5月16日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦の予選が鈴鹿サーキット(三重県)行なわれた。完全なウェットコンディションの中で、2年ぶりのポールポジションを獲得したのはNo.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)。僅か0.022秒の差でNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が2番手、さらに0.075秒差でNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)が3番手と外国人ドライバーがトップ3を独占した。
No.1 松田次生
昼過ぎになり、海からの風と雨脚が強まってくる中、20分間のQ1が開始されたのは午後1時45分。路面に水溜りもある中、コースオープンと同時に各車がコースへ出る。そんな中、アウトラップを終え、計測1周目に入っていたNo.37 大嶋和也(PETRONAS TOM'S)が、最終コーナーでコースアウト。大嶋はエンジンを止めてしまい、そのままノータイムで脱落となった。一方、上位陣は走れば走るほどタイムを短縮。最終的に1分58秒668を出してトップに立ったのは、トレルイエ。これに0.2秒差でNo.1 松田次生(LAWSON IMPUL)、ロッテラー、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)と続く。一方、Q1で大嶋に続き脱落してしまったのは、同じくルーキーのNo.7 国本京佑(Team LeMans)。この2台を除く11台でQ2は争われることとなった。
No.10 塚越広大
10分間のインターバルを挟んで、10分間のQ2が始まったのは午後2時15分。Q1の時以上に雨脚が強まり、まさにヘビーウェットというコンディション。どのドライバーも強雨の路面に苦しめられ、タイムを伸ばすことができない。Q1でトップタイムだったトレルイエも逆バンクでコースアウトし、波乱を予感させる。そんな中、奮闘したのはルーキーのNo.10 塚越広大(HFDP RACING)。塚越は周回ごとにタイムを短縮し、場内を沸かせた。しかし、最後にトップタイムを奪ったのはロッテラー。開幕戦でポールポジションを獲得したNo.20 平手晃平(ahead IMPUL)が2番手、No.40 リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)が3番手と続く。塚越は4番手となり、ルーキーとしては今シーズン初めてQ3進出を果たした。一方、このセッションで脱落したのは、残り1分でコースアウトしたNo.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)と、マシンに問題を抱えたNo.8 石浦宏明(Team LeMans)。まさかの脱落となったのはチャンピオンの松田。松田はギリギリまでQ3進出圏内の8番手につけていたが、最後の最後にNo.48 立川祐路(CERUMO/INGING)が自己ベストを更新して9番手に。対する松田は他のマシンに引っ掛かったこともあり、最後にタイムを伸ばすことができず、挽回はならなかった。
No.36 アンドレ・ロッテラー
そして、いよいよポールポジションを賭けたQ3が、午後2時35分からスタート。Q2が激しい雨となったため、ほとんどのマシンがここで車高を上げる。ところが雨脚は弱まり、どのドライバーもマシンバランスは万全ではなかった。その状況の中、開始直後から好タイムをマークしたのは、トレルイエ、平手、デュバル。デュバルは最初の計測ラップで2分00秒385というタイムをマークして、一時トップに立つ。ところが、この直後の1コーナー出口でコースアウト。タイヤバリアに激突寸前でマシンを停止させ、何とかコースへと戻った。一方、最終コーナーでコースアウトした立川はエンジンを止めてしまい、予選8位が決定。さらにS字でコースアウトしたのは、Q2でトップ争いを演じた塚越。塚越もこれで7位確定となった。
No.31 ロイック・デュバル
残る6台はアタックを続行。チェッカーと同時に1分59秒106というトップタイムをマークしたのはトレルイエ。直後に平手が2番手に。この時、まだアタックしていたのがデュバルとロッテラー。この2人は東コースでトレルイエのタイムを上回っていた。だが、どちらもわずかにトップには僅かに届かなかった。その結果、トレルイエが2007年の開幕戦以来となるポールポジションを獲得している。
17日の決勝レースも雨が予想される。予選同様に悪条件に強い外国人勢が主役となるのか、混戦となって平手や塚越などフレッシュなパワーが躍進するか? 何が起こるか分からないおもしろいレースとなりそうだ。
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予選2位 No.36 アンドレ・ロッテラー/PP No.2 ブノワ・トレルイエ/予選3位 No.31 ロイック・デュバル
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