6月28日、富士スピードウェイで行われた全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦の決勝レースは、強い雨という厳しいコンディションで行われ、No.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)が優勝。そして、No.37大嶋和也(PETRONAS TOM'S)が、今季のルーキーで表彰台一番乗りとなる2位に入賞を果たした。
フォーミュラ・ニッポンのスタート進行が始まる13時30分過ぎ、雨が激しくなり始める。決勝前のウォームアップ走行は路面が滑りやすい状況で、No.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)が100R入り口でスピンし、ダミーグリッドに着くことができず。最後尾からのスタートになった。
No.37 大嶋和也
そして、午後2時30分。雨が多いため、セーフティーカーの先導でレースはスタート。全13台が隊列を組んで、タイヤを温めながら周回。3周を終えた時点でセーフティーカーがコースから退去し、実質的なレースがスタート。ポールポジションのデュバルがトップで1コーナーに。No.8 石浦宏明(Team LeMans)、No.20 平手晃平(ahead IMPUL)と続いた。その後方でNo.1 松田次生(LAWSON IMPUL)にNo.10 塚越広大(HFDP RACING)が迫る。塚越は雨で視界がきかない中、1コーナー立ち上がりからの加速で松田の前に出ると4番手に浮上。その後、松田は塚越を追撃するが、なかなか逆転ができない。その後方では、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)がチームメイトの大嶋をパス。続いてNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)も8周目のダンロップコーナーでかわす。ランキングトップのブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)も4周目にNo.7 国本京佑(Team LeMans)、7周目にはライアンをとらえて、ジワジワとポジションアップ。その後も、大嶋に迫った。一方、松田に追われていた塚越は、10周目の1コーナーのブレーキングでオーバーラン。松田だけでなく、ロッテラーの先行も許した。この頃、トップのデュバルは2番手の石浦に対し、1周1秒ずつ差を広げていった。
No.40 リチャード・ライアン
15周目には、大嶋を追っていたトレルイエがシフトにトラブルを抱えてスローダウン。16周終りでピットガレージにマシンを入れてしまう。ほぼ同時に松田が燃料ポンプのトラブルのため、17周目の300Rでマシンを止めた。松田がストップしたことで目の前が開けたロッテラーは、トップのデュバルと同等のハイペースで、今度は前を行く平手を追う。追われる平手は26周目にミス。ロッテラーがヘアピンでアウトから並びかけ、3番手に浮上した。トップのデュバルは独走状態でレースは決まりに見えたが、34周目にアクシデントが発生。伊沢が100Rの出口でスピンし、コース上でストップ。これでセーフティーカーが導入された。これを見て、多くのチームが動く。トップのデュバルをはじめ、石浦、平手、塚越、小暮が続々とピットイン。一方、ロッテラー、大嶋、ライアン、さらに目の前にセーフティーカーが入ってしまった立川はピットに入らなかった。
No.8 石浦宏明
ここでまたハプニングが発生。セーフティーカーは、35周を終えたところで立川を前に出し、立川が隊列の最後尾についた所で再スタートが切られるはずだった。ところが立川を前に出した後、セーフティーカーはこの時点でトップに立っていたロッテラーをも前に出してしまう。これで順序が崩れたため、デュバル以下のマシンをすべてもう一度前に出し、隊列を組み直すことになる。この間に、ロッテラーはピットイン。給油を終えてコースに戻ろうとするが、セーフティーカーの隊列と重なって、コースには入れず。結局、9番手となった。
No.20 平手晃平
No.10 塚越広大
レースがリスタートしたのは、38周終了時。ここでもデュバルはトップのまま1コーナーへ。これに無給油の大嶋、ライアン、給油した石浦、平手、塚越らが続く。結局、その後、トップ集団に順位の変動はなく、デュバルがそのまま優勝。2位に大嶋、3位にライアンが入賞した。
今回の結果により、デュバルは一気にシリーズポイント11を獲得。対するトレルイエはノーポイントで、2台の差は1ポイントとなった。シリーズ前半を終えて、まさに勝負は振り出しに戻った形。再来週に行なわれる鈴鹿での第5戦から、シリーズタイトル争いはさらにヒートアップすることになるだろう。
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2位 No.37 大嶋和也/優勝 No.31 ロイック・デュバル・中嶋監督 /3位 No.40 リチャード・ライアン
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