6月27日(土)、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦の予選が富士スピードウェイ(静岡県)で行なわれた。ポールポジションとなったのは、No.31 ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)。フォーミュラ・ニッポン4年目で自身初の予選1位獲得だった。2、3位には参戦2年目のNo.8 石浦宏明(Team LeMans)、No.20 平手晃平(ahead TEAM IMPUL)が入った。
No.8 石浦宏明
この日は、梅雨ながら朝から夏空が広がり、気温/路面温度は上昇。しかし、ストレートには追い風で、各チームともにギヤレシオの選択にも頭を悩ませていた。まず20分間の予選Q1が始まったのは、午後1時45分。気温は32℃、路面温度は45℃。開始すると全車がユーズドタイヤでコースインし、マシンの状況を確認。そして一旦、ピットイン。このユーズドタイヤの段階で、好調のNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、デュバルが1分26秒台前半から中盤のタイムを出し、1-2体制を築く。その後、残り7分半で、小暮がフロントタイヤだけニュータイヤを装着してコースイン。フロントタイヤをスクラブ(慣らし)して、ピットに戻る。そして、残り時間5分で各車コースイン。小暮だけはその1分後にコースへ。そして計測1周目に1分26秒139というタイムでトップを奪う。チェッカーの周に、小暮とわずか100分の2秒差となる自己ベストをマークし、2番手につけたのはデュバル。以下、午前中から速さを見せていた石浦、平手、前回もてぎで大活躍を見せたNo.10 塚越広大(HFDP RACING)、No.37 大嶋和也(PETRONAS TOM'S)と続いた。一方、前回の富士で予選2位だったNo.41 伊沢拓也(DOCOMO DANDELION)とNo.48 立川祐路(CERUMO/INGING)がこのセッションで敗退した。
No.20 平手晃平
10分間のインターバル後、午後2時15分にQ2開始。気温は29℃、路面温度は40℃とQ1よりは若干涼しくなる。このセッションでは開始と同時にNo.7 国本京佑(Team LeMans)、No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)、No.1 松田次生(LAWSON IMPUL)、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)の5台がコースイン。Q1で小暮がやっていたように、フロントだけニュータイヤを装着してスクラブし、ピットに戻る。その後、セッション残り5分で、次々にアタックへと向かった。チェッカー目前にトップタイムをマークしたのは、再び小暮。100分の8秒差でデュバルが2番手。以下、石浦、松田、平手と続いた。ここで、No.40 リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)、国本、そして現在ランキングトップのトレルイエがQ2敗退となっている。
No.1 松田次生
No.10 塚越広大
No.32 小暮卓史
さらに10分間のインターバルをはさんで、ポールポジションを決定するQ3が開始(午後2時35分)。気温29℃、路面温度42℃。このセッションでも大嶋、ロッテラー、塚越、平手、松田がフロントにニュータイヤを装着してコースインし、スクラブしてピットに戻る。そして、残りが5分40秒となり、デュバル、石浦、小暮がコースイン。フロントをスクラブした他のマシンは、その1分後あたりからコースに入った。ここで注目されたのはQ1、Q2ともにトップタイムを叩き出している小暮。だが、小暮はウォームアップラップで、デュバル、松田とタイミングが重なり、これでリズムを崩し、アタック1周目に13コーナー立ち上がりでまさかのスピン。コースに復帰した小暮は、翌周も続けてアタックを敢行するが、セクター3でタイヤの初期グリップが落ち始めてタイムを伸ばせず、まさかの6番手に終わった。これに対して、好調を維持したのはデュバル。路面コンディションが良くなったこともあり、デュバルはここで3セッションすべてでのベストタイムとなる1分25秒626をマーク。自身初のポールポジションを決定付けた。
明日の天気予報は、曇りから晴れ。ドライコンディションのレースになりそうだ。そこで、注目されるのはオーバーテイクシステム。どのドライバーも積極的に使用するだろう。また、スタートにも注目。他のサーキットに比べてギヤレシオが異なる富士は、スタートとそこからの加速が非常に難しい。特に2列目の松田、そして後方グリッドながらスタートに定評があるロッテラーやトレルイエは、見逃せない存在となりそうだ。
◇ ◇ ◇
予選2位 No.8 石浦宏明/PP No.31 ロイック・デュバル/予選3位 No.20 平手晃平