2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポンは、9月26、27日第8戦スポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)で今季のフィナーレ(最終戦)を迎える。すでに前戦オートポリスでドライバーズチャンピオン、チームチャンピオンは決定したが、ルーキー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)の行方、東北地方で年に1回の国内トップフォーミュラカーレースと、見どころは尽きない。
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No.31 ロイック・デュバル
まず、注目したいのは今回導入されるソフトタイヤ。これまで開幕戦から第7戦まで、同一スペックのタイヤが使用されてきた。だが、今回のソフトタイヤ導入により、ラップタイムが大きく向上するのは必至だ。またチームにとっては、この新しいスペックのタイヤに対して、いかに短い時間で最適なセットアップを見つけられるか、その点も勝負となる。
一方、ドライバーにとっては、スピードの上昇と同時に、フィジカル面での強さを試されることになる。今季から導入された新型シャシーFN09は、ダウンフォースが増大している分、高速コーナーではハンドリングが難しいと言われている。そこにソフトタイヤが加われば、ドライバーへの負荷はさらに大きくなる。昨シーズン終了後、路面のグリップが最も高い時期にSUGOでテストを行ったドライバーたちは一様に、「最終コーナーではアクセルを戻さなければステアリングを切れない」あるいは「クルマが流れた時に修正し切れない」とコメントしていたが、1年間このマシンで戦い、クルマの特性にもすっかり慣れたドライバーたちは、どんな走りを見せるのか。まずはギリギリの予選アタックで彼らの奮闘ぶりに期待して欲しい。
No.2 ブノワ・トレルイエ
また今季から導入されたオーバーテイクシステムも、東北のファンにとっては、初めて目にするツール。オーバーテイクが非常に難しいと言われているスポーツランドSUGOでは、このボタンが活躍する場面もありそうだ。特に、バックストレートから馬の背コーナーにかけて、あるいは最終コーナー途中から1~2コーナーにかけては、効力を発揮するのではないかと思われる。約半年間、ドライバーたちはこのシステムを使用してきたが、使いどころは各者様々。それだけにどの場面で使われるかが見どころとなるだろう。
No.32 小暮卓史
No.36 アンドレ・ロッテラー
No.10 塚越広大
No.37 大嶋和也
一方、ドライバーズポイントに関して見てみると、現在ランキング2位のブノワ・トレルイエと3位の小暮卓史が3ポイント差。2位を守りたいトレルイエと逆転を果たしたい小暮。この2人の攻防もひとつの注目点だ。もちろん、初チャンピオンを決定したロイック・デュバルの走りにも期待して欲しい。
さらに若手ドライバーの対決という意味では、塚越広大と大嶋和也によるルーキー・オブ・ザ・イヤーを巡る争いにも注目。いずれもここまで1回ずつ表彰台を獲得しているが、今回のSUGOではどんな活躍を見せてくれるのか。泣いても笑っても、今季はこの1戦で幕を閉じる。そこに賭けるドライバーたち、そしてチームの戦いは、非常に激しいものとなることが予想される。
ルーキー・オブ・ザ・イヤー ポイントランキング(第7戦終了時)
Rank | No. | Name |
Points |
---|---|---|---|
1 | 10 | 塚越 広大 | 15 |
2 | 37 | 大嶋 和也 | 10 |
3 | 7 | 国本 京佑 | 0 |