9月26日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第8戦の予選が秋晴れのスポーツランドSUGO(宮城県)で行なわれ、ポールポジションはNo.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)が獲得。Q2でコースレコードを更新したNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)のタイム1'06.332は、SUGO全カテゴリーのコースレコード(1’06.514:ジャガーXJR14[テオ・ファビ]/1991年)をも更新した。ルーキー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)を争うNo.10 塚越広大(HFDP RACING)は3位、No.37 大嶋和也(PETRONAS TOM'S )は6位となった。
No.32 小暮卓史
Q1が開始されたのは午後2時30分。気温26度、路面温度38度というコンディションの中、コースがオープンされると、どのドライバーもまずはユーズドタイヤでピットを後にする。ここで各車、マシンの状態を確認。一旦ピットに戻って、タイムアタックに備えた。その中で、何台かのマシンは、セッション半ばあたりでフロントだけニュータイヤを装着してスクラブ。その後、アタックに向かっている。各ドライバーがタイムアタックに入ったのは、セッションの残り5分となったあたりから。しかし、ユーズドタイヤの段階で1分07秒063というタイムを出していた小暮は、ここではニュータイヤでのアタックを行なわなかった。一方、ニュータイヤでのアタックで、この小暮のタイムを破ったのはデュバルのみ。以下、3番手にNo.8 石浦宏明(Team LeMans)、4番手に塚越、5番手にNo.36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S)と続いている。一方、ここでQ2進出を逃したのは、No.20平手晃平(ahead IMPUL)と今回のレースが100戦目となるNo.48立川祐路(CERUMO/INGING)の2台となった。
No.10 塚越広大
10分間のインターバルを経て、Q2が開始されたのは午後3時。このセッションの開始前から、ピットロードに並んだのは石浦とNo.7国本京佑(Team LeMans)。この2台はユーズドタイヤでマシンセットアップのためにコースへと入っていく。また小暮とNo.1 松田次生(LAWSON IMPUL)はフロントだけニュータイヤを装着してスクラブ。アタックに備えた。その後、セッションの残り時間が6分となったあたりで、ほとんどのマシンがコースイン。タイムアタックに入る。フロントをスクラブした小暮が、その1分後にコースへと入った。その小暮がアタック1周目に素晴らしいタイムを刻み、コースレコードとなる1分06秒332を叩き出した。これに続いたのは、デュバル。以下、大嶋、松田、石浦、No.41伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)、ロッテラーと続く。しかし、この後方では計時の問題が発生。No.2ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)と大嶋が全く同タイムをマークしていたことがその発端。この場合、先にタイムを出したドライバーのポジションが上となるのが正しく、今回の場合は大嶋が上位になるはずだった。
No.8 石浦宏明
しかし、計時システムの手違いから、場内のモニターにはトレルイエが8番手、大嶋が9番手という表示がなされてしまった。これがQ3に影響を与えた。Q3開始前、両選手の所属チームは、コントロールタワーで出走の可否を確認するが、Q3開始時間が迫ったため、競技団は両方のマシンに出走を許可。このためQ3では9台が走行することとなった。一方、ここでQ3進出を逃したのは、国本とNo.40リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)だった。
No.1 松田次生
No.37 大嶋和也
そして、Q3が始まったのは、午後3時20分。ここで石浦、松田、ロッテラー、伊沢の4人はフロントにニュータイヤを装着してスクラブ。その後、アタックに向かう。その他のドライバーは、残り時間が6分ぐらいとなったところから前後ともにニュータイヤを装着してタイムアタックへ。ここでトップタイムを刻んだのは、デュバルだった。Q2でトップだった小暮は、ヘアピンと最終コーナーでミス。Q3ではデュバルにコンマ1秒及ばず、2番手に留まった。そして、チェッカー目前に3番手に浮上したのは、塚越となった。なお、Q3が終了した後に、競技団はトレルイエのQ2でのポジションが9番手と判定。その結果、Q3で7番手のタイムをマークしていたトレルイエは、明日のレースを9番グリッドからスタートすることになった。
ドライバーズとチームのタイトルは前戦でデュバルとNAKAJIMA RACINGに決定したが、ルーキー・オブ・ザ・イヤーはこの最終戦までもつれ込んだ。予選ではポイントリーダーの塚越が3番手、大嶋が6番手となったが、この差なら決勝スタートだけでもひっくり返すことは可能だ。そして、フロントローを占めるNAKAJIMA RACING勢の後ろには、今季未勝利のドライバーたちが列をなしている。最終戦も目の離せないレースとなるだろう。
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予選2位 No.32 小暮卓史 / PP No.31 ロイック・デュバル / 予選3位 No.10 塚越広大