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開幕戦フリー走行 トップタイムは宮田莉朋
2022年4月8日
FP.1 トップタイム 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)と小枝エンジニア
3月22日(火)〜23日(水)に行われた第2回合同テストから2週間余り。静岡県富士スピードウェイでは4月9日(土)〜10日(日)、いよいよ今季の全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕大会が行われる。今大会は、土・日それぞれに予選・決勝が行われる2レース制。週末を通して春らしい好天になることが予想されており、シーズンのオープニングにふさわしい大会となりそうだ。
この開幕大会に先駆けて、8日(木)の午後2時10分から午後3時40分にかけては、フリー走行が行われた。前日は曇りがちとなった富士だが、この日は朝から太陽が燦々と降り注ぎ、富士山が雄大な姿をクッキリと見せる。ただし、風がかなり強く吹く時間帯も。スーパーフォーミュラのフリー走行も、ストレートに軽い向かい風が吹いている状況だった。このセッションは各チーム、各ドライバーにとって、週末に向けてのセットアップを決めるために重要な時間。同時に、このセッションでは開始から30分間の間、各ドライバーがオーバーテイクシステムを20秒間試すことができた。また、開始30分後からチェッカーまでの1時間の間には、予選アタック中を示すクオリファイング・ライトのテストも実施。明日明後日の予選では、アタック中に、黄色く点滅するこのライトが使用される予定となっている。このライトは、コース上にいるドライバーにとって後方から迫るマシンがアタック中かどうかを確認できるように使用されるものだが、観客にとってもアタック中のドライバーを認識できるということで、よりエンターテインメント性が高まる仕掛けだ。第3戦目以降はよりドライバーにとって視認性のある表示にアップデートされる予定だ。
予選アタック時に黄色に点滅するQualifying Light(Qライト)
さて、セッション開始時の気温は20℃、路面温度は29℃。同じドライコンディションとなった合同テスト2日目と比べれば、気温も路面温度も10℃以上上がり、全く違うコンディションとなった。そのため、コースがオープンされると、明日、明後日に向けて、各ドライバーが続々ピットを後にし、まずは持ち込んだマシンの状況を確認していく。多くは最初からニュータイヤを装着。一方、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、佐藤蓮(TEAM GOH)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)はユーズドタイヤを装着していた。そして、マシンの状況確認を終えると、すぐに一旦ピットインしたマシンもあったが、最初から計測に入るマシンの姿も。その中で、序盤から1分22秒台に飛び込んできたのは、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)。宮田は開始7分というところで1分22秒505をマークし、この時点でトップに立つ。また、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)も1分22秒761をマーク。続いて、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が1分22秒730、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分22秒618と次々に22秒台に入ってきた。その後、開始から15分というところで、宮田のタイムを上回ってきたのが、今季テストから絶好調ぶりを見せている坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)。坪井はここで1分22秒345までタイムを伸ばしてくる。しかし、間もなくこれを上回ってきたのが、1分22秒164をマークした山下健太(KONDO RACING)。昨年は不調に苦しんだ山下も、今季は開幕前テストから上位に顔を出してきており、リベンジの年となりそうだ。さらに、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)も1分22秒254と、坪井のタイムを上回ってくる。
一旦自己ベストタイムを出したドライバーたちは、ピットに戻ってマシンのセットアップを調整。そこから再びコースに出るという作業を繰り返していたが、セッションが間もなく3分の1を終えようかというところでは、牧野が1分22秒152とトップタイムを更新。また、宮田も自己ベストを更新し、1分22秒463をマークしてくる。その後、各ドライバーは、セットアップを進めると同時に、ピット作業なども練習。セッションは後半へと入っていった。そして、セッション開始から54分というところでは、ルーキーの三宅淳詞(TEAM GOH)が、一気に自己ベストを更新。1分22秒741をマークしてくる。三宅は続けてもう1周プッシュ。1分22秒450までタイムアップし、この時点での5番手まで浮上してくる。
FP.1 2番手 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
セッションの残り時間が20分を切ったあたりからは、関口をはじめQライトをテストするマシンも複数現れる。その中で、自己ベストを更新してきたのは、大湯。大湯は残り時間17分というところで、1分22秒201までタイムアップしてくる。また、フェネストラズが1分22秒060までタイムアップ。牧野がマークしていたタイムを更新し、この時点でのトップに浮上した。さらに、早めにニュータイヤを投入した笹原右京(TEAM MUGEN)が一気にタイムを伸ばして1分22秒151をマーク。この時点での2番手に浮上してくる。各車が最後のアタックに入る前の時点では、フェネストラズがトップ、2番手に笹原、3番手に牧野、4番手に山下、5番手に大湯、6番手に関口、7番手に坪井、8番手に三宅。以下、宮田、野尻智紀(TEAM MUGEN)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)と続いていた。
FP.1 3番手 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
そして、日が西に傾き始め、気温が16℃、路面温度が26℃まで下がり始めたセッション終盤。残り時間が7分となったあたりから、まずは松下信治(B-Max Racing Team)がニュータイヤでコースイン。これに多くのドライバーがニュータイヤを装着して続き、セッション締めくくりの予選アタックのシミュレーションを行った。コース上、特にセクター3ではトラフィックも発生する状況。その中で、残り時間が1分となったところでトップタイムを書き換えたのが、走り始めから速さを見せていた宮田。宮田は1分21秒822までタイムを縮め、一気に計時モニターの一番上に浮上する。これに続いたのは牧野。牧野もチェッカー目前に1分21秒979と21秒台に突入。宮田に続く2番手に浮上した。さらに、フェネストラズも自己ベストを更新して、21秒台に突入。1分21秒996をマークしてくる。しかし、最後まで宮田のタイムを破るドライバーは現れなかった。
その結果、今日のフリー走行をトップで締めくくったのは宮田。牧野、フェネストラズがこれに続く。以下、残り時間が2分30秒となったところで自己ベストを更新した大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、さらに野尻、関口、笹原、最後のアタックを行わなかった山下と続いている。
FP.1 トップタイム 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
明日、開幕戦の予選では誰がPPを獲得し、笑顔を見せるのか。フリー走行ではトヨタエンジンユーザー勢とホンダエンジンユーザー勢が入り乱れていただけに、明日もほんの僅かなタイム差がポジションを大きく分けるのは間違いない。予選は今日とは時間帯が違い、コンディションも変化することから、各チーム、各ドライバーにとってはQ1から油断できないセッションの連続。その中での渾身のアタック合戦を楽しみにしたい。