差を広げて行き、最後はマシンを労わりながらのトップチェッカー。2007年開幕戦以来、2年ぶりの優勝で、喜びを爆発させた。

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2位 No.41伊沢 拓也/優勝 No.2 ブノワ・トレルイエ・星野監督 /3位 No.20 平手 晃平

正直言って表彰台で泣きそうになった
優勝 ブノワ・トレルイエ(No.2 LAWSON TEAM IMPUL)

ブノワ・トレルイエ

 優勝できて、とてもハッピーだよ。“気持ちいいね!” 去年は、とても難しい1年だったし、正直言って今日は表彰台で泣きそうになった。ドライバーというのは、誰でもそうだけど常に誰よりも速く走りたいものだし、遅いというのは一番ツラい状況。去年はそういう意味で、とても難しかったしツラかった。最後まで原因も分からなかったしね。セットアップなのか、クルマ自体に問題があるのか、それとも自分の年齢的なものかとか、自分にはまだモチベーションがあるのかとか、色々なことを考えたよ。でも、今日ハッキリ分かった。僕にはまだモチベーションがあるし、自分のドライビングスタイルがあって、まだチャンピオン争いをできるってね。それから、今日はエンジニアにお礼を言いたい。今回が彼にとってはデビューレースだったけど勝つことができたから、きっと彼は強いエンジニアだと思う。彼と僕のメカニック全員に感謝している。早く2勝目を挙げたいよね。
勝てたレースだと思う。チームには申し訳ない
決勝2位 伊沢拓也(No.41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 まず、すごくいいスタートが切れました。昨日からクラッチの調子が今ひとつで「上手くスタートできないんじゃないか」と思っていました。でも、何だか分からないですけど、すごくいいスタートが切れましたね。トップに立てたら、何とかがんばってギャップを開いて行こうと思っていたけど、ピットアウトしたあとの数周でブノワ選手に抜かれてしまって。その後も、ブノワ選手が速くて、なかなか追いついていけませんでしたね。その辺はまだまだ勉強しなければならないと思いました。富士で表彰台に上るのは初めてなので、非常に嬉しいんですけど、今日は勝てたレースだと思うので、チームには申し訳ないと思っています。
スタートがすごく悪くて、すべてダメにした
決勝3位 平手晃平(No.20 ahead TEAM IMPUL)
 今日はスタートがすごく悪くて、それですべてダメにしたような感じです。ポールスタートだったので、いい形でレースを終えたかったんですけど、決勝前の8分間のウォームアップの時に「もう少しタイヤを持たせよう」と考えてセットアップしたのが悪い方向に行ってしまって。ラップタイムはコンスタントだったんですけど、タイヤが新しい時にタイムに今ひとつ伸びがなかった。そこで離されて、また追いついてという感じの苦しいレースになりました。ピットアウトした後はトップだったんですけど、アウトラップは経験があるブノワ選手には全然劣るので、僕ももう少し勉強して、タイヤを早く温められるようになっていれば、結果ももう少し良かったんじゃないかと思います。

チーム内でレースしている。このスタイルは変えない
優勝チーム監督 星野一義(LAWSON TEAM IMPUL)
 スタートでは平手選手も、松田選手も上がってくるだろうと思っていました。そんな誰が優勝するか分からないような前半のレースの中で、何とかウチの誰かが勝ってくれればと思っていました。ブノワも去年優勝していないですし、勝たせてあげたい。平手もポールだから、勝たせてあげたい。松田も、昨日ブレーキのことで迷惑をかけたので、今日は何とか勝たせてあげたい。スタートで上手く行ったから、何とかなるんじゃないかって。そんな風に、みんなチャンスがある中、ブノワ選手が着実にペースを守りながら、優勝をつかんだということで、毎回毎回ホッとしているような状況です。3台いるスタッフはみんな、自分のドライバーを勝たせたいわけですよね。そういう風にチーム内でレースしているので、ウチは激しいと思う。でも、このスタイルは変えずに行きたいですね。

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