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国本 雄資がポール獲得 2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2戦 予選レポート
2019年5月19日
激しい雨の影響で、18日(土)の午後に行われる予定だった予選がキャンセルされた全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦。その振替として、19日(日)の午前8時45分から40分間に渡って、公式予選が行われることとなった。予選方式も、ノックアウト方式ではなく、計時予選に変更されている。
天候が回復方向に向かうとの予報が出されていた19日(日)のオートポリス。だが、一夜明けても激しい風と時折強まる雨は変わらなかった。ともすると、前日午前中のフリー走行開始時よりも雨量が多い状況。それでも午前8時45分、予定通りに公式予選は開始された。気温17℃、路面温度17℃と言うコンディションの中、セッション開始前からピットロードには多くのドライバーが行列を作る。雨ということで、赤旗が出る可能性も高く、とにかく早めの段階でタイムを刻まなければならないからだ。
そして、ピット出口がオープンされると、国本雄資(KONDO RACING)、山下健太(KONDO RACING)、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、坪井翔(JMS P.MU/cerumo・INGING)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)、中嶋一貴(VANTELN TEAM TOM’S)、塚越広大(REAL RACING)、ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)、アーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)、牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)という順で、全車がコースイン。まずはタイヤを温めていく。
そして、計測2周目に入ると、国本が1分47秒602をマークしてくる。他のドライバーも、ちょうどウォームアップを終えて、プッシュを開始しているところだった。ところが、ここでセッションは赤旗によって中断される。これは100R先の緩い右コーナーで山本とマルケロフ2台がそれぞれ単独でコースアウトしてクラッシュしたため。この赤旗とほぼ同時に、坪井が国本を上回る1分46秒770をマークしていたが、このタイムは抹消されている。
さて、2台のマシン回収が終わり、コースのインスペクションをした後、セッションは午前9時12分に再開される。その時点でチェッカーは9時30分と決められた。赤旗が提示された時点での残り時間は33分だったが、そこから15分短縮された形だ。そして、国本、山下、石浦、坪井、一貴、福住、関口、可夢偉、野尻、パロウ、ティクトゥムといった順でコースイン。再びタイヤを温め、計測に入っていく。ここで1分47秒877と、仕切り直しでベストタイムを更新してきたのは、坪井。セクター3でトラフィックに引っかかったとは言うものの、国本に迫るタイムをマークした。続いて、一貴が1分49秒331をマーク。さらに、福住が一貴のタイムを上回り、1分48秒059をマークしてきた。その直後、セッションは2回目の赤旗によって中断される。これは平川が3コーナーでまっすぐコースアウトし、グラベルにストップしたため。そのマシン回収が終わると、セッションは午前9時21分、残り9分という時点で再開された。
ところが、各車がまだタイヤウォームアップを行なっている間に、3回目の赤旗が提示される。これはニューウェイが、ジェットコースターストレート先の右コーナー先でコースアウトしたため。結局、セッションはこのマシン回収作業が終わるか終わらないかというところでチェッカー時刻となり、ここで終了となった。
その結果、PPを獲得したのは、1回目の赤旗前にタイムを刻んだ国本。2番手、3番手には、1回目の赤旗後に自己ベストを刻んだ坪井、福住。4番手には一貴。以下、アウアー、石浦、山下、可夢偉、塚越、ニューウェイ、キャシディと続いたが、ほとんどまともにタイム計測することができておらず、ドライバー達にとってはフラストレーションの溜まる結果となっている。
予選1位
No. 4 国本雄資(KONDO RACING)
「アクセルを緩めていたら多分順位が下の方だった。運良く走れた」
「 (2017年第3戦以来のポールポジションが獲れて)気持ちいいです! (コースコンディションが不安定で)危なかった感じもしますが、前のほうでコースに入ったので、ウォータースクリーンがない状況で1、2周走ることができました。
1周目はタイヤがウォームアップしなくて、2周目にウォータースクリーンがない中で様子を見ながらアタックしました。そんなにガッツリというわけではないけれど、その中でもクルマが水に乗ることがあったので、あれ以上行ったらクラッシュするのかなという感じでアタックしていました。
途中、セクター3で前を走る3号車(山下健太)に詰まったので、スペースを開けるか迷ってスピードを緩めようかなとも思ったんですが、『とりあえずこの周は全開で行くか』と全開でコントロールを通過しました。そしたらその直後に赤旗になったので、もしアクセルを緩めていたら多分順位が下の方だったし、運良く普通に1周走れたのかなと思います。
その後は赤旗が連続したんですが、残り時間が少なかった最後は、そこでは『絶対(アクセルを)踏んでいくぞ』と思っていたんすが、もし再開されていたら多分餌食になっていたかもしれません。ほんとに運が良かったし、こういう予選になるということは昨日の段階から予想していたので、アタック出来ても多分1周、2周しかないな、とわかっていました。だから最初からタイムが出るように(タイヤの)内圧を調整したり、クルマのセッティングをしていたので、そういう部分でもチームに助けられたのかなと思っています」
予選2位
No.39 坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
「僕にとっては運が悪かった予選だった」
「国本選手が言ったとおり、(予選は)荒れた展開になるなと予想ができたのですが、ただ昨日の走行で雨の感触がそんなに悪くなかったので、雨だったら十分に戦える位置にいるのかなと思っていました。その中での予選だったので、楽しみにしていた部分もありました。
ただ、アタック自体は僕にとっては運が悪かった予選でした。というのも赤旗(が出たから)で…。ちょうどタイム出した瞬間にコントロールタワーに赤旗が出て、タイム抹消になって…。自分と赤旗の位置関係が水でよくわからなかったので、『もしかしたら…(トップタイムをしたかも)』とわずかな希望を持ったんですが、やっぱり抹消されたので、もう1回行くしかない! と思ってアタックしました。
次の周のアタックでも、多分トラフィックに遭って色んな車両にどん詰まりして…。アタックしている最中だったのでかなりタイムを失いました。まともにアタックできない予選でした。なので、結果以上に納得いかない予選でした。ただ、今年デビューして2戦目でここに来られるというのはいいことだと思うし、速さもあると思うのでレースに向けてはいい位置でスタートが切れると思います」
予選3位
No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「1周は絶対タイムを残しておかないと…という思いがあった」
「すごく荒れた予選だったと思います。あとは正直昨日の中止したときの感じとそんなに差はないなと思いました。でもそれでもやっぱりやるとなったので、その中でやるときはすごく不安な部分も多かったし、実際すごく荒れた予選になりました。僕の中ではつねにコースに留まって、走るという思いでしたが、1周は絶対タイムを残しておかないと…という思いがありました。安全に走った結果、この結果につながったのだと思っています。
ベストタイムを出したときは一応、クリアな状態でした。ただ安全に走った中でのタイムだったのですが、もうちょっと安定して走っていればもっとタイムが出たと思います」