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2018年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦 予選レポート

2018年5月26日

全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦 予選レポート
No.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がPPを獲得。

 前日の金曜日に続き、好天に恵まれた5月26日(土)。宮城県スポーツランドSUGOでは、全日本スーパーフォーミュラ選手権のノックアウト予選が行われた。この予選でPPを獲得したのはNo.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が2番手、No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が3番手。以下、No.2 国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、No.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)と続いている。

 気温24℃、路面温度41℃というコンディションの下、20分間で行われる予選Q1が始まったのは午後1時20分。セッションが始まると、午前中のフリー走行で大きなダメージを負ったNo.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)を除く18人のドライバーがすぐにコースイン。全車がミディアムのニュータイヤで最初のアタックに向かう。コース上は至る所でトラフィックが発生する状況で、クリアラップを取れるかどうかが好タイムを刻むための鍵となった。その中で、Q1前半にトップに立ったのは、松下。他のドライバーが最初のアタックを終え、コース上が空いたところで松下は1分05秒840をマーク。No.1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)もその直前、やはりコースが空いている所で1分05秒872を刻んでいる。この後、石浦、松下もピットに戻り、この時点では全車がピットの中。2セット目のミディアムのニュータイヤを装着して、後半のアタックの時を待った。そして、残り8分となったあたりから、続々コースイン。各ドライバーがタイヤを温め、残り4分というあたりからアタックに入る。ここで1分05秒330と、トップタイムを書き換えてきたのは国本。同様に、山本が1分05秒372、松下が1分05秒365、石浦が1分05秒488と、各ドライバーが自己ベストを更新してきた。
 しかし、残り時間が1分19秒となったところで、セッションは赤旗によって中断。これは、No.7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)にマシンに電気系のトラブルが発生したため。オフィシャルがマシンの回収に向かい、一旦は再開時間が午後1時47分とアナウンスされる。しかし、時間になってもセッションは再開せず。マシン回収に予定以上の時間がかかったためだ。すでにピットロードには多くのドライバーが行列を作っていたが、再開時間が遅れたことでチームは大混乱。各ドライバーはオーバーヒートを防ぐために、一旦エンジンをストップ。メカニックはラジエターやブレーキなどを冷やすためのファンを取りにピットロードからガレージに走るなど、動きが慌ただしくなった。
 その後、ピットロードでのエンジン始動が認められ、セッションは午後1時59分に再開。残り時間は2分20秒に設定された。すでに赤旗前に上位のタイムをマークしていた国本、松下、石浦の3人は、ここではコースに入らず。一方、赤旗前にノックアウトゾーンにいた平川、野尻、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)らは早目にコースへと入って行った。赤旗前、5番手のタイムをマークしていたNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、変更したセットアップを確認するため、最後にコースに入ったが、計測ラップはできていない。
再開後、仕切り直しのアタックに向かった中では、平川、キャシディ、野尻が揃ってタイムアップ。ノックアウトゾーンから大きくポジションを上げる。それに対し、逆にノックアウトゾーンに落ちてしまったのは、No.4 山下健太(KONDO RACING)、No.8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.37 ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)。しかし、Q1が終わって間もなく、計時モニター上の5番手に名前があった関口が15番手に下がってしまう。代わって、山下が14番手に繰り上がった。これは、黄旗が出されているディルマンのコースアウト現場を通った周に、関口がベストタイムをマークしていたためだ。だが、20分間にも及ぶ赤旗中断の間にタイム末梢の可能性や裁定が、チームには伝えられておらず、その影響を受ける形で関口がQ1敗退となったため、ITOCHU ENEX TEAM IMPULは、抗議を提出。これが認められ、競技長に注意喚起がなされている。だが、タイム結果は変わらず。関口はQ2に出走することができなかった。

 さて、通常は10分間のインターバルを4分ほど延長し、7分間のQ2が始まったのは午後2時15分。セッションが始まると、可夢偉、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、No.50 千代勝正(B-Max Racing team)、松下、No.17 塚越広大(REAL RACING)、山下、野尻はすぐにコースイン。そこから1分ほど待って、石浦、山本、平川、No.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、国本がコースへ。さらに、セッション開始から3分が経ったところで、最後にキャシディがコースに入った。ここではもちろん全車ソフトのニュータイヤを投入している。タイヤを温めたドライバーたちは、残り時間が3分を切ったあたりから、アタックへ。まずカーティケヤンが1分05秒584をマークすると、千代が1分05秒562、塚越が1分05秒497、山下が1分05秒286と次々にトップタイムが書き換えられていく。だが、その後にアタックに入っていたドライバーたちはさらにタイムアップして04秒台に突入。中でもほぼ最後にアタックに入った松下が、1分04秒842を叩き出し、トップに立った。これに僅差で続いたのは、石浦。さらに、国本、野尻、可夢偉までがコンマ1秒以内につける大混戦。さらに、平川、一貴、山本までが8番手に入ってQ3進出を決めた。今回デビューしたNo.15 ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)は、9番手で惜しくもQ2敗退。以下、山下、キャシディ、塚越、千代、カーティケヤンまでがQ3に駒を進められなかった。

 さらに10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定する7分間のQ3が午後2時32分に始まった。セッションが始まるとすぐ、真っ先にコースに入ったのは松下。そこから1分半ほど待って、山本、可夢偉、平川がコースへ。その30秒後には、野尻、国本、そこから少し離れて最後に石浦がコースに入って行った。
 この中で、可夢偉と松下は、計測3周目にアタック。その他は2周目にアタックを敢行している。ここでまずタイムを刻んだのは、山本。だが、山本は思ったほどタイムを伸ばせず、1分05秒313に留まった。続いてアタックしていた平川は、1分04秒985までタイムアップ。それに続いた一貴は1分05秒498とやはりタイムが伸びない。Q2トップだった松下も1分05秒048と、05秒を切れなかった。だが、続いてアタックしていた野尻はQ2での自己ベストを更新する1分04秒694を叩き出してトップに浮上。チェッカー目前には可夢偉が1分04秒941で2番手に浮上してきた。最後にコースに入った石浦は、計測2周目にフルアタック。Q2以上のプッシュをし、途中まで野尻を上回るペースだったが、SPアウトコーナーの立ち上がりでリヤが流れて、斜めにコースを横切って行った。大きなクラッシュにはつながらなかったものの、石浦はタイヤにダメージを負ったため、アタックを諦めてピットに帰還。残念ながら8番手に終わっている。

 その結果、2016年第5戦岡山のレース2、2017年第5戦オートポリスに続き、自身3回目のPPを獲得した(前回オートポリスも、平川亮のグリッド降格により決勝スタートはPPポジションからとなっていた)。2番手には可夢偉、3番手には平川。以下、国本、松下、山本、一貴。そして石浦というトップ8になっている。

 明日も引き続き好天が予想されている菅生。68周に渡るレースでは、どんなドラマが待っているのか。ミディアムとソフト、両スペックのタイヤを使用することが義務付けられているだけに、これまでとは違う展開になりそうだ。予選上位のドライバーたちの戦いは当然のことだが、過去2年、菅生を制している関口がどこまでポジションを上げてくるのか。ルーキーのティクトゥムが初のSFレースでどんな走りをするのかなど、見所の多い1戦となるだろう。

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