エンジニアたちの作戦計画
第1戦 鈴鹿サーキット
TEAM MUGEN
3星 学文
ドライバー:ダニエル・ティクトゥム
1.2019年シーズンに向けて
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新たにトラック・エンジニアとして活動される方、移籍された方、担当するドライバーに変更があった方、それぞれ自己紹介、担当車両・ドライバーの紹介をお願いします。
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#15のダニエル・ティクトゥム選手を担当します。
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3月・2回のテストを通して、SF19との「対話」は進みましたか? どんなキャラクターのマシンだと受け取られていますか? セットアップの「鍵」はどのあたりにありそうですか?
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SF14のコンセプト「クイック&ライト」を引き継ぎ、さらに旋回性能が向上されたイメージです。ただし、扱い方を間違えるとピーキーな特性になりやすい印象を持ちました。
*ピーキーな特性:「ピークが尖っている」、つまり特性(この場合はコーナリング中の挙動)がグリップのピーク付近から急に落ち込む傾向がある、という意味あい。ちなみに「peaky」をこの意味で使うのは和製英語。
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担当されるドライバーは、競技運転者としてどんな個性、ドライビングのリズムの持ち主でしょうか? ずっとコンビを組んでいて、ファンの皆さんに良く知られているドライバーでも、この際、ぜひ一言(以上)お願いします。
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これまでのマカオGPなどの実績からもわかるとおり、ドライビングセンスは抜群です。F3クラスのスピード感に慣れていたところから(格段に速い)SFに乗り換えても短時間で適応しますし、適応能力の高さも感じます。
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ドライバーはSF19についてどんな印象を語っていますか?
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F1に匹敵する旋回性能で、SF14よりもさらにコーナリングスピードが上がっている印象を持っているようです。
2.開幕戦・鈴鹿サーキットに向けて
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2回のテストの状況、成果を踏まえつつ、鈴鹿における緒戦に向けて、SF19のセットアップは空力、足回りなど、それぞれどのあたりがポイントになると考えていますか?
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テストではSF14からの空力特性とタイヤの変更を確認しながら、メカニカル、エアロのセットアップのテストを行ってきました。これまでのテスト結果に対して、気温変化に対してどのようにセットアップを変更していくかがポイントになると考えています。
*メカニカル、エアロのセッティング:メカニカル(グリップ)に関してはまずタイヤのアライメント、とくにキャンバーに始まり、ばねレート、それをどのくらい縮めたところから使うか(プリロード)、縮みストローク止め位置(パッカー)、ダンパーの伸縮・速遅の減衰、ロール剛性、ピッチング抑制(左右輪間・3番目のばね+ダンパー、あるいはマスダンパー)など多岐にわたる。エアロ(空力)に関しては、前後のウィング角度設定やその後縁に追加するL字材(ガー二ー・フラップ)はもちろんだが、むしろ底面地上高、そして車体(底面)全体で後ろ上がりの姿勢を取る(レーキ)による効果・変化が大きい。空力のためには車両姿勢を変化させたくないが、逆にタイヤの摩擦を十分に引き出すためには脚をしなやかに動かしたい。さらに車高=サスペンションアーム角度によってタイヤからの横力を受け止めた時の車体運動が変化する。全てが複雑に絡み合っているのである。
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「持ち込み」セットアップからまず予選、そして決勝に向けてセッティングを煮詰めてゆく中では、どんなことに着目して進めてゆきますか? 例えばコースを走る状態の着眼点、タイムや速度、タイヤ、ドライバーのコメントなど、現時点で想定している範囲でお答えいただければと思います。
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前問で記した気温変化と、(セッションの進行とともに起こる)路面コンディションの変化にあわせて上手にタイヤを使っていくことです。
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レース戦略、タイヤ選択と履き替え(ピットストップ)のタイミングなど、どんなパターンが想定されているでしょうか? 現状、何パターンほど考えていますか?
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予選順位と他車の戦略、タイヤの持ち次第で複数考えられます。
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今シーズンは、オーバーテイクシステム(OTS)がレース中の総使用時間100秒、一度作動させた後は100秒の間隔が設定されている、と作動条件が大きく変わりましたが、どんな使い方が考えられるでしょうか?
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これまでと同様、スタート、ピットイン・アウト時に使うことになりますが、ドライバー同士の駆け引きが増えそうです。
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鈴鹿での開幕戦での目標(成績だけでなく、エンジニアとして“見つけたい”“仕上げたい”ことなどについても)はどのあたりに置いていますか?
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持ち込みのセットアップと、考えているシナリオどおりに進めることができれば良いかなと思います。
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今シーズン全体をどう戦ってゆこうと考えているか、最終的なターゲットをどこに置いているか、について教えてください。
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シーズン全体を通して安定した成績が残せるように、早い段階で車両のベース(となるセッティング)を作り上げていきたいと思います。
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最後に、スーパーフォーミュラを観戦し、楽しまれているファンの皆様に一言お願いします。
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昨年以上にクルマの速さが増し、お客さんにも楽しんでいただけると思います。良いレースができるようにしっかりと準備したいと思います。