逆転のタイトルに向け、No.32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が執念のポールポジションを獲得した予選から一夜明け、フォーミュラ・ニッポン第7戦は、いよいよ決勝日となる8月30日(日)を迎えた。
No.32 小暮卓史
いよいよ今季の最終レース、フォーミュラ・ニッポン第8戦決勝が目前に迫った。夏を思わせるような昨日の予選から一転、すっかり秋めいた涼しい朝を迎えたスポーツランドSUGO。今日は終日、天候の崩れなどはないものの、あまり気温が上がらないと予想されている。
そのようなコンディションの中、午前9時45分からは、決勝の行方を占う30分間のフリー走行が行なわれた。このセッションが開始された時点で、SUGO の上空はどんよりとした曇り空。気温は18度、路面温度は22度だった。しかも、セッション開始の1時間ほど前には、雨もパラついている。
No.2 ブノワ・トレルイエ
コースがオープンされると、間もなく全ドライバーがユーズドタイヤを装着してコースイン。決勝に向けてのマシンセットアップを確認して行く。また、昨日と比べて気温が低い分、各車燃料消費量が増える方向。そのため、どのドライバーもエンジンマップを切り替えながら、燃費の確認も行なった。今回のレースでは、ピット作業の義務付けはない。そのため、無給湯で走り切れるのか、それとも給油をしなければ走りきれないのかなど、燃費によって戦略も変わってくるからだ。
そのセッション序盤から、精力的にタイムを出していたのは、No.8 石浦宏明(Team LeMans)。チームメイトのNo.7 国本京佑(Team LeMans)も同様に序盤からプッシュを見せる。その後、この2人を上回ってきたのは、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)やNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)、No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)だった。ちょうどこの頃、コントロールラインでウェット宣言が出される。これは1コーナーとハイポイントコーナーで再び雨がパラついたため。これは、競技団が念のために出したもので、実際には大きな天候の崩れはなし。その後も全車スリックタイヤでの走行を続けている。
No.36 アンドレ・ロッテラー
その直後、チームメイトのデュバルに次ぐタイムを出してきたのは、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。NAKAJIMAの2台は、ベストタイムを出したあとも、1分08秒台のタイムを連発。決勝向けに燃料を多く搭載したマシンでも、他を圧倒する速さをみせている。最終的にこの2台に続いたのは、トレルイエとロッテラー。この2人も連続周回で1分09〜10秒台で安定したタイムを刻んでいる。さらに、終盤自己ベストを塗り替えたNo.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)、石浦、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを争っているNo.37 大嶋和也(PETRONAS TOM'S)と続いた。大嶋と争っているNo.10 塚越広大(HFDP RACING)は、このセッション10番手に留まっている。
決勝レースでは誰がどのような作戦を取るのかが最大の焦点。一方、オーバーテイクが非常に難しいと言われているSUGOだけに、スタートも見所のひとつだ。いずれにしても、今年のフォーミュラ・ニッポンは、これが最後のレース。それだけに、どのドライバーも納得の行く戦いをしたいと願っているのは間違いない。そんなドライバーたちの気持ちがにじみ出る迫力の一戦に、ぜひ期待してほしい。
No.41 伊沢拓也
No.8 石浦宏明
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