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最終戦のフリー走行1回目トップは、No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)
2018年10月27日
いよいよ今シーズンの最終戦を迎えることになった全日本スーパーフォーミュラ選手権。予選日の10月27日、午前9時からフリー走行1回目が行われた。セッション中、大半の車両がウエットタイヤによる周回を重ねていたが、路面コンディションが回復するとユーズドのソフト/ミディアムタイヤを装着する車両も現れるなど、午後からの予選に向けてそれぞれのアプローチで準備を進めた。その中で、セッション終盤にソフトタイヤを装着したNo.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)がトップタイムをマーク。2番手につけたNo.17 塚越広大(REAL RACING)もソフトタイヤで最終周に自己ベストを更新、3番手はウエットタイヤでの最速タイムをマークしたNo. 7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)がつけている。
前夜遅くから本降りの雨に見舞われたサーキット周辺。サポートレース開始前には雨も上がり、少しずつ青空が顔を見せ始めていたが、セッションではウエットコンディションが先行する状態だった。なお、当初午前8時55分から50分間で実施される予定だったセッションは、サポートレースの赤旗中断の影響を受け、午前9時からの開始となった。
開始を前にピットロード出口には、5台の車両が待機。シグナルが変わると、No.37 ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.20 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が次々とコースへと向かった。その後、1台、1台と間隔を開けて各車ピットを離れる中、No.1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、No.2 国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、No.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.15 福住仁嶺(TEAM MUGEN)、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.20 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)の8台は依然としてガレージで待機。チームによって異なる様子を見せていた。
開始6分、1分48秒881でトップに立ったのがNo.17 塚越広大(REAL RACING)。これに続くように、上位5台が1分50秒台を切って周回を重ねていく。一方、コースは水量が減る方向ながら湿度が高いのか路面上の走行ラインがなかなか乾かず、ウエットタイヤでの装着が続いた。次にトップタイムが更新されたのは、開始21分後。可夢偉が1分48秒748をマーク、塚越のタイムを0.133秒上回る。この頃にはほとんど走行する車両から水しぶきが上がることはなく、見合わせたように石浦がようやくピットを離れたが、僚友の国本はコースインを見合わせた。
セッション折返しのタイミングでNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)が1分48秒104でトップに浮上。その後、徐々に各車がタイムアップし始める。そんな中、残り時間20分を切ると、装着するタイヤに動きが見られることに。まず、関口がユーズドのソフトタイヤを装着。アウトーインの走行でスクラブを行い、その後、再びフロント2本のみソフトタイヤへと交換する。さらにチームメイトの平川も同様の動きを見せたが、装着後はピットインせずそのままチェッカーまで周回を重ねた。
セッション終了10分前になると、それまで一度もコースインしなかった国本がコースへ。足元にはユーズドのソフトタイヤが装着されていたが、アウトーインの走行に留まるだけでセッションを終えている。そんな中、キャシディが再びトップタイムを更新。1分47秒802と惟一の47秒台に入れたが、ほどなくしてディルマンが1分47秒613とさらにタイムを縮める。だが、終盤になってスリックタイヤで周回し始めた車両がさらにタイムアップに成功。結果、ラストアタックで1分46秒471を刻んだ可夢偉がトップに立ち、0.121秒差で塚越が続き、ディルマンは3番手でセッションを終えることとなった。
タイトル争い中のドライバーの中では、キャシディが5番手のタイムをマーク、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)は7番手、石浦は13番手止まり。その中で、石浦は周回数も3選手の中では最少の4周に留まっている。現在、天候は順調に回復傾向にあり、午後0時35分からの予選ではドライ路面で白熱のアタック合戦が見られることだろう。
フリー走行1 1位
No.18小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)
「僕は昨日から、スリックはソフトしか付けていません。今回、持ち越しをソフト2セットにしたんです。昨日もミディアムはスクラブしただけで、そこからずっとソフトなので。最終戦だから、これ以上タイヤを持ち越すこともないですし、(前回雨で)ニューを2セット持ち越せるとなると、ソフトを練習しておいた方がいいかなと。鈴鹿は予選で前に行ったもの勝ちですから。だから、ソフト2セットでもいいかなと思いました。結局、昨日と今朝で1セットしか使わなかったんですけどね。ただ、昨日はちょっと路面コンディションが悪かったので。今日はこのコンディション(セミウェット)なので、分からないですし。ただ、昨日はずっとストレートが他より10km/hぐらい遅くて、その理由が分からないままだったんですけど、今日はちょっとマシには見えました。今朝は、ストレートが遅い原因を探るために、ウィングのポジションを変更しながら走っていただけですね。今朝の最後はスリックを付けましたけど、全然乾かなかった。ギリギリ最後に(タイヤのウォームアップが)間に合ったぐらいの感じ。タイミングが少し遅かったら、タイヤは温まっていなかったのかなという。そこで確認して、昨日ほどストレートスピードが遅いという感じではないと思いました。予選に向けてですか? 昨日の結果ではちょっと厳しいかなと思うんですけど、落ち着いて何とかまとめてできるだけ前に行けるようにしたいと思います」
フリー走行1 5位
No.3ニック・キャシディ(KONDO RACING)
「今朝のセミウェットの中では、すごくクルマが速かったよね。走るたびに、他に対して大きなマージンがある状態でその時のトップに行けていたから。ビックリしたけど、いい気分だったよ。朝は、何もセットアップを変えたりはしていない。予選がドライになるって分かっているし、雨に対して何かしても仕方がないからね。路面はまだ乾いていなかったし、スリックは履いても、何も学ぶべきところはないかなと思って、今朝は使わなかった。リスクもあるしね。ただ、昨日ちょっとブレーキに問題があったから、今朝ブレーキのチェックをして、予選に向けては大丈夫だっていうことを確認したんだ。昨日は、自信を持ってブレーキを踏めなかったから。ただ、予選自体に関しての自信っていう意味では、昨日と変わらないかな。やっぱりホンダ勢が速いんじゃないかなって予想しているんだけど、どうだろう。もちろん、そうじゃなければいいなって思ってはいるし、僕もベストは尽くすけどね」
フリー走行1 13位
No.1石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)
「朝のフリー走行では、クラッチのバイトポイントを確認しに行きました。それだけです。あとは路面を見に行って、いつドライで行けるようになるかな〜と思ったんですけど、ドライのクルマを見られるほどにはならないな、と。そう思ったので、ピットでスリックを付けましたが、コースには出ませんでした。まぁ、今朝、できることは何かなと思って。明日の朝も、クラッチの状態は見るんですけど、その前段階の大体の様子を見たんですよ。ウェットの状態で見ておけば、ドライでこれぐらいっていうのが分かるので。今朝は、天気予報を見ていて、元からこうなるだろうなと。朝はあんまり意味がないなと思っていましたね。その割には、思いの外、みんな走るな(笑)と思いました」