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現役大学生ドライバーの山下健太(KONDO RACING)が国内トップフォーミュラ初PPを獲得 全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦 予選
2017年8月20日
土曜日の雷雨によって、変則スケジュールとなった全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の予選。当初の予定では、8月20日(日)の午前9時から30分間のフリー走行が行われることになっていたが、この走行は10分間に短縮。それに続いて、昨日実施できなかった予選Q2、Q3が行われた。栃木県ツインリンクもてぎを舞台に行われたこの予選で自身初のPPを獲得したのは、ルーキーのNo.4 山下健太(KONDO RACING)。KONDO RACINGにとっては、2008年第7戦富士以来約9年ぶりのPP獲得となった。これに続いたのはNo.18 小林可夢偉(KCMG)。KCMGにとっては国内トップフォーミュラ参戦以来、8年目にして初のフロントロウ獲得となっている。3番手には、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。野尻は、Q2でもてぎのコースレコードを更新したが、Q3では思ったほどタイムを伸ばせず、僅差でPPを逃した。
前日とは一転、夏の太陽が顔を出した日曜日のツインリンクもてぎ。その後、再び雲がかかり始めたが、完全ドライコンディションの下で、午前9時にスーパーフォーミュラのフリー走行が開始された。このフリー走行は、通常30分間だが、今日は10分間に短縮。予選Q1を突破しているドライバーたちは、Q2、Q3に向けての準備のため、燃料が軽い状態での走行を行った。また、セッション序盤には、多くのドライバーがニュータイヤのスクラブを行なったり、スタート練習を行なったりと、レースに向けての準備も進めていた。また、多くのチームはこの時間を利用して、ピット作業練習も行っている。 この10分間のフリー走行で、トップタイムをマークしたのは山下。No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、可夢偉、野尻がそれに続いた。
そこから10分間のインターバルを挟んで、Q2が始まったのは、午前9時20分。気温29℃、路面温度32℃というコンディションの下、セッション開始3分前からはNo.50 小暮卓史(B-Max Racing team)、No.65 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)の2台がピットロードに並び、開始の時を待つ。そして、ピット出口がオープンされると、小暮がゆっくりコースイン。カーティケヤンも小暮が2コーナーに差し掛かるまで待って、コースへと入った。その後、セッション開始から約1分というところで、野尻、山下、伊沢、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、ロッテラー、キャシディ、ガスリー、可夢偉の順でコースイン。セッション開始から約2分というところで、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、関口がコースに入る。そして、セッション開始2分40秒というところで、最後にコースに入ったのがNo.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)だった。 多くのドライバーは、アウトラップとウォームアップラップを終えるとタイムアタックへ。一方、真っ先にコースに入った小暮は、他より1周遅めにアタックに入る。これに対して、アウトラップを走っただけでアタックに入ったのが、最後にコースインしたローゼンクヴィストだった。そして、チェッカー目前にまずアタックを完了したのが、ローゼンクヴィスト。タイムは1分32秒612だった。続いてアタックを完了したのは、カーティケヤンだが、タイムはわずかにローゼンクヴィストに及ばず。3番手にアタックした大祐は、ローゼンクヴィストこそ上回ったものの、タイムは1分32秒521。32秒台前半までは伸びてこない。その直後、一気にトップタイムを大きく引き上げたのが、野尻。野尻は1分31秒888を叩き出し、もてぎのコースレコードを更新した。これに続いて、山下が1分32秒006をマーク。その時点での2番手につける。だが、チェッカーと同時に、可夢偉も31秒台に突入。その結果、Q2は野尻がトップ、可夢偉が2番手、山下が3番手。さらに、ガスリー、キャシディも32秒台前半までタイムを伸ばし、4番手、5番手に滑り込んできた。以下、大祐、伊沢、ローゼンクヴィストというトップ8。これに対して、アタック中のブレーキロックなどがあり、予想されたほどタイムが伸びなかったのが、関口や一貴、ロッテラー。他にも、カーティケヤン、小暮、マーデンボローもQ2敗退となった。
このQ2終了後、10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づけるQ3が始まったのは、午前9時37分。このセッションでは、誰も開始前からピットロードに並ぶドライバーはおらず、しばしの静寂がサーキットを包む。その静寂を真っ先に破ったのは、野尻。セッション開始から1分というところで、野尻がコースに向かうと、その10秒後には大祐。続いて、山下、ガスリー、可夢偉がコースイン。開始から約2分というところで、伊沢、キャシディ。さらに開始から3分というところで、ローゼンクヴィストがコースに入った。このQ3では、アウトラップでの位置取りの攻防が激しく、最初にコースインした野尻は、ヘアピンで大祐に道を譲る形に。また、ウォームアップラップでは、山下が後方から迫ったガスリーや可夢偉にやはり道を譲る格好となった。 その結果、最初にアタックに入ったのは、大祐。だが、大祐は90度コーナーで痛恨のブレーキロック。自身のQ2でのタイムを上回ることができず、1分32秒721に留まった。これに続いてアタックしていた野尻は1分32秒112。Q2のタイムからコンマ1.5秒ほど落とし、32秒台に留まった。続いてアタックに入っていた可夢偉は、この野尻のタイムを1000分の7秒上回り、1分32秒105をマーク。国内復帰から3年目にして、初のPP獲得かと思われた。ここでチェッカーが提示されると、ガスリーが1分32秒129をマークして、一時3番手に。だが、続いてアタックしていた山下が、1分32秒030を叩き出し、可夢偉のタイムを100分の7秒上回った。その後にアタックしていた伊沢は1分32秒360、キャシディは1分32秒171、Q2とは違い計測2周目でアタックしたローゼンクヴィストは1分32秒264と、いずれも山下を上回ることはできず。その結果、デビュー4戦目にして、現役大学生ドライバーの山下が国内トップフォーミュラ初PPを獲得した。これに、可夢偉、野尻、ガスリー、キャシディ、ローゼンクヴィスト、伊沢、大祐が続き、今回はここまでの3戦を上位で戦ってきた、P.MU/CERUMO・INGING、VANTELIN TEAM TOM’S、ITOCHU ENEX TEAM IMPULが上位グリッドにいないという状況。また、全ドライバーが、満タンでのロングランと、タイヤのグリップダウンの状態を確認することができていないという不確定要素もある。予選後には再び雨が降り出し、一時路面がウェットになるなど、天候やコンディションも不安定なままだ。こうした予測不能な要素がレース展開にどのような影響を与えるのか。午後2時10分にフォーメーションラップがスタートする52周のレースは、チームの戦略も含め、見所の多いものとなりそうだ。