Headline News
2018年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第5戦もてぎ大会 フリー走行1レポート
2018年8月18日
シーズン後半戦を迎えた全日本スーパーフォーミュラ選手権。第5戦の舞台となる栃木県ツインリンクもてぎでは、8月18日(土)に予選が行われるが、これに先立ち午前9時40分から1時間のフリー走行1回目が行われた。途中、赤旗による7分ほどの中断はあったが、終盤に各車こぞってソフトタイヤを装着する中で、No.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分32秒476のトップタイムをマーク。2番手はNo.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)となり、3番手にはNo.4 山下健太(KONDO RACING)が続いた。
澄み渡った青空がサーキット上空に広がり、日差しは強いものの、爽やかな風が吹く中でスタートしたフリー走行。開始を前にピットロード出口には、No.2 国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)を先頭に、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、No.15 福住仁嶺(TEAM MUGEN)、No.7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.8大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.20 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の6台が待機。その後、5台、6台…とひと呼吸間隔を離してコースへと向かい、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)が最後のコースインとなった。うち3台はアウト−インでピットへ戻って確認作業をしたが、各車、前日の走行からの変更点を確かめつつ、周回を重ねていた。
開始15分を前に、まずソフトタイヤを装着したのは、今大会で小林可夢偉の代役を務めるNo.18 中山雄一(carrozzeria Team KCMG)。一方、その直後、最終コーナー立ち上がりでNo.1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)がリアタイヤをスライドさせてハーフスピン、ピットウォールの寸前でかろうじてクルマを止める。結果、赤旗提示によってセッションが中断したが、およそ7分後にセッションが再開した。なお、このアクシデントでミディアムタイヤにフロットスポットが出来てしまった石浦は、ピットでの作業を済ませるとソフトタイヤを装着。改めてコースに向かっている。
セッションは30分が経過、トップタイムは依然野尻がミディアムタイヤでマークした1分33秒854だったが、ソフトタイヤを装着するクルマが増えると、その中からまずNo.17 塚越広大(REAL RACING)が1分33秒170でトップに浮上。前日の専有走行でソフトタイヤでトップタイムをマークした大嶋の1分33秒772を上回った。さらに持ち越しの新品ソフトタイヤでコースインするクルマも現れ、カーティケヤンが1分33秒001でトップに立ったが、チームメートの伊沢がすかさず1分32秒641をマーク。残り15分の時点でトップタイムを更新する。終盤に入ると、各車予選を見据えた動きが激しくなり、セクターごとに自己ベストタイムを更新しながら周回を重ねるクルマが増えたが、その中で最後の最後にトップタイムを刻んだのが野尻。32秒前半をマークし、伊沢のタイムを上回ることとなった。
このセッションでは、開始時点の気温が26度、路面温度は37度とこの季節のもてぎ戦としては予想していたよりも低いものとなったが、好天気に恵まれていることもあり、午後からの予選では気温、路面温度ともに上昇する中でのアタックが行われそうだ。
フリー走行1 トップタイム
No.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「みんなそうだと思いますけど、金曜日は色々今回に向けて考えてきたアイテムを試して、良かったものをピックアップして最適化を図るっていうのが、今日への流れでした。今までのベースと、今回持ち込んでやった新しいものを融合させてというか、合わせ込んで。まだまだ仕上がってはないんですけど。(トップタイムが出たのは)前回Q1で落ちているので、ソフトのニュータイヤだったというのもありますし、余り参考にならないかなと思います。クルマはコースの全てでオーバーも出るし、アンダーも出るし、まだまだ難しいところにいるかなと思いますね。ハンドリングは決して良くないです。なので、ここからまだまだ合わせ込んで行かないとねということで、今チームと話をしています。予選に向けて、楽観視はできないですよね。朝の走行でトップとか取っちゃったんで、逆に。ちょっとぐらい下の方にいた方が、気分的には開き直れて、予選はやりやすいですし。これが良くない方に出ないように、しっかり進めたいなと思います。残り3戦しかないので、何としても大きいポイントを獲りたいと思っていますし、そのためには予選から前に並ぶのが必須条件だと思っています。不運に見舞われないように、頑張りたいと思います。」
第2位
No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)
「タイムが出ているので、持ち込みから大きなセット変更もしていませんし、この流れを上手く予選までキープできればいいなと思っています。アウティングごとにいい時も悪い時もありますけど、タイムを出すところでちゃんと出ているので、いい方向かなと思います。今朝、ソフトを履いた感じ、ミディアムよりも当然グリップはありますし、ウォームアップもちゃんとするので、ミディアムからソフトでセットアップ的に変える必要はない感じでしたね。ただ、(今朝の)タイム差も少ないですし、ソフトに関してはニューを持っている人と持っていない人が多分大きかったと思うので、僕としては予選では上手くQ3につなげられればと思っています。」
第3位
No.4 山下健太(KONDO RACING)
「昨日の走り始めから、そんなに調子は悪くなかったんですけど、コーナーの立ち上がりのトラクションとか少し直したいところがあります。乗っていて、そこが今イチ良くないので、直そうと思ってずっとやってきていて、それが少し良くなった結果、今朝は3番でした。でも、今朝のフリー走行ではユーズドのソフトの人が何人かいたみたいなので、まだ速さ的には足りないかなと思っています。やっぱりトラクションサイドで、もう少しアクセルをスムースに踏めるようにしたいです。今は結構気を使わないといけないので。そこが良くなると、速くなると思うんですけど、なかなか。でも、もう予選なんで、とりあえず一発決めるしかないんで頑張ります。自信はあんまりないですね。PP獲りたいですけど、今のままじゃ足りないと思うので、もう少し何とかしたいです。」
No.18 中山雄一(carrozzeria KCMG)
「普段すごいゆっくりなクルマに乗っているので(苦笑)、スーパーフォーミュラはやっぱりコーナリングスピードがすごく速くて、行っても行っても限界が先にある。というところで、昨日は終わってしまったんですけど。シートも昔のを使っているんですけど、1年半もブランクが開くと、全く違う視界に見えて。まずそういう所からアジャストしていくっていう感じだったんですけど、今日はそれなりにはペースが上がってきたかなというところでした。今朝ソフトタイヤを履きましたが、結構ミディアムとソフトで差があって。GTテストとかで感じる以上に、このソフトタイヤはいいタイヤだなと思ったぐらいです。まだソフトのニューは履いていないので、ニューだともっとグリップがあるんだなと思うとすごいタイヤだなと。クルマは、可夢偉選手のままのセットアップで走り始めたんですけど、僕にとっては少しピーキーに感じたので、フロントの動きが少しマイルドになる方向に振ってみました。それで少しは乗りやすくなったんですけど、もう少し速く走るためには可夢偉選手のセットのいい所も取って行かなくちゃいけないかなと感じています。今回はスポット参戦ですが、シーズン通して乗っていた時と同じで、まずは予選Q3に進むことと、決勝ではポイント獲れる位置で走ることが現実的な目標です。まずミディアムでQ1を突破したいですね。
1年半、乗っていない間に外から見ていて、悔しい思いとかあったんですけど、それは忘れて、この環境で走れるということを楽しんでいる最中です。その中で、また自分の実力を発揮できればいいなと思っています。日本国内で一番上のカテゴリーですし、GT500よりも純粋にスピード勝負の世界ですし、いつか戻って来られるように今回のレースをいい形で終えたいと思っています。」