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Rd.2 SUZUKA

  • 公式予選:2009年5月16日(土)
    決  勝:2009年5月17日(日)
  • 鈴鹿サーキット:5.807 km
    決勝レース:5.807 km × 43Laps = 249.701 km

Race

デュバルが雨中の激闘を制し新生・鈴鹿で優勝!
ルーキー塚越が健闘の5位入賞

photo No.31 ロイック・デュバル
2009-05-17 □天気:雨 コース:ウェット

 5月17日、この4月に新装された鈴鹿サーキットで行われた全日本選手権フォーミュラ・ニッポンは第2戦の決勝レース。スタート直前になって雨が降り、ウェットコンディションの中で行なわれた。どのドライバーもグリッド上でセットアップを変更するなど難しい状況でのスタート。そんな中、予選3位のNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)が今季初優勝を果たした。4位には2年目のNo.20 平手晃平(ahead TEAM IMPUL)が入賞。さらにルーキーのNo.10 塚越広大(HFDP RACING)が5位入賞を果たし、初のポイントを獲得している。

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No.2 ブノワ・トレルイエ

 午後2時半、決勝のフォーメーションラップがスタート。シグナルがレッドからブラックアウトすると正式スタートが切られた。ここで好スタートを切ったのは、ポールポジションのNo.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)。予選2番手のNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)は、イン側の滑りやすい路面でホイールスピンし、加速が鈍る。この間に、ロッテラーをかわして2番手に上がったのはデュバル。ロッテラーが3番手、さらに予選7番手からロケットスタートを決めたルーキーの塚越、平手、No.1 松田次生(LAWSON IMPUL)と続く。一方、エンジンストールしてしまったのがNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)と立川祐路(CERUMO/INGING)。この2台は押しがけで再スタートし、最後尾から追い上げた。

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No.31 ロイック・デュバル

 レース序盤はコース上の水の量も多く、トップのトレルイエがリードを築いていく展開。その後方では、4周目の1コーナーで5番手を走っていた平手がコースオフ、真後ろに迫っていた松田がひとつポジションを上げる。しかし、松田は7周目の1コーナー立ち上がりでスピン。グラベルに捕まり、早くもリタイヤすることになってしまった。
 その後、43周のレースが3分の1を過ぎるあたりから白熱し始めたのは、トップ争い。一時は4秒近くあった差をデュバルが詰め始める。対するトレルイエは燃料が軽くなり始めてからオーバーステアに苦しみ、なかなかペースを上げられない。そのため、16周を終えたところではデュバルがコンマ5秒差まで迫ってくる。そこから2台は10周あまりに渡って接近戦を展開。観客の目を釘付けにした。しかし、ラップタイムペースにすると1周1秒余りも速かったのはデュバル。そのため何度もトレルイエに揺さぶりをかけていたが、ついに28周目のヘアピン立ち上がりからスプーン入り口にかけて、デュバルはアウト側から並びかけ、オーバーテイクを成功させた。トップに立ったデュバルはここから猛プッシュ。トレルイエとの差を開いていった。

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No.36 アンドレ・ロッテラー

 ちょうどこの頃から、ほとんどのドライバーはピットインするが、作戦はバラバラ。給油のみを行なったドライバーとタイヤ交換まで行なったドライバーに別れる。3番手を走行中の28周終了時にピットに入ったロッテラーは給油のみ、同じ周に入ったNo.40 リチャード・ライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と、翌周に入ったトレルイエは給油&タイヤ交換。31周を終えてピットに入ったデュバル、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、33周を終えてピットに入った平手は給油のみでコースに戻っている。ここで平手は塚越の前に出ることに成功した。

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No.20 平手晃平

 終盤は順位も落ち着き、接近戦となったポジションはなし。トップのデュバル、2番手のトレルイエ、3番手のロッテラーともに単独走行となった。中でもデュバルのペースは速く、ただひとり1分58秒台のタイムを連発。そのままチェッカーまでひた走り、今季初優勝を遂げた。

 シリーズ・ランキングでは、今回2位に入賞しただけでなく、ポールポジションの1ポイントを加算したトレルイエが19ポイントでトップ。これで次戦ツインリンクもてぎも赤いオーバーテイクランプを使用する。今日勝ったデュバルが15ポイントで2位。以下、3位に平手、4位に伊沢、5位に塚越と続いている。

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2位 No.2 ブノワ・トレルイエ/優勝 No.31 ロイック・デュバル・中島監督 /3位 No.36 アンドレ・ロッテラー

ブノワを抜いた時、クルマも作戦も完璧だったよ
優勝 No.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)

ブノワ・トレルイエ

とてもいいスタートが切れて何とか2番手に上がることができた。その後、序盤はブノワがとても速くて、彼についていこうという感じだったね。でも、数周した後に、ブノワがタイヤの摩耗に苦しみ始めたのが分かった。追いついた後は、水煙で何も見えなかったから、オーバーテイクしようと思ってはいたけど、スプーンで飛び出すというミスもしてしまった。そこで一時2〜3秒の差ができたけど、すぐにまた追いつけたので、自分のクルマの状態がすごくいいっていう確信が持てたんだ。一方のブノワはオーバーステアの状況が段々強くなってきているみたいだったから、ヘアピン立ち上がりから並びかけて、前に出ることができた。その後は、ペースを保って走っただけだけど、大きなギャップを築くことができた。クルマも作戦も完璧だったよ。ただ、ピットインの時にメカニックにぶつかってしまったのだけは僕のミス。でも、彼が大丈夫そうで良かったよ。
チャンピオンシップを考えれば今日2位で良かった
決勝2位 No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)
スタートの時は何とかトップを守れて良かった。フルタンクではとてもクルマのバランスが良くて、10周ぐらいはとてもいいペースで走れた。その後、段々オーバーステアになってきて、コントロールが難しかった。それに対して、ロイックがものすごく速いペースだということも分かっていた。だから、彼とは無理して競う必要はないって思ったんだ。その後、ピットのタイヤ交換は、タイヤの問題でオーバーステアなのかを確かめるため。今日、僕らはもっといい成績を残せたかも知れない。だけど、新しいクルマのセットアップを完璧に決めるのは簡単なことじゃないし、チャンピオンシップを考えれば、今日2位でフィニッシュできて良かったよ。今年はシーズンのレベルが高いので、次のもてぎも大変な戦いになるとは思うけど、今回の結果、シリーズをリードしたまま臨めるし、できればそのポジションをキープしたいね。
僕にとって難しいレースだった
決勝3位 No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)
僕にとっては、難しいレースだった。スタートではイン側の濡れている路面でホイールスピンして、ポジションを落としてしまった。その後、フルタンクの時に、タイヤのブロックがすごく動いてしまって、クルマをコントロールするのがものすごく大変だったんだ。それに対して、僕にできることは何もなかったよ。いつもはこう言うコンディションの中で走るのには自信があるんだけど、今日は路面との相性が全く合っていなかった。最後のスティントは良かったんだけど。前の2人には届かないって思ったから、その後はポジションをキープする走りになったけど、今回は3位になれて良かった。シリーズを考えれば重要なポイントを獲得できたからね。
ピットストップの作戦には自信があった
優勝チーム監督 中嶋 悟(NAKAJIMA RACING)
まずは嬉しいです。順調に進んだかなと思います。ロイックに関しては、もともとタイヤ交換をするつもりはありませんでした。それでもちゃんと(タイヤを)置いておいてやれば、彼も間違った場所には止まらなかったかな(笑)。あれもウチの芸のうちですから(笑)っていうのは、冗談ですけどね。もう少し前ならロイックも、ブノワ君の後ろに付いた時にもっと焦っていたと思いますが、今日のレースではずいぶん大人になったなっていうのを感じましたね。ピットストップの作戦に関しては自信があったので、ロイックにはブノワの2〜3秒以内にいれば大丈夫と言ってありました。でも、それよりも前にチャンスが来たので。後半は静かに行って欲しかったんですけど、どんどんロイックのラップタイムが速くなって行くので、ちょっとドキドキしていましたが、余裕もあったみたいで、優勝できて良かったです。

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