8月最後の週末となる8月29日(土)〜30日(日)、オートポリス(大分県)で、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦が開催される。このオートポリスでフォーミュラ・ニッポンが開催されるのは2006年以来、3年ぶりのこと。九州地方のファンにとっては、FN09を初めて目にする機会となる。さらに、今回はチャンピオンシップ争いも佳境に入っており、まさに天王山と言っていい一戦。それだけに、どの陣営も、相当な気合いが入っている。その決勝に向けてのグリッドを決定する緊迫の予選を前に、29日(土)の午前9時45分からは1時間のフリー走行が行なわれた。
No.32 小暮卓史
この日のオートポリスは薄曇でセッションが開始された時点での気温は26度、路面温度は31度というコンディション。真夏の暑さは一段落し、過ごしやすい陽気となった。そんな中、コースがオープンされると、まず数台のマシンがユーズドタイヤでコースイン。持ち込んだマシンのバランスを確認し、ピットに戻る。その後開始から10分あまりというところで、全車とも1回は計測を行っている。ここで、ユーズドタイヤの段階から好タイムを連発したのは、やはりNAKAJIMA RACINGの2台。No.32 小暮卓史がまず1分34秒111でトップに立つと、続いてNo.31 ロイック・デュバルが1分34秒097と小暮のタイムを塗り替え、序盤からワン・ツー態勢を築いた。
No.10 塚越広大
その数分後、セッションは赤旗によって中断される。これはNo.20 平手晃平(Ahead IMPUL)が最終セクター上りの19コーナー先でコースアウトしたため。平手のマシン回収が終わると、午前10時14分にセッションは再開。ここからNAKAJIMAの2台がさらにタイムを縮めてくる。小暮が1分33秒944、デュバルが1分33秒932と、2台揃って34秒台を切ってきた。ユーズドタイヤの段階で、この2台に続いたのはNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)。前回のもてぎで優勝を果たしているロッテラーも、ここで1分33秒948までタイムを伸ばしてきている。
No.2 ブノワ・トレルイエ
そして、セッションの残り時間が15分を切ったあたりから、DOCOMO DANDELIONのNo.40 リチャード・ライアンとNo.41 伊沢拓也、No.1 松田次生(LAWSON IMPUL)ら、ニュータイヤを投入するドライバーがチラホラと現れる。この中で、いきなり大きくタイムを伸ばしてきたのは伊沢。伊沢は1分33秒169を叩き出し、一時トップに立つ。その後、残り時間が6分となった頃から、No.2 ブノワ・トレルイエ(LAWSON IMPUL)、ロッテラー、小暮、No.10 塚越広大(HFDP RACING)、No.37 大嶋和也(PETRONAS TOM'S)、No.8 石浦宏明(Team LeMans)、デュバルらがニュータイヤを装着してコースに入った。
No.41 伊沢拓也
ここでやはりユーズドのタイムを大きく縮めてきたのは、トレルイエ。トレルイエは、1分33秒109をマークして、一時トップに立つ。他のドライバーはこのタイムになかなか届かなかった。しかし、やはりNAKAJIMA勢がタイムアップ。デュバルが1分32秒649とトレルイエのタイムをコンマ4秒あまり縮めて、トップに浮上する。さらに、塚越が1分33秒026で2番手に浮上する。ちょうどこの頃、デュバルを上回るペースでアタックに入っていたのが小暮。セクター2までは、総合トップタイムで駆け抜けている。しかし、小暮は、第2ヘアピンのブレーキングでリヤをロックさせ、第3セクターで大きくタイムロス。そのため、小暮は翌周もアタックを続行。ここで自己ベストを叩き出す。だが、すでにタイヤの初期グリップが低下してきており、1分32秒688と、デュバルのタイムをわずかに上回ることはできなかった。その結果、このフリー走行では、ドライバーズランキングでトップに立つデュバルがトップ。これにチャンピオンの可能性がわずかに残る小暮が2番手。3番手にルーキーの塚越。そしてランキング2位のトレルイエが4番手。以降、伊沢、ロッテラーと続いた。
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