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Rd.6 MOTEGI

  • 公式予選:2009年8月8日(土)
    決  勝:2009年8月9日(日)
  • ツインリンクもてぎ:4.801km
    決勝レース:4.801km×52Laps = 249.652 km

Race

ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が2年ぶりの優勝
ランキング1、2位のデュバル、トレルイエが2、3位に

photo No.36 アンドレ・ロッテラー
2009-08-09 □天気:曇 コース:ドライ 気温:28℃/路面温度:32℃

 8月9日、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦の決勝レースは、スタートダッシュで飛びだした、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が優勝。ランキングトップのNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)は2位、そしてNo.8 石浦宏明(Team LeMans)がラスト2周でトラブルに見舞われたため、デュバルを追うランキング2位のNo.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)がラッキーな3位を得た。

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 フォーメーションラップがスタートしたのは、午後2時半。気温28度、路面温度32度というコンディションの中、13台のスタートがタイヤを温めながら隊列走行。グリッドにつくと、レッドシグナル点灯からブラックアウトし、一斉に1コーナーを目指す。トップに立ったのは、ポールポジションのNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。続いて予選5番手からロケットスタートを決めたロッテラー。予選3番手のNo.8 石浦宏明(Team LeMans)、デュバル、予選7番手のNo.2ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)、No.10塚越広大(HFDP RACING)と続く。その後、5コーナーでデュバルが石浦を抜き返し、2番手に復帰。また塚越はS字でトレルイエに並びかけるが軽く接触して、若干コースアウトする。これで塚越はポジションを落とした。その結果、1周目を終えてのオーダーは、小暮、ロッテラー、デュバル、石浦、トレルイエ、No.37大嶋和也(PETRONAS TOM'S)、No.1松田次生(LAWSON IMPUL)、塚越となっている。トップの小暮はわずか1周で2番手に2秒以上の差をつけ、独走状態となるかに思えた。ところが、小暮はレッドシグナル点灯中にクルマが動いてしまったことで、ジャンプスタートのペナルティーに。これで最後尾まで後退してしまう。

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No.31 ロイック・デュバル
 これでトップに立ったのは、ロッテラー。それをデュバルが僅差で追う。次第にこの2台が抜け出し、石浦は単独走行に。その後方では、トレルイエの背後に大嶋、松田が僅差で迫るが、順位の入れ代わりはなくこう着状態となった。それを打開するべく、まず動いたのは大嶋。大嶋は19周を終える所でピットイン。給油が長く、30秒あまりのストップを行なってコースに戻る。その翌周には、No.41伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)、さらにその翌周には松田とNo.7国本京佑(Team LeMans)がピットイン。松田はここで大嶋の前に出ることに成功した。さらに、24周を終えるところでトレルイエがピットイン。松田の前でコースに戻っている。
 その4周後に僅差のまま周回を重ねていたロッテラーとデュバルが同時ピットイン。ここが今日のレースではハイライトとなり、どちらが先にピット作業を終えるのか注目された。ここで給油時間が短かったのは、何とロッテラー。デュバルはロッテラーよりも約4秒ストップ時間が長く、逆転はかなわなかった。コースに戻ったデュバルはピットイン前の塚越に引っ掛かる形となり、トップ2台の差は一気に7秒以上に開いた。

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No.2 ブノワ・トレルイエ
 このレースは後方から追い上げでオーバーテイクシステム(OTS)を使用し、仕掛けられた側もOTSを使い加速するというシーンが頻発。シーズン終盤となり、各選手がOTSの使い方を心得てきたこともあるだろう。
 レースが終盤となると、次々とトラブルが発生。まず36周目の5コーナーでNo.40リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)がブレーキトラブルのためコースアウト。40周目には、9番手の国本にパドルシフトのトラブルが起こり、ピットに戻るとそのままレースを終えた。6番手の大嶋は、エンジンが吹けなくなりV字コーナーでストップしてしまう。10番手の塚越も残り4周でピットに戻ると、そのままリタイアした。

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No.8 石浦宏明
 一方、トップ争いはロッテラーがデュバルにつけ入る隙を与えず、今季初優勝。ロッテラーは07年の第6戦富士以来、約2年ぶり優勝だった。デュバルは2位。その後方は残り2周となったところで異変が起こる。3位を走行していた石浦に2速からギヤが動かなくなるトラブルが襲う。これで最終周のS字でトレルイエが石浦を抜き、表彰台を獲得した。石浦は必死の走行で、何とか4位でゴールした。
 次回、第7戦は8月29、30日、大分県のオートポリスが舞台。そこではシリーズ終盤の激しい争いが行われることになるだろう。

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No.1 松田次生
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No.32 小暮卓史

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2位 No.31 ロイック・デュバル/優勝 No.36 アンドレ・ロッテラー/3位 No.2 ブノワ・トレルイエ/舘 信秀 優勝チーム監督

完璧なレースができた。チームにありがとうと言いたい
優勝 No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)
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今日は少しラッキーな部分もあったけれど、基本的には完璧なレースができたと思う。まずスタートがロケットのように、いいリアクションで2番手まで上がれたし、小暮選手にペナルティーで、トップに上がることができ、とてもラッキーだった。でも、すぐ後ろにロイックがいて、彼らのクルマが速いのは分かっていたから、迫ってくるんじゃないかと思っていた。だけど、僕のクルマもすごくいい仕上がりで、どういう風に運転すればいいのかということも分かっていた。さらにレースが進むに連れて、自分のクルマをさらによくマネージメントすることができたし、燃料を重めに積んでいたので、ピットストップも短いだろうということは知っていたよ。だから、このまま前のポジションをキープして、ピットストップ後も前にいれば、もてぎでは抜かれないだろうと思っていた。チームがとてもいいクルマを仕上げてくれたので、ありがとうと言いたい。優勝できて嬉しいね。
一生懸命プッシュしたけど、届かなかった
決勝2位 No.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)
僕も今日は素晴らしいスタートを切れたよ(笑)。いや、実際には、チームメイトが少し動いたのが見えて、僕はリスクを犯しちゃいけないという気持ちがあって、それがちょっと影響したかもね。小暮選手のことは残念に思うけど、チャンピオンシップを考えれば、これは僕にとってラッキーだったと思う。その後、アンドレより僕のペースは若干速かったけど、このコースはとてもオーバーテイクが難しいし、僕のクルマは高速コーナーの出口でタイムをロスしていたから、前に出ることができなかったんだ。だから、ピットストップで何とか前に出られればと思っていたんだけど、アンドレのストップ時間の方が短くて、それは叶わなかった。後半も一生懸命プッシュしたけど、届かなかったね。でも、2位で終われたことはチャンピオンシップを考えれば良かった。それに10日前に祖父が亡くなったので、今日の2位は祖父に捧げたいと思う。
表彰台で終われたのはハッピー
決勝3位 No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)
僕にとっては、今日はとても退屈なレース(笑)。何も起こらなかったから。スタートではちょっと戦ったけど、その後はタイヤをキープしながら後続を抑えることを考えて走っていたよ。ピットイン前の数周は本当にプッシュした。石浦選手が少な目の燃料でスタートして給油が長いと思ったから。でも、彼も給油はそれほど長くなくて、ピット作業後も彼が前にいた。だから、そこからプッシュしたんだけど、彼はとても速くて差を詰めて行くことができなかった。最終的に、彼がトラブルを抱えて僕が逆転をしたけど、彼はとてもいいレースをしていたから、かわいそうだったなと思う。もちろん僕にとっては表彰台で終われたのはハッピーだけどね。
“諦めちゃいけない”ってことを勉強しました
優勝チーム監督 舘 信秀(PETRONAS TOM'S)
レース前、優勝は考えていませんでした(笑)。アンドレとも言っていたんですが、「表彰台に上がれればベストだね」って言っていたんです。やっぱり予選でNAKAJIMA RACINGとはだいぶ差がありましたし、今までの経験上、あのギャップでは1番は無理だろうなと。ただ今日終わってみて、やっぱり「諦めちゃいけないな」と。そういうことを痛切に思うレースでしたね。ほとんど捨ててましたから(笑)。まぁ、いいスタートをしましたけど、どこかでやっぱり捕まってしまうんじゃないかということを考えていましたね。でも、本当にアンドレががんばって走ったし、作戦も含めて完璧なレースだったんじゃないかと思います。ひとつ勉強しました。“諦めちゃいけない”ってこと、ネバー・ギブアップだね。

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